2016年12月23日金曜日

京都市交響楽団 シュトックハウゼンのグルッペン 他 2016.12.23

★★★★☆

京響創立60周年記念 特別演奏会

日時:2016年12月23日(金祝)2:00pm 開演

会場名:京都市勧業館みやこめっせ(第3展示場)

出演者:広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
     高関 健(常任首席客演指揮者)
     下野 竜也(常任客演指揮者)
     大谷 麻由美(指揮)
     水戸 博之(指揮)

曲目等:シュトックハウゼン:3つのオーケストラのための「グルッペン」(2回演奏)

     ジョン・ケージ:5つのオーケストラのための30の小品

グルッペン、休憩、ケージ、休憩、2回目のグルッペンという順番。

全て自由席 3000円
(もっとも展示場の特設ステージにパイプ椅子なので、指定席というわけにもいかないか。)

2回目のグルッペンの前に、全員に席を空けさせ、そのうえで、違った席につかせていた。違う場所で聞こえる違う響きを味わってほしいという趣旨だ。
グルッペンは、日本では3度目の演奏で、10年前のサントリーホールには、下野さんも聴きに行っていたそうだ。

グルッペンは、3つのオーケストラ、3人の指揮者で演奏。みやこめっせの大展示場の前、左、右に、3つの特設ステージを作り、3つのオーケストラを、広上さん、高関さん、下野さんが指揮するという贅沢な時間と空間。
指揮者は3人とも客席側を向き、オーケストラは客席に背を向ける。シュトックハウゼンは、最初、h指揮者が聴衆に背を向ける形を考えたが、これでは演奏できなかったので(指揮者がお互いに見えないと、無理だよね)、今のスタイルになったそうだ。見ている側は新鮮でよい。

1回目は、いまひとつ音楽という気がしなかったが、2回目の時は、音楽という聞こえ方になっていたのが不思議だ。2回目の前のトークで下野さんは、1回目きちんとできなかったところもあると率直に言っていたが、聴いている方は、どこがどううまくいっていないのか、よくわからない。ケージの前のトークで、高関さんは、まずまずうまくできていたと話していたな(そして、正面の高関さんは、高関さんから見て右の広上さん、左の下野さんを同時に見ることはできず、場面に応じて、片方ずつ見ていたそうだ。その後、下野さんは、下野さんは2人ともよく見えていたと話していた。)。1回目の前のプレトークでは、広上さんが、下野さんがやろうと言い出し、高関さんもやろうと乗り気なので、しょうことなしに広上さんも加わったというような言い方をしていたが、実際のところ、広上さんもかなり力が入っているという印象だった。
この曲、音の掛け合いや、3つのオーケストラに連続的に音が鳴っていくという面白さを感じる。右のオケから左の壁に音が当たっての反響とかもあって、なかなか味わい深い。旋律の味わいが感じられないのは残念だが。オーケストラの音はかなり良い。京響は黄金時代を迎えているのかな。

3人の指揮者のおけいこ
https://twitter.com/AMATI_Inc/status/811229444308242432

ケージは、プレトークの高関さんによると、かなり自由度が高く、指揮者や楽団員にまかされている部分も大きいのだというが(グルッペンは構造化されているという)、聴いていてもよくわからない。
ケージでは、指揮者は5人に。

司会をNHKの女性アナに頼んでいた。さすがに、発声や、物腰は素晴らしい。

それにしても、下野さんは、いずれ、世界的な人になるような気がする。




2016年12月22日木曜日

読売日本交響楽団 マルクス・シュテンツ ベートーヴェン 交響曲第9番 2016.12.22

★★★★☆

2016.12.22

読売日本交響楽団 第15回 大阪定期演奏会

曲目/ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
指揮/マルクス・シュテンツ

独唱/アガ・ミコライ(ソプラノ)、清水華澄(メゾ・ソプラノ)、デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)、妻屋秀和(バス)

合唱/新国立劇場合唱団

2階 前から2列目 11番くらい 3回(1年間)セット券で、1回4500円くらい。1回券だと、A席6100円らしい(Sは7200円)

会場に着き、さて、1曲目は何だったっけと思って配られた資料をみると、どうやら今日は1曲だけらしい。会場でも、演奏が始まると終わるまで出れないとアナウンスしていた。

最初、少し乱れたように聞こえた。その後は、手堅い演奏という印象。音の厚みを感じない。ちょっと単調な運び方だ。この曲特有の宇宙的な響きを感じない。シュテンツさんとは趣味があまり合わないのだろうな。
ホルンの音色はかなり良い。

終楽章になって出番となった新国立劇場合唱団は、かなりの高水準。さすがである。バスの妻屋さんも素晴らしい。すると、当然の帰結だが、終楽章はかなり印象的だった。
ただ、テノールのフィリップさんの声がやたら小さかったが、どうしてだろうか?

フェスティバルホール1階もクリスマスモードだ





2016年12月10日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 ヤクブ・フルシャ 川村尚子 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 2016.12.9

ベートーヴェン ★★☆☆☆
ショスタコーヴィチ ★★★★★


大阪フィルハーモニー交響楽団 第504回定期演奏会

指揮/ヤクブ・フルシャ
ピアノ/河村尚子

曲目/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
    アンコール:ショパン  プレリュード 作品17
    
   ショスタコーヴィチ:交響曲 第10番 ホ短調 作品93

料金/A 6,000円 B 5,000円 C 4,000円 BOX 7,000円

C席。2階の最後尾 L寄り(ピアニストの手元はよく見える)
そこそこ空席もあり、見えた範囲では、9割くらいの埋まりか。

ベートーヴェン 
音を置いているだけの演奏。音楽ではない。
音の流れにストレスはないが。

しかし、アンコールのショパンになって、一転。音の広がり、音の心が現れた。
心地よい、情緒もある音楽だった。

赤いドレスの河村さんは、写真と全くの別人。本人に見えるような写真を使えばいいのに。


ショスタコーヴィチ
ベートーヴェンでは生命を感じなかったオーケストラが、突然生命を持ったという印象だ。
トロンボーンの若干の乱れが気にはなったが、総体としては素晴らしい。ショスタコーヴィチは、やはり、天才。
フルシャさんもショスタコーヴィツが大好きなのではないかな。
高橋将純さんのホルンはかなりよかった。関西では突き抜けていると思う。

ただし、2013年の京都市交響楽団のこの曲の演奏(指揮はパブロ・ゴンザレフさん)の方が良かった気はする。大フィルよりも京響の方が、心が入った演奏をするという印象だ。その時の京響では小谷口さんが、後半の開演前に熱心にさらっていたことや、終演後指揮者の合図で立ち上がってクラリネットを高く掲げて微笑んでいたことがとても印象的だった。(そのころはまだこのブログ(というか、メモ)を立ち上げていなかったのが残念。)





フェスティバルホール近くの淀川





2016年12月7日水曜日

プラジャーク・クヮルテットwith山碕智子 2016.12.7

★★★★☆

2016.12.7

 プラジャーク・クヮルテットwith山碕智子(ヴィオラ)

[Vn]ヤナ・ヴォナシュコーヴァ [Vn]ヴラスティミル・ホレク
[Va]ヨセフ・クルソニュ [Vc]ミハル・カニュカ [Va]山碕智子

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 op.74「ハープ」
モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516
ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 op.111

ホール 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
前から3列目、真ん中やや右。
客席の全体像がよくわからないが、お客さんで埋まっていたのは8割くらいか?


聞いていてストレスのない絶妙の演奏。
弦楽四重奏、五重奏で、ダイナミックレンジの広い、力強さや繊細さを感じさせてくれる。
山碕智子さんが奏でる音も、自然に溶け込んでいた。

しかし、ストレスがなさすぎて? 最初の2曲は緩徐楽章などで寝てしまった。岩城宏之さんは、よい演奏だと眠れると書いていたような記憶がある。超名演と下手な演奏は眠くならないとも。
そして、3曲目のブラームスは偉大と思った。退屈させない。眠気を生まない。


2016年11月27日日曜日

京都市交響楽団 高関健 メシアン トゥーランガリラ交響曲

★★★★☆

2016.11.26

メシアン:トゥーランガリラ交響曲

高関 健(常任首席客演指揮者)

児玉 桃(ピアノ)
原田 節(オンド・マルトノ)

京都コンサートホール

2000~5000円で、3500円の舞台横のバルコニー席R


お客さんは7~8割しか入っていない。
なじみのない曲だと、行こうという意欲がわかない人が少なくないということか。

今日の京響は、とても調子が良く、金管、木管がとてもよくきまっていた。弦とのハーモニーもよし。

ただし、不覚にもかなり眠ってしまった。
そうそう眠気を誘う曲ではないのだが・・・ 寝不足が溜まっていたか。残念・・・
明日時間があればもう一度行きたいが、他の用事があって・・・ 残念
生でトゥーランガリラって、もう生涯機会がないかもしれない。どのオケでもいいから演奏機会があれば、聴きに行こう。

終演後、今日は、まずオーボエの高山さん、次にクラリネットの小谷口さんが立つよう指示されていた。

でも、この前もそうだったが、桃さんのピアノ、もう少し音の太さや逞しさが欲しいと思う。





2016年11月23日水曜日

バイエルン放送交響楽団 ヤンソンス マーラー 交響曲第9番 2016.11.23

★★★★☆

2016.11.23

指揮  マリス・ヤンソンス

管弦楽  バイエルン放送交響楽団

マーラー:交響曲 第9番 ニ長調

会場 兵庫 芸術文化センター

席 1階バルコニー RC7 くらい
(申し分のない席)
19000円
(3日前のサンフランシスコ交響楽団よりも1000円安い)
ほぼ満席のように見えた。


演奏が始まり、驚きも始まった、
弦の音がクリア。木管も金管も音色が素晴らしい。
ホルンは太く、大きく、まろやか。
コンマスのヴァイオリンも、これ以上なにを求めるのか、といった演奏だ。
木管も申し分がない。特にSクラリネット、こんなにまろやかな音色になるとは。あのお姉さん、大したものだ。

トランペットの1stは、うまいし、音色も文句のつけようがないが、少し自分の趣味に走った音の運び方をしている気がした。演奏後、ヤンソンスさんがまずホルンの1stさんに立つよう指示し、次には、木管の前の方から順に立つよう指示、木管が終わったあとにトランペットに立つように指示、というのは、この感じに関係してるのかな・・・

3日前のサンフランシスコとは、やはり、格が違う。(サンフランシスコ、高かった・・・)

ホルンの1stもトランペットの1stも、そこそこのお年(60前?)のように見受けられるが、ものすごいスタミナを持っている。

ヤンソンスさんも、とてもしなやか。指示も見ていてわかりやすく、興味深い。

★を4つにとどめたのは、いまひとつ、情感が揺さぶられなかったから。演奏としては申し分ないが。ヤンソンスさんと、少し、趣味が合わないのだろう。








2016年11月20日日曜日

サンフランシスコ交響楽団 マイケル・ティルソン・トーマス ユジャ・ワン ショパン マーラー 2016.11.20

ショパン ★★★★★
マーラー ★★★☆☆

2016.11.20

サンフランシスコ交響楽団

開演/14:00

指揮/マイケル・ティルソン・トーマス
ピアノ/ユジャ・ワン

曲目/マイケル・ティルソン・トーマス:アグネグラム
   ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 op.21
   マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」

料金/S 22,000円 A 19,000円 B 16,000円 C 13,000円 D 8,000円

確か、最初は、、トーマスさんの生演奏と、ユジャ・ワンさんの生演奏をそれぞれもう一度見てみたいな、という気はしたが、曲目が今一つ魅力に欠けるし、高いので、行くのはやめておこうと思っていた。しかし、曲目は悪くはないし、もう一度見てみたいと思い直し、残っていた席を見ると、前の方のよさそうなS席が空いていたので、カード払いの気安さで、つい買ってしまったように思う。(会員割引で2万円)
8列目(実質3列目)の真ん中あたり。
トーマスさんは、4~5年前だったかの、PMFオケを大阪のシンフォニーホールで振った時以来だ。その時の演奏がかなり上質だったと記憶していた。(調べると2009年、マーラー5番だったようだ。)

後ろの方の様子はよくわからなかったが、ほぼ満席かな。(当日券の発売はあったらしいが)

最初のアグネグラム
よくわからないが、退屈はさせない曲だ。

ショパン
ユジャ・ワンさんは、今日も超ミニスカート。キラキラ光るワンピースだ。ヒールは15センチ以上はあるな。
例によって、ぴょこんと深いお辞儀をする。
前奏まで椅子の高さを調整していたが、演奏が始まると、やはりすごい。間近なので、全身を使って弾いているのがよくわかる。一つ一つの音は生きて、そして、全体としてもつながっている。
アンコールは、超絶技巧が必要っぽいが、かっこよく弾いていた。
10年したら、どんな衣装で演奏するのだろうか。興味がある。それを見る日まで生きていよう。

マーラー
1楽章から、管の音符の頭がきれいに溶け合わない。3楽章の終わりの方では、珍しいことにクラリネットがおかしな音を出していた。指揮ぶり(曲作り)はよかったが、2万円をはらっていながらこうしたストレスを感じると、興ざめしてしまう。舞台に近いので、最後ホルンが立ち上がった時は、くっきり見えて迫力あり。
金管は悪くないが、クラリネットやオーボエは、京響の小谷口さんや高山さんの方がずっとよい。2014年の京響のマーラー1番(広上さん)は名演だった。

DVDで見るサンフランシスコ響+トーマスさんは、かなり良いのだが。やはり、録画(録音)なので、撮りなおしを重ねて完成度の高いものになっているのだろうか。




2016年11月17日木曜日

アリサ・ワイラースタイン 無伴奏チェロリサイタル 2016.11.12  

★★★★☆

2016.11.12

チェロ
アリサ・ワイラースタイン

プログラム
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011

●アンコール曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番より
Ⅳ. サラバンド Ⅴ. ブーレ

兵庫 芸術文化センター

小ホール

黒いズボンとオレンジのシャツ(という表現でいいのかな)
ややふくよかな下半身の線が・・・

最初の音に驚いた。
これが、本当のチェロの音なのか。
豊かで、輪郭がしっかりしていて、内面に入り込んでくる。

演奏者がとても近い、この小ホール。こうした演奏会にはぴったりだ。




屋根上花壇には、ツワブキが群生していた




2016年11月16日水曜日

京響ふらっとコンサート 第9回 法住寺 2016.11.11 

★★★★☆

2016.11.11

場所 法住寺(無料)

曲 マスカーニ:歌劇「カヴァレリア ルスティカーナ」より 間奏曲  
   ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第6番 
      ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 作品72-2
   マスカーニ:歌劇カヴァレリア・ルスティカーナより 間奏曲

フルートの中川佳子さんと、ファゴットの中の陽一朗さんという、京響が誇る美女と美男のアンサンブルだ。

中野さんはありきたりのスーツ。中川さんは、ブルー(濃紺の衣類を上半身にはおっていたが)のドレスが、なかなかに似合っていた。

ぴったりと息が合って、ストレスを全く感じない演奏。
時間がわずか30分で、短すぎる気はするが、演奏が上質なので、まあ良しとしよう。

ご本尊の「身代わり不動明王」だろうか、仏像の前で西洋音楽を演奏する催しで、仏さまが西洋宗教をも包み込んでいるようで、感慨深い。
先日の宝蔵寺でのクラリネット四重奏と違って、事前申し込みは不要。聴衆は40~50人くらいだろうか、宝蔵寺の時よりも若干少なめな気がした。

今年は60周年なので、こうした催しを行っているということだが、できることなら来年も続けてほしい。入場料をとってもいいので。






2016年11月5日土曜日

バンベルク交響楽団 ブロムシュテット 諏訪内晶子 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 交響曲第5番 2016.11.5

★★★★★

2016.11.5

バンベルク交響楽団

[指揮]ヘルベルト・ブロムシュテット
[Vn]諏訪内晶子

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
 アンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より アンダンテ

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」
 アンコール エグモント序曲

京都コンサートホール 大ホール
料金 一般S16,000 A14,000 B12,000 C9,000 D5,000
会員S15,000 A13,000 B11,000 C8,000 D4,000
お客さんは9割5分くらいか。京都コンサートホールでの海外オーケストラとしては、沢山の聴衆だ。プログラムがポピュラーなのと、諏訪内さんの人気、ブロムシュテットさんの知名度といったところの効果か。

8000円の 3階バルコニー席L側、舞台の横の最上列

ヴァイオリン協奏曲
最初から音が違う。心に分け入る鋭さがあり、重厚な趣もあり。
音色が違うし、歌い方も違う。
この曲が名曲だということを初めて認識できた演奏だ。
やはり、五嶋みどりさんとともに、別格のヴァイオリニストだ。
オーケストラは、残念だが、時に、すっきりせずに甘くなっていた。ソリストとの技量の違いを感じた。

交響曲
ここでは、オーケストラは、重厚に、かつ生き生きと響いていた。
ブロムシュテットさんも、(協奏曲と同様だが)89歳とは思えないダイナミックな音楽を作り出していた。
歩くときは、多少高齢かな、と感じるが、指揮を見るに、そういった感じは受けない。
値打ちの高い、これぞベートーヴェンの第5、といえる名演だ。

アンコールも、深く重厚でかつ力動的な演奏だ。

価値の高い演奏会だった。

バンブルクとブロムシュテットさんの組み合わせは、以前兵庫芸文でブルックナーを聞いたときと同じ。その時は、ホルンがときたま外していて興ざめだったのを思い出してしまった。あと、補聴器が原因だったらしいが、客席のある区画では甲高い音が響き続けていたというはなしだった。このため、後半開始がかなり遅れたような記憶(というか、他の人のネット書き込み)がある。(今日も、協奏曲の第二楽章でホルンが微妙だった・・・)







2016年10月30日日曜日

プラハ国立歌劇場 魔笛 2016.10.29

★★★★★

2016.10.29

モーツァルト 魔笛

指揮:リハルド・ハイン Richard Hein
演出:ラディスラフ・シュトロ

プラハ国立歌劇場

ザラストロ: イヴォ・フラホヴェツ Ivo Hrachovec
タミーノ:アレシュ・ブリスツェイン Ales Briscein
パミーナ:マリエ・ファイトヴァー  Marie Fajtova
夜の女王:ヴァッシリキ・カラヤンニ Vassiliki Karayanni
パパゲーノ: ミロッシュ・ホラーク Milos Horak

S席 15,500(フェスティバルホールの会員割引で14500円くらい)

2階席の前から2列目だったが、実質は1階。普通にイメージする2階席は、ここでは3階席だ。

オーケストラ、よいが、ビットの中が、この客席からは見えない。気のせいか、音もビットの壁で防音されてしまっているような・・・  聞いていて特にストレスはない。
歌手は、どの歌手も見事。欧州と日本との文化や層の厚さの違いを感じる
時に、「サントリー」などのギャグも織り込み、なかなか考えた演出だ。


ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル 2016.10.16

★★★★☆

[ピアノ]ユリアンナ・アヴデーエワ

<プログラム>
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調 BWV807
ショパン:バラード第2番へ長調 op.38
ショパン:4つのマズルカ op.7(ナショナル・エディション)
ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53「英雄」

リスト:悲しみのゴンドラ
リスト:凶星!
リスト:リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

アンコール:ショパン ワルツ第5番
        リスト  リゴレット
       ショパン  マズルカ第10番

ザ・シンフォニーホール

A 7,000円 B 5,000円 C 3,000円 
私は、5000円のオルガン席

残念ながら席は4~5割くらいしか埋まっていない。
しかし、演奏は見事。
特に、英雄ポロネーズは、堪能できた。
ただ、リストは、曲に深く入り込んでいない感じがしてしまったが・・・


ドレスは、どちらかというと地味な緑と黒。










2016年10月27日木曜日

京響ふらっとコンサート 第7回 クラリネット四重奏 アルビノーニ ソナタ モーツァルト ディヴェルティメント第5番 小谷口直子ほか 2016.10.27

★★★★★

京響ふらっとコンサート 第7回(60周年記念)

2016.10.27

クラリネット四重奏

小谷口直子(京響首席クラリネット奏者) 
鈴木祐子(京響クラリネット奏者)
筒井祥夫(京響クラリネット奏者)     
玄 宗哲 (京響クラリネット奏者)

+ 宝蔵寺のお嬢さん


フォスタン・ジャン=ジャン:ギスガンドリー
久石譲:君をのせて
アルビノーニ:ソナタ 
モーツァルト:ディヴェルティメント第4番 から
鈴木英史編:フォスター・ラプソディー
ロジャース(高橋宏樹編):「サウンド・オブ・ミュージック」メドレー

アンコール:アメイジング・グレイス

場所 宝蔵寺(本尊阿弥陀如来の前)

無料

約1時間のコンサートだった。

定員50名(申し込み開始初日の昼に電話すると、まだ間に合った。翌日、京響のサイトを見ると、すでに定員に達したと書いてあった。)

運よく申し込めてラッキーだった。

阿弥陀如来の前での演奏も、なかなかに雰囲気があってよい。教会で演奏された?アルビノーニも、阿弥陀如来は包み込む。
インドから伝わった仏教の傘の中で、ヨーロッパの教会で生まれた音楽が響く。この世の不思議さを感じる。

さて、演奏。
聞いてストレスを感じるところのない緻密なアンサンブルだ。
きっと仲もよいのだろうな。
4人とも、申し分がない。
小谷口さんの音は、実は、しっかりとした芯があることをあらためて実感した。よく歌っているし。

小谷口さんの語りは、昨年(だったかな)の中山さんとムラタでやったときよりも、かなり滑らか。ムラタの時は原稿読んでたところもあったのとは段違いだ。ムラタのときはかなり緊張していたのだろうか。

宝蔵寺のお嬢さんはクラリネットをやっているそうで(ぱっと見だと、大学生くらいか)、フォスターの時に加わって5重奏となっていた。音も京響の4人と溶け込んでいて、なかなか達者なようだ。宝蔵寺のすぐ近く(ラウンドワンの隣り)に居宅があって、ラウンドワンが騒がしいので、ぞんぶんに音出しができるそうな。将来はクラリネットで身を立てたいという意味のことを話していた。
小谷口さん曰く、プロになろうと思うまでは楽しく、プロになろうと思ってからは地獄。でも、演奏しての楽しみもある。演奏自体の楽しさ。仲間と協働。聞きに来る聴衆。(というような話だったように記憶している。)

これが無料とは信じられない。
来年も続けてほしい。3000円くらいの料金としてもよいのではないかな。






2016年10月9日日曜日

マリインスキー歌劇場管弦楽団 ゲルギエフ オネーギン 2016.10.8

★★★★★★

オペラ オネーギン
(チャイコフスキー)

2016.10.8

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団
合唱:マリインスキー歌劇場合唱団

オネーギン:アレクセイ・マルコフ(バリトン)
タチヤーナ:マリア・バヤンキナ(ソプラノ)
レンスキー:エフゲニー・アフメドフ(テノール)
オルガ:エカテリーナ・セルゲイエワ(メゾ・ソプラノ)
グレーミン侯爵:エドワルド・ツァンガ(バス・バリトン)

ロームシアター京都

C席 2階R2の18くらい 9000円

9000円の席。高い席は38000円だと、今日チラシでみて、改めて驚く。
私の席は、バルコニー席で椅子の向きは舞台から90度ずれているものの、舞台の8割~9割くらいは見えており、ビットの中のオーケストラも結構見えて、かなり良い席だった。
客は8割くらい。
主催者さん、もっと頑張らないと。

今日の公演は、総合舞台芸術の一つの頂点だ。

ストーリーは特別面白くはないが、管弦楽、声楽ともに素晴らしい。
管弦楽につて、特に、ホルンをはじめとする金管は、日本のオーケストラとは根本的に違う感じた。残響が少ないホールで輪郭がはっきりと聞こえる部分はあるのだろうが、音は溶け合い、時に個性を主張し、弦も、木管も、申し分がない。さすが、世界の一流オーケストラだ。

歌手についても、声の質、音量、情緒など、これ以上はないのではないか。

最後に舞台に上がっていたゲルギエフさん、最初は表情を変えなかったが、幕が閉まる前は軽くうなずき、満足そうな表情だった。。


2016年9月30日金曜日

イリーナ・メジェーエワ ショパン ピアノソナタ第3番 他 2016.9.29

★★★★(★)
最後の曲になると、★5つ

イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル

2016.9.29

~オール・ショパン・プログラム~

幻想即興曲 op.66
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ op.22
マズルカ ハ長調 op.24-2
マズルカ ロ短調 op.33-4
ワルツ 変イ長調 op.42
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39

即興曲第3番 変ト長調 op.51
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58

アンコール
 マズルカ 作品68-4
 ワルツ  作品69-2
 ノクターン 遺作

京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ

全席3000円 前から2列目真ん中あたり。表情が良く見える席。
チケットは、前売りで完売 といっても小ホールだから、500席くらいか?

イリーナさんは、半分くらいは、楽譜を鋭い眼光で見据えていた。
演奏は、最初、「学者の演奏」とでもいうような印象だった。精緻であり、ダイナミズムもあるが(細身の体から、思いがけないほどに強烈に鳴らすこともあり)、プラスアルファが感じられない。
しかし、ピアノソナタの最終楽章に入ると、見据えた楽譜からショパンが憑依したかのようなほとばしりを感じる、凄いとしかいいようのない演奏になった。

楽譜を見ながら、ということは、自分の情感に流されずに、ショパンに忠実に、ということなのだろうか。

表情やしぐさはとても上品で気品もある。

楽譜をめくる女性は、曲が終わって拍手の段になるたびに、ピアノの後ろに隠れていた。そういうものなのだろうな。

ロシア出身で京都に住み続けるピアニストが、200年近く前のポーランドの作曲家の曲を、90年前にアメリカで作られたスタンウェイのピアノで弾いていた。それを京都のお客さんが熱心に聴き入っている。考えてみると、すごい話だ。

来年6月9日のベートーベンのソナタが楽しみだ。



2016年9月28日水曜日

アリス=紗良・オット  グリーグ 抒情小曲集等 リスト ソナタ ロ短調 2016.9.28

★★★★★

2016.9.28

ピアノ
  アリス=紗良・オット

グリーグ:叙情小曲集より
グリーグ:ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード ト短調 op.24
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

アンコール グリーグ ペールギュントより  山の魔王の宮殿にて

サイン会あり

会場 兵庫芸文センター 大ホール
  
席 1階バルコニー R2の5 くらい  5,000円(一番高い席)
わりと良い席。時にピアノの支柱が顔にかかるが、ひどく気になるというほどではない。
もっとも、手元は全く見えない。
Rバルコニーのステージに近い席は、ピアノリサイタル向けだ。

7~8割の集客か。
しかし、サイン会はかなりの盛況だった。

演奏に先立ち、黄色いドレスで登場したオットさんが、マイクを持った。
時間に追われる現代社会、グリーグの小品が憩いの場になる、というような趣旨と理解した。日本語は4か月目というが、不自然さは全くない。日本語が国際語でないことを実感させる。声は、けっこう低いトーン。すらっとしており、身長は170くらいか?
残響はかなり少ない。そのため、声は、非常に聞き取りやすい。京コンとはえらい違いだ。

さて、演奏。「素晴らしい」に尽きる。音が生きている。音の輪郭ははっきりとし、ときにきらめき、時に地を這う。細身の体から、信じられないほどのダイナミックな表現が繰り広げられる。まさに、現代社会のオアシスだ。
足は素足。お辞儀は、柔軟体操のように、深い。グリーグの終演後は、小走りに舞台を出入していた。

後半のリストは、衣装も黒に変え、照明もかなり落とし(表情もはっきり見えない)た演出だ。
演奏は、グリーグ同様申し分ない。緩徐部分でも緊張感を保ち、退屈させない。

アンコールのグリーグも絶品。この曲がこんなふうに響くとは。素晴らしい。











2016年9月25日日曜日

関西フィルハーモニー デュメイ フリスティヤ・フージイ 菊本和昭 ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番、第2番 チャイコフスキー 交響曲第2番 2016.9.25

★★★★☆

関西フィルハーモニー管弦楽団第277回定期演奏会

2016年9月25日(日) 14:00 開演

[指揮およびヴァイオリン独奏]オーギュスタン・デュメイ(関西フィル音楽監督)
[ピアノ]フリスティヤ・フージイ
[トランぺット]菊本和昭

[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

チャイコフスキー:ゆううつなセレナーデ op.26(ヴァイオリンとオーケストラのための)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 op.102
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 op.35(ピアノ、トランぺット、弦楽合奏のための)
 ピアノ・トランペット アンコール :チャイコフスキー ナポリの踊り (白鳥の湖 より)

チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 op.17 「小ロシア」
 アンコール:ビゼー アルルの女第一組曲より アダージェット

会場 ザ・シンフォニーホール

料金 S 6,000円 A 4,500円 B 3,000円 C 2,000円

C席。舞台後方 R寄りの前列。 残念ながら、ピアニストの顔は半分くらいはデュメイさんに隠れていた。それでも隠れていない時間もそこそこあって、表情もわかり、けっこう楽しい。

ゆううつなセレナーデ 
 デュメイさんの、いわゆる弾き振り。といっても、ほとんど弾いていたので、最初手で振って、途中で時折弓で振っていた。
存在感のあるヴァイオリンの音だ。くっきりして、豊かだ。

ショスタコーヴィチ 
第2番、フージイさんは楽しげに弾いていた。
第1番も、やはり楽しげにひいていた。
菊本さんは、太く、しっかりした音だ。弱音気をつけても太い感じがする。さすがだ。

交響曲第2番
「小ロシア」は、ウクライナのことだそうだ。
4,5,6番と比べると、まだ洗練されていないが、4番、5番を彷彿とさせる終盤の盛り上がりはなかなかのものだ。

デュメイさんは、8割くらいの時間は、楽譜を見ている感じだ。下向きになり、かっこうはよくない。といっても、一度、私の方に向かって手で音を出せとの指示。(実際には私とデュメイさんを結んだ直線の途中にチューバの人がいて、この人への指示だとおもう。)
音楽ずくりの方は、飯守さんや藤岡さんと違って、私の好みに近い。
クラリネットの音色はいまひとつだ。
大事な役回りとなるホルンは、客演首席(名フィル首席の安土真弓さん)だった。安土さん、今日は無難に吹いていた。関西フィルの首席には安心して任せられないということか。




2016年9月24日土曜日

京都市交響楽団 デスピノーサ アラベラ・美歩・シュタインバッハー ベルク ヴァイオリン協奏曲 シューマン 交響曲第3番 2016.9.24

ヴェルディ ★★★★☆
ベルク    ★★★★☆
シューマン ★★★★☆

2016.9,24

京都市交響楽団 第605回定期演奏会

[指揮]ガエタノ・デスピノーサ
[Vn]アラベラ・美歩・シュタインバッハー

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
 ヴァイオリンアンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番から アンダンテ
  
シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97

~開演前(14:10頃~)指揮者による「プレトーク」~

ホール 大ホール

料金 S 5,000  A 4,500 B 3,500 P 2,000
B席会員割引で確か3150円。舞台横の2階バルコニーR。エンターテインメントとして楽しむにはこのあたりが一番良い席ではないか? 指揮者の表情も見えるし。

お客さんは9割くらい。もっと入ってほしいと思うが・・・


ヴェルディ。生き生きしていて、なかなかよかった。

ベルク。
アラベラさんは、繊細な音を奏でる。強く弾く場面でも、優雅さがある。天国的な響きとでもいえようか。この曲にはとてもよく合っている。動きも優美。紫のドレスも容姿・体形・演奏に、よく合っている。指揮者と時に目で合図をしあっているのに感心。
小谷口さんが4番目の席に座っていたので、ちょっとびっくり。1st以外の席に座るのを見たのは初めてだ。出番も少しだけ。

シューマン。
デスピノーサさんの指揮はなかなかのもの。曲の本質をうまく音にしているかんじだ。楽譜を置いているが、ほとんど見ずに、ページをめくっていく。
音もかなり心地よい。とりわけクラリネットのソロはよかった。トロンボーンとホルンで和音が少し乱れたのが気になった程度。曲が終わって、指揮者が最初に立つよう合図するのは小谷口さんへかと思っていたら、高山さんにだった。フルートが続き、小谷口さんは3番目。

客演コンマスの荻原尚子さんは、かなり存在感がある。今もWDR交響楽団(ケルン放送響)のコンサートマスターなのかな?

終演後、いつものように団員さんが並んで「ありがとうございました。」と挨拶をしてくれていた。客商売と言えば客商売なので、けっこう大変だ。わたしもつい感謝のことばを返していた。


2016年9月22日木曜日

アンサンブル金沢 アシュケナージ バウゼ ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 交響曲第7番 2016.9.22

★★★★★

オーケストラ・アンサンブル金沢 大阪定期公演

2016年9月22日(木) 14:00 開演 ザ・シンフォニーホール

[指揮]ウラディーミル・アシュケナージ
[ピアノ]ジャン=エフラム・バヴゼ
[管弦楽]オーケストラ・アンサンブル金沢

武満徹:弦楽のためのレクイエム

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37
  ピアノアンコール ピエルネ:演奏会用練習曲 op.13

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92
  アンコール シューベルト 楽興の時 より 第3番

A 7,000円 B 5,000円 C 3,000円

9割余りの席が埋まっていた。売れ残りか、それとも招待客が来なかったか?
A席は7000円。大阪はお金持ちが多いということか。
私はC席3000円。しかし、ステージ横の3階で(R)、トランペットやコントラバスは見えないものの、その他は見渡せ、アシュケナージさんの指揮ぶりも概ね真横から見ることができ、なかなか良い席だと思う。

武満さんの音楽は、どれを聴いてもよくわからない。しかし、弦楽合奏は、かなり緻密だ。
バウゼさんのピアノも素晴らしい。根っこがある音で、時にたくましく、時に輝く。さすが、名だたる指揮者たちと共演を繰り返しているだけのことはある。
交響曲も、申し分がない。
さすが岩木さんが育てたオーケストラだ。

欲をいうと、協奏曲と交響曲で何回かホルンの音が汚かったのを、何とかしてほしかったが。

アシュケナージさんは、礼儀正しさに加えてけっこう茶目っ気もあるようで、拍手に答えて3回深いお辞儀をし、更に団員に促されてP席側にも3回深いお辞儀をしていた。

そうそう、休憩時間にホールの裏手にいったら、7~8人の団員さんが喫煙していた。


2016年9月19日月曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 大植英二 ブルックナー 交響曲第9番 他 2016.8.25

小倉朗     ★★★☆☆
ブルックナー ★★★★☆

2016年8月25日(木) 26日(金)
19:00開演(18:00開場)
フェスティバルホール

<指揮>大植英次
<曲目>
小倉朗/管弦楽のための「舞踊組曲」
ブルックナー/交響曲第9番 ニ短調 (ノヴァーク版)


大植さんの指揮なので、正直、期待しないで行った。幸い、招待券が入手できたので。

しかし、今日のブルックナーはなかなかのもの。
昨年聴いた大阪交響楽団・児玉さんの演奏よりは落ちると思うが、それでも、天上からの響きが聞こえていた。
今日はホルンの高橋さん、調子悪かったのかな。時折へっと思わせる音も出ていた。ヴァイオリンのピチカートもあまりきれいではなく、時にアンサンブルも若干の乱れ。

今日も大植さんは、暗譜。

京都市交響楽団 五嶋みどり 広上淳一 チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 他 2016.9.11

チャイコフスキー ★★★★★★(通常★5個までだが、これを凌駕しているので6個とした)
リムスキー=コルサコフ ★★★★☆

日時:2016年9月11日(日)2:00pm 開演

会場名:京都コンサートホール・大ホール

出演者:広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
五嶋 みどり(ヴァイオリン)

曲目等:モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ヴァイオリンのアンコール : バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番サラバンド
                        同3番からプレリュード

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
オーケストラのアンコール : 武満徹 3つの映画音楽 から ナンバー3 他人の顔ワルツ

完売ということだが、1割程度は空席。
招待された人が多く、しかも、招待されても来なかった人が多かったのではないかな
私の席は、3階右バルコニーのやや後方

チャイコフスキー
冒頭から、五嶋さんのヴァイオリンは、すごい。
音色、響き、魂。すべてを満たし、素晴らしい。全ての音が生きている。大音量ではないが。
日本人では、諏訪内さんをも超えているだろう。日本人で五嶋さんの右に出る人はいないのではないか。
バッハも申し分ない。心をつかんでいる。
ヒラリーさんとはまた違った雰囲気もあり、甲乙つけ難いところだ。

金管が少し乱れたのが残念
それと、チャイコフスキー、1楽章が終わったところで拍手がたくさん。スポンサーの招待客が多かったのだろうな。

リムスキー=コルサコフ
無難な演奏






タカーチ弦楽四重奏団 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第2,4,14番 2016.9.19

★★★★☆

2016.9.19

タカーチ弦楽四重奏団

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第2,4,14番

芸術文化センター 神戸女学院小ホール

A ¥4,000/B ¥3,000

確か、先行予約会員の予約解禁日の昼休みに電話すると、もうほとんど席が残っていなかったような記憶がある。
4000円の席はなく、3000円のステージ後方の席としたと思う。

しかし、後方でも、1st violin と violaは真横から見えるので、悪くはない。
viola が女性の他は、3人とも男性。

演奏は、すこぶるよい。オーケストラだと、外したり揃わなかったりで、ストレスを感じるが、そのようなことは全くない。

超一流といっていいのだろうか。

ただし、深い精神性までは感じることができなかったのが心残りだ。

この演奏で3000円、激安といっていいだろう。


2016年8月21日日曜日

京都市交響楽団 沼尻竜典 石井楓子 三善晃 ピアノ協奏曲 ショスタコーヴィチ 交響曲4 2016.8.19

三善         ★★★☆☆
ショスタコーヴィチ ★★★★☆

日時:2016年8月19日(金)7:00pm 開演
会場名:京都コンサートホール・大ホール

出演者:沼尻 竜典(指揮)
石井 楓子(ピアノ)

三善晃:ピアノ協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調op.43

席 3階バルコニー 3段あるところの真ん中 わりと良い席だ
確か3150円(安い方から2番目)

席の埋まり具合は9割強か(完売ということだが、そこそこ空席あり)

残念ながらプレトークには間に合わなかった。

三善さんのピアノ協奏曲
ピアノの音の輪郭がはっきりせず、時に埋もれていたのが残念。
曲は、ショスタコーヴィチとプロコフィエフを足し合わせてドビュシーというスパイスをかけたような感じとでもいえようか。悪くはない。

ショスタコーヴィチ
演奏はきれい。素人耳には、金管が少し気になった程度。
とりわけ小谷口さんのクラリネットはいつ聞いても素晴らしい。(前回の演奏会から、髪型が変わり、イヤリングも長く目立つようになっている)
垣本さんも、ホルンを器用に吹く。(垣本さんの髪の毛、少し前よりも黒っぽくなったような)
高山さんのオーボエも心地よい。(高山さんの毛根近く、かなり白髪が目立ったようだが、気のせいかも・・・)
最後も余韻を感じなさいというかのように、沼尻さんがしばらく姿勢を崩さなかったのもよい感じだ。
ただ、全体として、きれい、ということに、更に加わってほしいプラスアルファ(この曲の精神性とでもいえようか)があまり感じられなかったのが残念だ。
まあ、沼尻さんと感性が十分には合わないということなのかもしれない。







2016年8月1日月曜日

京都市交響楽団 ユージン・ツィガーン マーラー 交響曲第5番 未完成 2016.7.31

シューベルト ★★★★☆
マーラー   ★★★★★

コンサート名:第603回定期演奏会

日時:2016年7月31日(日)2:30pm 開演

会場名:京都コンサートホール・大ホール

出演者:ユージン・ツィガーン(指揮)

曲目等:♪開演前2:10pm~プレトーク

シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」D.759
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

席はLの2階、前列 後ろの方
Aで4500円の席だけれども、招待券をもらえた。(Sが5500)

プレトークで、マーラーの5番について、4楽章は5楽章の前奏と考えるのがよい。4楽章をワルターは7分、バーンスタインは11分で演奏していて、全く違う、と話していた。
今日のツィガーンさんは、約8分。ちなみに5楽章は約16~17分。
4楽章は、この楽章としては早めのテンポだけれど、話していたように、前奏と考えるとちょうどしっくりくる感じだった。
終楽章の盛り上がりの素晴らしく、京響、久々の名演だ。
トランペットはとてもよい。
ホルンの垣内さんは例によって無難にこなしていた。もう少し厚みと情緒があるとよいような気もするが。でもあのヤンキー風の雰囲気何とかならないのかな。
クラリネットとオーボエのベルアップが頻繁で、かなりたいへんそうに見えたがどうだろうか。あの姿勢できちんとした音程で吹くのは簡単ではない気がするが、どうだろうか。

未完成も、最後、感情がこぼれるようなかんじで、なかなかよかった。1楽章は淡泊だった気もするが。



2016年7月31日日曜日

オペラ 夏の夜の夢 ブリテン 佐渡裕 クレア・プレスランド他 PAC管弦楽団 2016.730

★★★★☆

2016.7.30

ブリテン 作曲 
オペラ 夏の夜の夢

指揮 佐渡裕

クレア・プレスランド
イーファ・ミスケリー
ピーター・カーク
チャールズ・ライス
弥勒忠史
森谷真理 他

PAC管弦楽団

席 1階バルコニー 最前列の後ろから2つ目のブロックの前のほう

12,000 (一番高い席だと思う)

満席のようだ。あまり知られていないブリテンのオペラと思うが、過去10年の佐渡オペラの実績があるから、今回も満席なのだろう。

このオペラを見たのも聴いたのも初めて。
ブリテンの才能を感じる。曲はとてもよい。
ただし、歌については、盛り上がりが今一つの曲調だ。

この佐渡さんのシリーズ、歌手はいつも質が高い。
今回も、一番高い席が1,2000円だとは思えない質の高さ。
佐渡さんがプレトークで話したところによると、イギリスで、150人の参加を得たオーディションをしたのだそうだ。
ハーミア役のクレアさんは、2日目の舞台で足をねん挫し、車いすや松葉づえが必要な状態となり、公演中止も考えたそうだ。しかし、ご本人の意欲があって中止にはならず。
公演中は、足首のサポーターが見えた時以外は、捻挫しているようなふうには見えず。しかし、カーテンコールの時は、片足を引きずっていた。渾身の歌唱・演技だ。
気になったのは弥勒さん。カウンターテナーだけれど、セリフに近い時には、地声に近くなっているように聞こえ、少し雰囲気が変わった。残念。

小中学生という妖精たちは、動きがシンクロしていなかったので、見苦しかったが、まああんなものなのだろうか。

管弦楽は、少し気になることもあったが(アンサンブルなど)、まあ及第点。

総じて、かなり楽しめた、よいパフォーマンスだった。




2016年6月30日木曜日

読売日本交響楽団 シルヴァン・カンブルラン 小菅優 リスト ピアノ協奏曲2 マーラー 交響曲5 2016.6.30

リスト   ★★★★☆
マーラー ★★★★☆

2016.6.30

読売日本交響楽団 第14回 大阪定期演奏会

指揮/シルヴァン・カンブルラン
ピアノ/小菅優
曲目/リスト:ピアノ協奏曲 第2番
   ピアノアンコール
    リスト 超絶技巧練習曲 第5番 鬼火

   マーラー:交響曲 第5番

フェスティバルホール

S席 3回セットで1回あたり4500円くらい。
   1回のみだと6100円

2階前から2列目。L寄り。
前の人の頭が邪魔。
最前列でない場合は、真中付近がよいだろう。前の人と互い違いになっている。周辺部も互い違いで、座った状態でまっすぐ前を見るだけなら問題がないが、ステージの中央を見ようとすると前の人の頭越しに見ないといけない。

当日券も発売。ざっと見えた範囲だと、9割強の入りかな

カンブルランさんの指揮は見て安心できる。しなやかで、メリハリもある動き。暗譜ではないが、きちんと楽団を見渡している。
読売日本さんは、エキストラが多い(弦はよくわからないが、管は多い)。そしてエキストラさんの名前はプログラムに書かれていない。

リスト 
ときたま、ピアノからの音の流れが少しぎこちない感じになるが、悪くはない。しかし 、曲自体がもうひとつ趣味に合わないせいか、曲自体に十分感情移入できない。
アンコールも、同様にときたま流れがぎこちない感じになっていた。

マーラー
ホルンの日橋辰朗さんは、音量の豊かさ、音色の心地よさ、ともに日本人離れしている。
弦が若干甘かった気がするものの、整った演奏とはいえる。しかし、魂がこもっていたかというと、どうだろうか。


2016年6月25日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 井上道義 神尾真由子 ブルックナー 交響曲第1番 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 2016.6.25

ヴァイオリン協奏曲 ★★☆☆☆
ブルックナー     ★★★★☆

2016.6.25

指揮 井上道義
ヴァイオリン 神尾真由子
管弦楽 大阪フィルハーモニー交響楽団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調(ヴァイオリン:神尾真由子)
アンコール シューベルト(エルンスト編曲)魔王

ブルックナー:交響曲 第1番 ハ短調

なぜか 一番高い5000円の席を買っていた。
1階バルコニー 前列 バルコニー席の真ん中あたり
ほぼ満席

今日の大フィルは、綺麗な音色でアンサンブルもけっこう整っていた。
進化しているのだろうか。

ヴァイオリン協奏曲
神尾さんは、いつもどおり、音の線が細く、豊かさを感じない。小さくまとまった演奏というべきか。
井上さんは楽譜なし。
ちょうど曲が終わる時に、くるっと回って客席を向いた。
アンコールは、素人耳には、難易度高そうな曲に聞こえる。音程はあれでよかったのだろうな、きっと。

ブルックナー
音色はよい。盛り上がりもある。
しかし、全体的に今一つ統一感がない演奏だった。
トランペットが、伸び、響きともに良かった。
井上さんは、時折楽譜に目をやる程度。動作はみていて心地よい。エンターテイナー、といったふうだ。


ローマ・イタリア歌劇団 プッチーニ「ラ・ボエーム」 2016.6.24

★★★★★

2016.6.24

プッチーニ
オペラ ラ・ボエーム

今回の日本公演のために、3つの歌劇場から構成された歌劇団らしい。
ミミは キアラ・イゾットン
ムゼッタは 代役の サブリナ・コルテーゼ
ロドルフォは シモーネ・ティ・ジェリオ

指揮:カルロ・パッレスキ


二番目に安い7000円の席(このクラスの席では一番よいエリア)。しかし、かなり空席があった。
もう少しうまく宣伝して客を集めないと。この調子だと、もう神戸ではこのクラスの催しができないかも。

歌手は申し分ない。
イゾットンさんも、さすが、メータさん指揮でスカラ座に登場しているだけのことはある。
オーケストラも無難。

席は安いが、かなり見やすい。フェスティバルなら、一番高い席でもこの程度の状態の席が含まれると思う。

とにかく、「えっ、これが7000円」という驚きのオペラ。
かなりの水準なのにもかかわらず、破格のチケット代だ。

それにしても、オペラに悲劇が多いのはどうしてだろうか。
幸せな結末の方が安心できるのだが。


2016年6月12日日曜日

ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル 2016.6.11


★★★★★

ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル
2016.6.11

■出演者
ヴァイオリン ヒラリー・ハーン
ピアノ コリー・スマイス


■プログラム
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 BWV1005

アントン・ガルシア・アブリル:6つのパルティータより
アーロン・コープランド:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ティナ・デヴィッドソン:地上の青い曲線(27のアンコールピースより)

●アンコール曲
佐藤聰明:微風
ガース・ノイシュタッター:ヴォリテーション 《世界初演》
マックス・リヒター:慰撫

兵庫 芸文センター

お客さんは、全席の90パーセントくらいか。
A席 6000円

ヒラリーさんは、赤、青、白のロングのドレス
2015年にサロネンさんと来日した時とは違い、お腹は膨らんでいない。同年夏に出産されたそうで、おめでとうございます。
しかし、あの時妊娠した状態で、あの演奏をしていたとは。さすが一流の演奏家。

バッハは圧巻。天上から何かが乗り移ったかのような演奏。おなじみのステップを踏むような姿勢が印象的だ。
先日の堀米ゆず子さんも良かったが、ヒラリーさんは、その次元を超えている。

後半、楽譜が置かれ、演奏前にメガネをかけた。しかし、楽譜の方はあまり見ずに、ダイナミックに演奏する。
アブリルの無伴奏パルティ―タも素晴らしい。

世界初演というアンコール曲も心に響く。

サイン会は長蛇の列。数えてないが、300人くらいはいたのではないか。
しかし、にこやかにサインを続けておられた。すごい人だ。(演奏中の引き締まった表情も良いが、にこやかな表情もまた良い。)
ヒラリーさんのサイン、3つ目になった。





2016年5月29日日曜日

樫本大進&小菅優&クラウディオ・ボルケス トリオ ベ^-トーヴェン ピアノ三重奏曲 1,2,7大公 2016.5.28

★★★★☆

樫本大進&小菅優&クラウディオ・ボルケス トリオ

2016.5.28

■出演者
ヴァイオリン 樫本大進
ピアノ 小菅 優
チェロ クラウディオ・ボルケス
■プログラム
<オール・ベートーヴェン・プログラム>
ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 op.1-1
ピアノ三重奏曲 第2番 ト長調 op.1-2
ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調「大公」op.97

会場 兵庫県芸術文化会館

A席(一番高い5000円)だが、2階の3列目(というか2階の一番後ろ)真ん中あたりと、A席の中では悪い位置に座った。

満席っぽい。(3階、4階は、バルコニー席以外は見えないが)

樫本さんは、理知的な演奏。
小菅さんは、音のきらめきが素晴らしい。以前、京響とベートーヴェンのピアノ協奏曲1番をやったときは、力強さと乱れのなさに感じ入ったが、今日は繊細さが印象に残った。特に、1番は、天国的な響き。
ボルケスさんは、情緒が深い。
アンサンブルも完璧に思えた。
非の打ち所がない。

樫本さんは、演奏中、つまらなそうな顔をしている。
小菅さんは、表情や、時々樫本さんの方を見るしぐさなど、見ていて飽きない。
ボルケスさんは、深いところまで考え尽しているとでもいうような表情だ。

演奏の後は、樫本さんも、朗らかな表情を見せていた。

そうそう、一度、楽章が終わった時に、小菅さんが誤ってキーに触れてしまい、音が流れたことがあった。聴衆からは笑いがこぼれ、まあ、ご愛敬だ。





2016年5月19日木曜日

関西フィルハーモニー管弦楽団 指揮 デュメイ モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 ブラームス 交響曲第3番他 2016.5.19

モーツァルト ★★★☆☆
ブルッフ    ★★★★☆
ブラームス  ★★☆☆☆

2016.5.19

[指揮およびヴァイオリン独奏]オーギュスタン・デュメイ(関西フィル音楽監督)
[ヴィオラ]ミゲル・ダ・シルヴァ
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364
ブルッフ:ヴィオラとオーケストラのためのロマンス ヘ長調 op.85
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 op.90

アンコール ビゼー アルルの女 第一組曲 から アダージョ

会場:ザ・シンフォニーホール

席 バルコニーR 3階 B の後方 2000円

(高い席は6000円)

入りは7割くらいか。1階は9割くらい埋まっているようだが、2階は5分の2くらい空席かな。

モーツァルト。
ヴァイオリン、ヴィオラ、それぞれの音色や感じはよいが、キレに欠ける眠たい演奏との印象だった。デュメイさんの弾き振りは、時々弓をタクトのように振っていて、目を引いた。

ブルッフ。
これは、しっとりとしてなかなか良い演奏だった。
この曲、クラリネットを効果的に使っているのが印象的だ。

ブラームス。
3楽章の途中までは、うまくまとまった演奏と感じながら聞いていたが、3楽章の終わりのあたりから、金管の異音が時折聞こえてきたり、木管と金管が微妙にずれたりして、興ざめ。トランペットの異音には少し驚いた。
1stホルンが安定していたが、吹いていたのは東京交響楽首席の上間善之さんらしい。
デュメイさんは、1楽章で力余って楽譜を沢山めくりすぎ、何度かページを繰って、きちんとしたページに戻していた。けっこうたいへんだったろうな。体の動きはしなやかではない。ややかがんで前方(団員の方を)見る姿勢が多かった。指揮台は使わず。どうしてかな。


アンコールの選曲は、なかなかに素晴らしい。ブラームスで盛り上がった感情をしっとりと落ち着けさせるといったふうだ。




2016年5月12日木曜日

エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル ブラームス ピアノソナタ第2番 他 2016.5.12

★★★★★★6個。絶賛)

2016.5.12
ザ・シンフォニーホール

ベリオ:水のクラヴィア
武満徹:雨の樹・素描Ⅱ~オリヴィエ・メシアンの追憶に
フォーレ:舟歌 第5番 嬰ヘ短調 op.66
ラヴェル:水の戯れ op.30
アルベニス:アルメリーア ト長調(イベリア組曲 2巻2曲)
リスト:エステ荘の噴水(巡礼の年 第3年 第4曲)
ヤナーチェク:アンダンテ(霧の中 第1曲)
ドビュッシー:沈める寺(前奏曲 第1巻・第10曲)

ブラームス:ピアノソナタ 第2番 嬰ヘ短調 op.2


アンコール ラフマニノフ エチュード 音の絵 作品33-3
        ラフマニノフ エチュード 音の絵 作品33-2
                 ショパン Etude in F (会場の掲示)

P席 2500円(何故かと思うほどに、極めて安い。)
一番高い席は、確か7500円
1階は9割くらいの入り。2階は、6割くらいの入りか。
なんともったいない。
稚拙なこともある在阪オケでも満員になることがあるのに。大阪の聴衆は何を考えているのか?

前半は水をテーマにした曲。
後半がブラームス

空前絶後
筆舌に尽くしがたい
などの、形容が頭に浮かぶ
スケール大きく、かつ、繊細できらめきがあり、情緒あふれる演奏だ。

前半は 
 水の噴出  きらめく水流  せせらぎ  怒涛の流れ

後半は
 がっちりした枠組みでありながら、枠組みを超えるスケールの大きさがある。
 情熱のほとばしりのみならず、優美さもある。
 
端正ですっきりしたスリムな体から、神がかったような気が八方に広がっている。

腱鞘炎にならないのかな。やはり、動きに無駄、余分な力がないのだろうな。



2016年4月16日土曜日

PACオーケストラ 佐渡裕 メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 他 2016.4.8

★★★★☆

2016.4.8

兵庫芸文ホール

■出演者
指揮・芸術監督 佐渡 裕
ナレーション 檀 ふみ
ヴィオラ 東条 慧
ソプラノ 幸田 浩子
メゾ・ソプラノ 林 美智子
合唱 京都市少年合唱団
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団


■プログラム
ヒンデミット:室内音楽 第5番(ヴィオラ協奏曲)op36-4
メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」全曲 ~シェイクスピアの劇のための音楽 op.64

アンコール(ソリスト)
  ヒンデミット:ヴィオラ・ソナタ op.25-1 第4楽章」

ヒンデミット
佐渡さんは、ヴィオラの東条さんを売り出したいのでこの曲を演奏することにした、といった意味のことを話していた。
しかし、東条さん、音色も音の豊かさもいま一つと感じた。
以前聴いた川本嘉子さんのヴィオラのほうが好みに近かった。


メンデルスゾーン
楽しい演奏だった。
ナレーションは檀ふみさんのオリジナルだという。

幸田浩子さんの歌もかなりのものだ。
演奏も、悪くはない。時に耳障りなこともありはしたが・・・・

惜しむらくは、せっかくの幸田さんなのに歌が少なかったこと。
檀ふみさんの動きは、ハイティーンといってもいいくらいだ。さすが。

この曲を聴くと、メンデルスゾーンは天才だということを、改めて感じる。



京都市交響楽団 広上淳一 モーツァルト 交響曲第41番 R.シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき 他 2016.4.15

コープランド   ★☆☆☆☆
モーツァルト   ★★★★★
R.シュトラウス ★★★☆☆

2016.4.15

京都コンサートホール

指揮 広上淳一

演奏 京都市交響楽団


コープランド:市民のためのファンファーレ
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30

席 2階Rバルコニーの2列目(というか3列目)、指揮者の真横よりやや団員寄り
  3500円

コープランド
金管+打楽器
打楽器は非の打ち所がない。
金管は、そこそこ乱れ、聞き苦しかった。
世界水準で考えると、京響の金管は、残念ながら二流というところか。

モーツァルト
見事なアンサンブルとなっていた。
がっちりとした中に、情緒や広がりもあって、なかなかの名演奏だった。

R.シュトラウス
最初は宇宙に広がるような素晴らしい響きだったが、だんだんと乱れ、最後の方のトロンボーンはかなり残念だった。
広上さんはかなり気合が入って、息づかいがかなり激しく、時々は声のようにも聞こえていた。
ヴァイオリンのソロは、かなりよかったな。それと、ティンパニや、その他の打楽器も。


2016年4月7日木曜日

トヨタ・マスター・プレイヤーズ, ウィーン ベートーヴェン 交響曲第6番 モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 他 2016.4.6

★★★★☆

2016.4.6
ザ・シンフォニーホール

[管弦楽]トヨタ・マスター・プレイヤーズ, ウィーン
[ヴァイオリン]フォルクハルト・シュトイデ、小林美樹
[クラリネット]ペーター・シュミードル
[ピアノ]山本貴志

J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
       (ヴァイオリン/フォルクハルト・シュトイデ、小林美樹)
ドニゼッティ:クラリネット小協奏曲 変ロ長調
       (クラリネット/ペーター・シュミードル)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
       (ピアノ/山本貴志)
ベートーヴェン:交響曲 第6番 へ長調 op.68 「田園」

アンコール:ヨハン・シュトラウス2世、ウィーン気質

会場 ザ・シンフォニーホール

席 2階RD最前列 多分、この列のステージから3つ目か4つ目くらいがよいと思う。

S席 4500円

ちらほらと空席。埋まっていたのは9割強か。


バッハ
小林さんも気を吐いていたが、ウィーンフィルコンマスのシュトイデさんの素晴らしさが目立った。

ドニゼッティ
シュミドールさん、音がやや硬く、主観の入った演奏のように聞こえたが、どうだろうか

モーツァルト
山本さん、音ははっきりしていたが、もう少し情感がほしい。それと、時に雑な感じがした。

ベートーヴェン
この曲で、この集団が真価を発揮。
指揮者なしで、見事な演奏。指揮者って何?とも思わせる。
シュトイデさんの音の切れ、豊かさは素晴らしい。全体を引っ張る感じでもある。
弦の音色は驚くほどだ。
ファゴットの音色もよかった。
クラリネット、1stはシュミドールさん。音などへの印象は、上に書いたとおり。京響の小谷口さんの音色の方が好ましい。
ピッコロでエキストラしてた増本竜士さん、張り切りすぎて変に大きい音を出したような気がしたが、あの音量は、打ち合わせ済みだったのか?
よい演奏ではあったが、この集団が2年前に演奏した3番の方が感動的だった。

アンコール
さすがだ。
聴かずに帰ったお客さんたちは何を考えていたのだろうか。


2016年3月23日水曜日

堀米ゆず子 バッハ&ブラームス プロジェクト 第6回 2016.3.21

★★★★★

2016.3.21
兵庫芸文 小ホール

■出演者
ヴァイオリン 堀米ゆず子
ホルン サボルチ・ゼンプレーニ
フルート 工藤重典
ピアノ リュック・ドゥヴォス

■プログラム
ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 op.40
J.S.バッハ:「音楽の捧げもの」より トリオ・ソナタ
―休憩―
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005

アンコール:バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティ―タ第3番 第3楽章


最初のヴァイオリンの音を聞いて驚いた。素晴らしい。ふくよかで美しい。
その後も、芳醇さ、豊かさ、透明感、切なさなどなど、あげればきりがないほどに、豊かな表現があった。ヴァイオリンが体に吸い付いているようで、完全に一体化している感じ。全身が楽器になっている。

とりわけ、最後のバッハでは、心が洗われる気がした。
(時に余分な弦の音が聞こえた気がしたり、聞こえるべき音が聞こえなかったように感じたりもしたが、あまり本質的な問題ではない。)

ピアノは、透明感やメリハリに欠ける印象。ホルンも豊かさと「遠くまで音がとぶ」という感じに欠ける。フルートは、体で、ではなく、口で吹いている感じ。

ヴァイオリンは図抜けた存在だった。

堀米さん、サイン会でもにこにこしておられ、親しみも感じられた。





2016年3月13日日曜日

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ゴットホルト・シュヴァルツ マタイ受難曲 2016.3.13

★★★★☆

2016.3.13

J.S.バッハ
マタイ受難曲

指揮 ゴットホルト・シュヴァルツ(トーマスカントール)
福音史家/テノール ベンジャミン・ブルンス
イエス/バス クラウス・ヘーガー
ソプラノ シビッラ・ルーベンス
アルト マリー=クロード・シャピュイ
テノール マルティン・ペッツォルト
バス フローリアン・ベッシュ
合唱 ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団
管弦楽 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

兵庫県芸術文化センター

完売とのこと
2回最前列 真ん中寄り

A席(Sはない)12000円(D席4000円もあった)

バッハの最高傑作と言われている曲なので、一度きちんとした演奏を聴きたいと思い、奮発した。
しかし、キリスト教のバックグラウンドはなく、ストーリーに入り込めない。コラールや、楽器の独走になると、いかにもバッハらしい音楽と感じられるが。
演奏自体は、かなり高水準だと思う。ソプラノのルーベンスさんが、声量を抑えて歌っていたのは、そのような歌だからか。歌手の方々は、学校を休んできたように見える合唱団の人も含め、申し分がない。

リュートが加わっていた。また、前半では、リコーダー2をお二人が演奏していた。(後半は引っ込んでおり、拍手の際も再登場しなかったのが残念)リコーダーの音も、意外とよく通る。リュートの音も時折聞こえてきていた。
コンサートマスターとオーボエのソロは聴きごたえ十分。



2016年3月12日土曜日

京都市交響楽団 高関健 マーラー 交響曲第6番 2016.3.12

★★★★★★(通常5つが最高だが、それを凌駕しているので6つとした)

2016.3.12

京都市交響楽団

指揮 高関健

マーラー 交響曲第6番

席は2階バルコニー 右側 R3の14くらいだったか。ちょうど舞台の真ん中あたり。
B席 3500円
席としては、このあたりがいちばんいいのかも。指揮者も、プレイヤーの半分くらいもよく見えるし。
聴こえてくる音のバランスが良くはないが。

席は8~9割しか埋まっていない。2回公演にしてから、空席が目立つ。これほどの演奏なのに。がんばって聴衆を集めないと。

プレトークで、高関さんが言うには、
現在マーラー協会で、交響曲の楽譜新版を編集中で、一部はすでに出版された。
リハーサル中にマーラーが楽譜に書き込んだり、マーラーは書き込むのを忘れたが演奏家が書き入れたものなどを精査し、取り入れた。交響曲第6番では100か所以上が変わったが、普通の人が聞いてもわからないだろう。高関さんも編集していた方々?とやりとりしていた。
また、6番の2楽章、3楽章について、以前マーラー協会が出版した楽譜による スケルツォ→アンダンテ の順でなく、正しい順である アンダンテ→スケルツォ として本日は演奏する。
高関さんは以前もこの順番で演奏したところ、ツイッターでかなり批判されたという。
マーラーは、スケルツォを先にするスコアを書いたが、リハーサルの後、順番をひっくり返したほうがよいと考え、本番ではひっくり返した。マーラーは、生前、3回この曲を指揮したが、いずれもアンダンテが先である。
マーラーの死後、指揮者(メルゲンベルクでよかったかな?)の問い合わせに答えたアルマが、スケルツォが先と答え、マーラー協会の楽譜もその順にしたことで、この順番が固定してしまった。
4楽章のハンマーを2回たたくか3回たたくかという問題は、3回のわけがない。3回めをたたくとする場面では、ハンマーのみが大きな音を出すので、そのようなことはしないはずだ。

舞台右上の方に、木箱と木製大型ハンマー(ふりかぶってたたく)が置いてありました。近いので、よく見えて楽しい。

舞台いっぱいに、110人(マーラーの指示どおり)の演奏家の席。それに指揮者を加えると111人。
高関さんは、舞台下の観客席前をとおって指揮台に。(ヴァイオリンの人たちも同様)

さて、演奏。
これほどまでに素晴らしい演奏を味わえるとは思いもしなかった。
がっちりとした構造の中に魂も感じる演奏だ。1楽章など聞いていて涙が出るほど。人生の苦しみとそれを乗り越えようとする内からの力。乗り越えさせまいとする外からの力。
ありえないほどの名演を、日本人たち主体の演奏で聴けるとは。

演奏家の方々も充実した音を奏でていた。ほとんど非の打ち所がない。
とくに、いつもではあるが、小谷口さんのクラリネットの音色が素晴らしい。ベルアップはたいへんそうだけど。(付け替える時に、一度マウスピースを落としたように見えたが、本当かな。すぐひろってつけて、演奏していた。大したものだ) オーボエのベルアップは、マウスピースがないぶんクラリネットよりもさらに大変そうだが、どうだろうか。ティンパにもいつもどおり曲の骨格をつくっている。昨日の大フィルの演奏家にも聴かせてあげたい。
トランペットも印象的だった。ホルンも安定。
ハープ2台はすぐ前。時に鋭い感じの音も出ていた。
チェレスタ2台もすぐ前。ふわっとした柔らかい音色だ。

高関さんは、前回見たショスタコーヴィチの時よりも、前を見る時間がかなり長い。下を見るのが3分の1くらいか。ハープに出す指示は、素早くかっこいい。(指揮者からみてハーブの方向に座っていたのでよくわかる) ハンマーに指示を出すときのエネルギーの発露の凄さ。古いたとえだが、波動砲発射、とでもいった感じが。この曲を完全に手中におさめている。マーラーは、学生時代から研究していてライフワークだ、とプレトークで言っていただけのことはある。

いつもPACにエキストラで参加していたホルンの岩井理紗子さんがエキストラで来ていた。なつかしい。クラリネットの小谷口さんは、演奏が終わると高関さんが引っ込んでいたあいだにスワブを通していた。
ハープの松村さんは、全て修了後、舞台に残り、アルミ製らしいボックスを開けて、布を取り出し、楽器の木の部分を拭いていた。ハープのお二人、衣装も同じように見えたが(背中が開いていて、ノースリーブに近い)、揃えたのだろうな。

本日のプログラムに、フルートの首席清水さんとホルンの水無瀬さんが卒団するとして、あいさつが載っていた。水無瀬さんは、「この間、大変悲しく辛いこともあり、この気持ちを抱えたまま退職の日を迎えるのは、忸怩たる思いであります」と書いている。

隣りの植物園は春














大阪フィルハーモニー交響楽団 尾高忠明 諏訪内晶子 プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番 ラフマニノフ 交響曲第2番 他 2016.3.11

プロコフィエフ ★★★★☆
ラフマニノフ  ★☆☆☆☆

2016.3.11

フェスティバルホール

<指揮>尾高忠明
<独奏>諏訪内晶子(ヴァイオリン)

<曲目>
リャードフ/交響詩「魔法にかけられた湖」 作品62

プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19
アンコール バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番から アンダンテ

ラフマニノフ/交響曲 第2番 ホ短調 作品27
アンコール エルガー/エニグマ変奏曲第9変奏「ニムロッド」

C席 4000円 2階、最後列(7列だったか)の真ん中やや右
大フィルは高い。一般の聴衆用の最も安い席で4000円。しかも舞台からかなり距離がある。
他の近畿のオーケストラは、一番安い席は、1000円から2000円だ。ザ・シンフォニーホールや、京都コンサートホールであれば、舞台からの距離もかなり近い。

見える範囲は、ほぼ満席

リャードフは、よくわからないうちに終わった。心地よい感じではあった。

プロコフィエフ。

諏訪内さんは、赤のロングドレス(ラメ入り)で登場。品格あり。
諏訪内さんのヴァイオリンは、素晴らしい。
音の輪郭がはっきりし、よく通る。それに加えて、豊かさ、官能、切なさなどを奏でる。
楽器と身体が一体のようだ。
日本人では群を抜いたヴァイオリニスト。

ただし、他の演奏家と同様に、写真と実際のお顔がかなり違う。10年くらい前のベストショットを修正して使っているのではないのだろうか。もうすこし実際の様子に近い写真か、実際の様子よりも崩れた写真を使った方が、実際に見たときの違和感を生まないので、良いのではないかと思う。

オーケストラは、光るものがなかった。それでは4つにとどめた。


ラフマニノフ。
この曲は、情緒豊かでドラマチックな名曲。
しかし、まったく名曲とは思えないような演奏だ。ひどい。
指揮の尾高さんは、暗譜でタクトを持た、妙に悦に入った感じで踊っているが、音楽をつくるための指揮になっているとは思えない。尾高さん自身、アンコールの前にマイクを持って、「楽しく演奏できた」と話していたが、指揮者が楽しければよいわけではない。
音は流れていたが、音楽ではない。感情も、魂も感じない。
演奏については、時に雑だったり乱れたり。ティンパニにメリハリがないのがひどく気になった。中山航介さんを見習ってほしいものだ。ホルンの1stとイングリッシュホルンはいい音色だった。

3週間ほど前に聞いた関西学院大学交響楽団の、この曲の演奏の方が、はるかに素晴らしい。魂があり、音楽があった。この時の指揮は、角田鋼亮さん。
幸いにも、角田さんは、最近、大フィルの指揮者に就任したという。まだ定期演奏会を振ることは予定されていないようだが、尾高さんとは比較にならない優れた資質を持っていると思うので、角田さんと大フィルの将来に期待したい。

(関西学院大学交響楽団と角田鋼亮さんの演奏について
http://yamawoarasazukawawoarasazu.blogspot.jp/2016/02/2016219.html

そうそう、しかしながら、アンコールのエルガーは、とてもしっとりした感じで良かった。
ラフマニノフのあとに、尾高さんがマイクを持って、大フィルはアンコールをやらないのだが、東日本大震災からちょうど5年というのを話題としたあとに、アンコールが始まった。この部分は好感を持てた。

2016年3月9日水曜日

サロメ 指揮 ダン・エッティンガー 東京交響楽団 カミッラ・ニールント クリスティアン・フランツ ハンナ・シュヴァルツ 他 2016.3.6

★★★★☆

2016.3.6

サロメ (リヒャルト・シュトラウス)

指揮 ダン・エッティンガー 
東京交響楽団 

サロメ    :カミッラ・ニールント 

ヘロデ    :クリスティアン・フランツ 

ヘロディアス:ハンナ・シュヴァル

ヨナハーン :グリア・グリムスレイ

ナラボート :望月哲也

ヘロディアスの小姓:加納悦子


新国立劇場

席:2階 R12の4くらいだったか
B席で、10800円 ちなみに Sだと21600円。
比較的舞台に近く、前の人の頭も気にならない。Sの半額と考えるとかなりお値打ちの席だ。
見える範囲では満席

ダンさん指揮の東京交響楽団の演奏。金管が良く伸び、とても心地よい。以前聴いた、さまよえるオランダ人の時とはかなり違う。指揮のダンさんがうまく引き出しているのだろうか。

名前をあげた歌手の方々も、みな、素晴らしく、非の打ちどころがないように聞こえた。加納さんも、よい仕事をしていた。
この劇場は、いつも最上級の歌い手を用意してくれる。大したものだ。

申し分がないような出来とは思うが、歌の曲調があまり好みに合わないので、★は4つにしておいた。

蛇足だが、ニールントさんの踊りは、恰幅の良い体形で、しなやかとはいえない動き。まあ、ダンサーではないので、いいのだろうが。この部分だけダンサーに替えて、という演出の方がよいのかも。






2016年2月27日土曜日

同志社交響楽団 小田野宏之 序曲謝肉祭 ブラームス 交響曲第2番 他 2016.2.27 

★★★★☆

日時:2016.02.27(土) 18:00開演(17:30開場)

同志社交響楽団

指揮:小田野 宏之

場所:同志社大学寒梅館ハーディーホール

[曲目]
A.ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」
伊藤康英/管弦楽のための交響詩《ぐるりよざ》
J.ブラームス/交響曲第2番ニ長調

アンコール ブラームス ハンガリー舞曲 第5番

[チケット価格]
入場無料

入場無料は素晴らしい。
海外公演出発前の「出発演奏会」で、きっと海外公演と同じ曲目なのだろう。

1000人程度収容のホールで、例によって椅子の前に小さい机を出すことができるようになっている。まだ比較的新しいようで、建物もきれい。
驚くことに、ほぼ満席。

曲目により、コンサートミストレスが入れ替わるほか、管楽器も曲によってほとんどが入れ替わる。ここも、女性が多い。
謝肉祭の時は管楽器、全て女性だったように見えた。チューバも女性だ。弦には男性も少しいた。
他の曲では、ぽつりぽつりと管楽器にも男性が混じっていた。

演奏について。
総じて、気持ちが入ったよい演奏だった。指揮の小田野さんの音楽づくりも私の趣味に合っている。
ホルンは難しい楽器と言われているように、ホルンの奏者さんたちはかなり苦労していた。トロンボーンもそう簡単ではない。最後、トランペットの1stさんも油断したようだ。弦で音を合わせるのもかなりの技能が必要なのだな。

ブラームス。ヴァイオリンの人たちをみると、コンサートミストレスは、下半身をどっしりとさせながらも体全体を使って演奏しているというように見えた。その後ろの人たちは腕で演奏しているように見えた。ミストレスさんは、抜きんでている。
聴きながら、この曲は、やはり名曲だと実感できた。

学生さんの場合は、「へっ」と思う音やアンサンブルとなっていても、「がんばれ」と、応援する気持ちになるので、聴いていてストレスが少ない。プロだと腹立たしい気持ちになってしまうところだが。

なかなかに、よい演奏会だった。
海外公演のカンパを求めていて、500円以上の人にはステッカーをプレゼント。カンパする人は、1000円の人が多かった。私も1000円カンパした。ありがとう、学生さん。ヨーロッパでも生き生きとした演奏をしてください。

でも、曲選び、ヨーロッパでもやる曲なのだから、うまくいかない部分があっても目立たない曲にすべきではないかな。






2016年2月25日木曜日

慶應義塾ワグネル・ソサィエティ・オーケストラ 大河内雅彦 マーラー 交響曲第1番 他 2016.2.24

★★★★☆

慶應義塾ワグネル・ソサィエティ・オーケストラ 2016年国内演奏旅行 京都公演

2016.2.24

京都大学交響楽団との合同演奏あり

指揮:大河内雅彦

・合同演奏の部

ワーグナー/歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
レスピーギ/交響詩「ローマの松」より「アッピア街道の松」 

・単独演奏の部

ワーグナー / 序曲「ファウスト」
スメタナ / 連作交響詩「わが祖国」より「ボヘミアの森と草原から」
マーラー / 交響曲第1番 ニ長調

A席1,000円 (Sは1,500円)

合同演奏の時は、埋まっていたのは半分くらいか(開演が6時30分と早かった)。ワグネルのみとなってからは、7割くらいは埋まっていたようだ。京都大学交響楽団の人たちも、P席で鑑賞していた。

合同演奏は、2曲とも、素晴らしかった。違和感を感じるところもなく、色彩、きらめき、官能に圧倒される。ブラボーおじさんにも違和感なし。

単独演奏になると、雰囲気が変わる(曲調が変わったこともあるのだろうが)。
生き生きとした感じがあまり感じられなくなる。
指揮者の音楽作りが、趣味に合わないということもあるのだろうな。
演奏の水準については、「もう少し頑張ってほしい」と感じた。時々、違和感のある音が聞こえたり、まっすぐの音が聞こえるべきところ音が詰まったり、弦の音がぼやけたりしていた。それでも、ホルンの1stの人の安定感は素晴らしかったな。オーボエやファゴットも良い。クラリネットも安心できた。
京都大学交響楽団との合同演奏が素晴らしく感じられたということは、京都大学交響楽団の力量が、指揮者の力量も超越した超大学生級だということか。
(ワグネルさんを批判しているわけではありません。ワグネルさんも、大学生として、かなりの水準です。)

マーラーは、終楽章で、ホルンの方々が立ち上がったところから、青春賛歌といえるような、魂を解放するかのような音の世界に入っていった。聴きに行った価値大。(それにしても、クラリネットのベルアップは、しんどそうだ。)マーラーの、ホルンを立ち上げる指示は、斬新で、かつ、当を得たものだと改めて思った。

そうそう、慶應さんのコンサートミストレスの演奏、図抜けていた。かなりの才能の持ち主だ。
そして、コンサートミストレスや、セカンドヴァイオリンのトップは、全身で奏でていた。3列目くらいからは、上半身で奏でるようになり、5列目くらいからは腕で奏でていた。

ワグネルさんは、4年ごとに京都に来るらしい。4年後が待ち遠しい。

2016年2月22日月曜日

カティア・ブニアティシヴィリ ピアノリサイタル 展覧会の絵 他 2016.2.22

★★★★☆

2016.2.22

カティア・ブニアティシヴィリ ピアノリサイタル

●出演者
カティア・ブニアティシヴィリ(p)

●演奏曲目
ムソルグスキー:展覧会の絵
リスト:三つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」
    超絶技巧練習曲第5番 変ロ長調「鬼火」
    パガニーニによる大練習曲 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネッラ」
    半音階的大ギャロップ、
リスト/ホロヴィッツ編 :ハンガリー狂詩曲第2番
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカよりの3楽章

アンコール
  ヘンデル メヌエット ト短調
  ドビュッシー 月の光
  プロコフィエフ ピアノソナタ第7番 第3楽章
  ショパン 前奏曲 変ホ短調 作品28-14

会場 いずみホール
    ほぼ満席。若干、隅の方に空席。
    確か、全席 5,000 円 
    Q-26 後ろだが、悪くはない。
    このホール、後部はかなり高くなっているので、前席の人が気にならない。

赤いロングでタイトなドレスで登場。スリムだが、女性らしい部分はかなりのもの。よく似合っている。

展覧会の絵は、絵が見えない演奏だった。
リストは素晴らしい。若干精緻さに物足りなさはあったが、技巧的な美しさが光り、圧倒される。
ペトルーシュカは、踊りが浮かばない演奏だった。

やや物足りなさを感じたが、アンコールで佳境に入った。
束縛から離れた自由な演奏になったと思える。どの曲も素晴らしい。ドビュッシーでは、月の光が見えた。プロコフィエフは聴き手の魂を鼓舞する。展覧会の絵と同じピアニストとは思えない素晴らしさ。

サインが欲しかったが、CD購入者のみの特典。最近散在気味なので、ぐっとこらえて帰途についた。

しかし、カーテンコールが続いているのに帰る人もけっこう目立った。演奏者に失礼とは思わないのだろうか。





2016年2月20日土曜日

喜歌劇「こうもり」 小澤征爾 タマラ・ウィルソン アドリアン・エレート 小澤征爾音楽塾オーケストラ他 2016.2.20

★★★★★

2016.2.20

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXIV
J.シュトラウスII世:喜歌劇「こうもり」全3幕

音楽監督/指揮:小澤征爾
指揮:村上寿昭
演出:デイヴィッド・ニース
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団

ロザリンデ:タマラ・ウィルソン
ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:アドリアン・エレート
アデーレ:アナ・クリスティー  
アルフレード:ディミトリー・ピタス
オルロフスキー公:マリー・ルノルマン
ファルケ博士:ザッカリー・ネルソン  
フランク : デール・トラヴィス
ブリント博士:ジャン=ポール・フーシェクール 
イーダ:鷲尾 麻衣
フロッシュ: 笹野 高史

ロームシアター京都
ここは、オペラ向きに残響が少なくなるように作られているようだ。

B席 3階 4-9 くらいだったか 17,000 (一番高いのは25,000円)
悪い席ではない。(まあ、S席よりそこそこ安いし。)
券は完売という。

背もたれに背をつけないで前かがみになる人がいて(終始ではないが)、見にくい時もあった。前かがみにならないと小澤さんが見にくかったのだろう。
背もたれに背をるけるよう注意を促すアナウンスがなかったような・・・

メトロポリタン歌劇場のプロダクションということで、舞台装置や衣装も驚くほどに存在感があって味わい深い。
日本向けのギャグも盛り込み、楽しい舞台になっている。ドイツ語に時折混ぜる日本語が笑いを誘っていた。それもよし。そうそう、フロッシュは、一人日本語を話していた。

歌手は、それぞれに良さがあった。皆、一流どころといえるのだろう。欲を言うとルノルマンさんにもう少し声の豊かさが欲しかったとはいえるが。(ルノルマンさん、小澤さんとの録音で(こどもと魔法)でグラミー賞(最優秀オペラレコーディング賞)だけど。去年名古屋で聴いたときは、残念ながらルノルマンさんではなかった。)
オーケストラのメンバーは、20代までの、オーディションを通過した人たち。女性が多い。「音楽塾」で鍛えられ、技量もあがったのだろう。さわやかに、つややかに演奏し、とくに興ざめな場面もなし。立派なものだ。
指揮が、小澤征爾さんと村上寿昭さんの二人となっていて、どうやるのかと思ったら、全編二人が指揮台におり、交互に指揮をしていた。どうしてこうやったのかよくわからないが、小澤さんの体力の問題? あるいは村上さんの育成? 気のせいか、音が生き生きしたな、と思って指揮者に注目すると、いつも小澤さんに交代したところだった。やはり、オーラが楽団員を奮い立たせるのだろうか。
小澤さんも腰が曲がってきている感じではあるが、近くベルリンフィルも振るようだし、活躍を続けてほしい。食道がんはもう大丈夫なのかな。ご健康をお祈りします。



京都市美術館別館が隣にある

窓から平安神宮の鳥居が見える






関西学院大学交響楽団 指揮 角田鋼亮  ラフマニノフ 交響曲第2番 他 2016.2.19

★★★★☆

2016.2.19

関西学院大学交響楽団(関オケ)(関西大学交響楽団は、「関西オケ」というようだ)

フンパーディンク/歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲
マスネ/組曲第4番「絵のような風景」
ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調 Op.27

客演指揮者:角田鋼亮(マスネ、ラフマニノフ)
学生指揮者:亀田健一郎(フンパーディンク)

場所
兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

入場料
A席:700円 S席:1000円(全席指定)

席 S席 RB11くらい バルコニー席の最前列 良い席だ。全体を見渡せ、距離も近い。
   4階は閉めていたようがが、1,2階は8~9割は埋まっていて、3階にもそこそこ聴衆がいたようだ。

近くのぼてちゅうで、半分の量のお好み焼き(豚)、半分の量の焼きそば、ごはん1杯、具だくさんの味噌汁、というセット(880円)を食べて、コンサートに臨んだ。お兄さんが、けっこうおいしく調理してくれた。満腹感あり。

フンバーディンクは、学生指揮者。きちんとテンポを刻み、表情もつけている。動作もしなやか。
冒頭、ホルンのみのアンサンブル。これは難しい。プロでも上手くできないことが多いのではないか。(N響はうまくやるだろうが。他は微妙)しかし、出だしで聴き手がつまづくと、聴き手の挽回は困難。演奏はあったが、音楽とは感じられない。

マスネになり、指揮は角田さんへ。最初の音から、劇的な変化を感じる。角田さんは、初めて聴くが、ただ者ではない。単なる演奏が、楽しめる音楽に変わった。

ラフマニノフ。角田さんは、時おりふスコアを2ページめくる。1楽章が終わると、指揮台を降りて譜面台を少し高くしていた。
本題の音楽づくり。あなどれない。素晴らしい。いろんな楽器が一つの音楽に凝縮していく。金管は、木管にくらべて、やはり難しいのだろう。時折異音が聞こえたりはし、トランペットの音にはもっと音に伸びとふくよかさが欲しい局面も多々あったが、そして、弦にも、へっ、という音程も聞こえなくはなかったが、音楽に魂が入っていた。イングリッシュホルンと、オーボエと、ヴァイオリンソロの音色は、けっこうよかったな。

好き放題書いてしまったが、今日の演奏をして、卒業していく学生さんたち、けっこううらやましい。
卒団する学生さんに、幸いあれ。




2016年2月14日日曜日

立命館大学交響楽団 シベリウス 交響曲第2番 カレリア組曲より リムスキー=コルサコフ スペイン奇想曲 学生指揮 竹下裕也 2016.2.14

★★★☆☆

2016.2.14

立命館大学交響楽団(立響)

The Farewell Concert
(4回生の卒団コンサート)


シベリウス           カレリア組曲より(ⅠとⅢ)
リムスキー=コルサコフ  スペイン奇想曲
シベリウス           交響曲第2番 

学生指揮 竹下裕也(ファゴットの人らしい)


場所:立命館大学大阪いばらきキャンパスグランドホール
(昨年4月に、茨木キャンパスがオープンしたと思う。)
開演時間:14時30分
全席自由(一部指定)(招待席及び友の会会員席)

[入場無料]

ホールは1000人収容。前に机を出せるようになっている。さすがというか。

前半と後半の間に 記念品(5人当選)の抽選会もあり、なかなか楽しい。
ちゃんとしたプログラムも配布され、学生さんたちの努力に頭が下がる。

さて、演奏。
最初、チューニングのオーボエの音の強さが一定でない(音程は一定だけど)ので、少し落ち着かない気持ちになる。(そういえば、始まる前にヴァイオリンとチェロが2人で演奏してくれていたが、音程が不快だった。)

カレリア。
やはり、一番難しい楽器と言われるだけあり、ホルンはたいへんそうだ。

リムスキー=コルサコフ
エキストラさんのハープが素敵だった。堤真菜さんとプログラムにあるが、高校生??すごい。
全体としては、まずまず落ち着いて聞けた。

シベリウスの交響曲。
緩急と強弱が、好みと合わない。速くなることを期待したところで速くならず。
全体として、かなりゆったりとしたテンポ。50分くらいかけての演奏。
ティンパニの女子学生さんは、素晴らしい響きをつくっていた。トランペットの1stさんは、緊張するとうまくお腹から息が出ないようだ。そして、ホルンはやはり難楽器。
途中までは、魂を十分には感じることができなかった。しかし、最後に近づくと、たくさんの楽器から魂とでもいうようなエネルギーが一つの方向に向かって放出され、感動へと導いた。
指揮の学生さん、4楽章のはじめだったかで、ジャンプしてたな。終わったあとも団員さんらに投げキスしていて、結構目立ちたがり屋さんとみた。(だからどうこうということもないが。テンポはきっちり刻んでいた。たいしたもんだ。)

アンコールでは、学生さんたちが自由になって、伸びやで心地よい響きが生まれていた。トランペットの学生さんも、余計な緊張がなくなってか、豊かな音を生み出していた。

学生時代はいいな、と率直に思った。
学生さん、感動をありがとう。

きれいで、こじんまりとしたキャンパス。茨木駅から徒歩5分くらいなので志願者増えているのだろうな。

2階がホール(1階はスターバックスもはいってる)










2016年2月5日金曜日

ベルリン・バロック・ゾリステン with 神尾真由子&ジョナサン・ケリー 2016.2.5

★★★★★

2016.2.5

ベルリン・バロック・ゾリステン with 神尾真由子&ジョナサン・ケリー

[弦楽合奏]ベルリン・バロック・ゾリステン
[ヴァイオリン]神尾真由子
[オーボエ]ジョナサン・ケリー

C.Ph.E バッハ: オーボエ協奏曲 変ロ長調 Wq. 164
J. S. バッハ: 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043
ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 RV567
C.Ph.E バッハ: 弦楽のための交響曲 ト長調 H667
ヴィヴァルディ: オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調 RV 548
J. S.バッハ: ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 BWV 1060

アンコール ヴィヴァルディ 四季 冬 第二楽章 他

会場 ザ・シンフォニーホール

席 S席 9500円 最前列 真ん中付近
お客さんは、思ったより少なく、席が埋まっていたのは7割くらいか。

ベルリン・バロック・ゾリスデンは、ベルリンフィルの現、元メンバーを中心とした弦楽アンサンブルだという。

最初に音が聞こえると、「なんだこれは」と驚愕した。
それは、天上界からの音のよう。
神たちが、完璧な演奏を目の前で繰り広げているといったふうだ。
(最前列なので、実際にも上から聴こえてくる。)

寸分の隙もないアンサンブル。
素晴らしい音色。
心地よいリズム。

町田琴和さんが、デジタルコンサートホールで見かける時と同じような赤いメガネをかけていたので、なつかしい感じがした。4つのヴァイオリンのための協奏曲では、3番目のヴァイオリンを心地よい響きで奏でていた。

ジョナサン・ケリーさんのオーボエもすごい。躍動するオーボエ。
一度だけ楽章の間に、楽器に羽を通していた。

ダニエル・ゲーテさん(もとウィーンフィルのコンサートマスター)のソロも素晴らしい。

残念だったのは神尾さん。特に、最後のバッハのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲では、音に芯や豊かさが感じられず。オーボエに圧倒されていた。ヴィヴァルディのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲で、ダニエル・ゲーテさんが素晴らしい演奏をするのを聴いたあとだけに、著しい力量の差が露わになった。町田さんに弾いてもらったほうがよかったのではないか。(もっとも、お客さんを増やすために神尾さんを招いたのだろうな。)





2016年2月4日木曜日

シュターツカペレ・ベルリン ダニエル・バレンボイム モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ブルックナー:交響曲第3番  2016.2.3

モーツァルト ★★★★☆
ブルックナー ★★★★★

指揮・ピアノ/ダニエル・バレンボイム
管弦楽/シュターツカペレ・ベルリン~ベルリン国立歌劇場管弦楽団~

曲目/モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466
    前半アンコール モーツァルト ピアノソナタ第10番 第2楽章から

   ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」WAB103

2016.2.3

フェスティバルホール

ちらほら空席あり。9割5分くらいの入りか。
席は、A席(Sあり)21000円と、かなり高い。
2階6列真ん中あたり。悪くはない席。
都合がつくかどうかわからなかったので、遅れた購入となった割には良い席だった。

2階入口近くのベンチでおにぎりを食べているお姉さんがいたりして、ほっとした気分になる。

モーツァルト
遅いテンポという印象。オーケストラは緻密。ピアノは、魂を吸い取るような感じで、不思議な魅力がある。
ただし、タッチはがどう?というところがあったりしたのが気になった。73歳らしいので、衰えはあるのだろう。

アンコール曲があったのは驚き。

ブルックナー
1楽章から3楽章までは、素晴らしい。
音の伸び。厚み。金管の宇宙的な響き。ピアニシモの繊細さ。合奏のち密さ。
そして、緩徐楽章の2楽章も、短く感じさせる充実した演奏。
2楽章の弦が官能的であると初めて知った。
ワーグナーがこの曲の謹呈を受けることにして、ベートーヴェンの次はブルックナーだと言ったらしいが、うなずける。
バレンボイムさんも、凛々しい姿勢をとったり、しなやかな動きを見せたり、73歳とは思えない運動能力。素晴らしい。暗譜だ。
これぞブルックナーの3番、という演奏だ。

4楽章になると、疲れたせいだろうか、緻密さが崩れる。少し残念。しかし、最後は宇宙的な響きを引き出していた。

終演後、バレンボイムさんが袖からオケに拍手をしていたのが印象的だ。フルート(2nd)のお姉さんが満面の笑みを浮かべていたのも印象的。
バレンボイムさんが最初に立つよう促したのは、ホルンの1st。確かに良い。次がトランペットの1st。彼もとても良い。

2016年1月31日日曜日

京都市交響楽団 くるみ割り人形 ワガノワバレエアカデミー 2016.1.31

★★★★☆

作曲 チャイコフスキー
曲   くるみ割り人形

指揮 ワレリー・オフシャニコフ

京都市交響楽団

ロシア国立ワガノワバレエアカデミー

京都市少年合唱団

兵庫県立芸術文化センター

席 2階 最前列4 8,000円(一番高い席)

ほぼ満席

座席からは、オーケストラビットの中が半分くらいしか見えない。
  トランペット稲垣さん とか ティンパニ中山さんらは見えた。

幕間に3階に行ってまだ残っていた人たちを見ると
  ホルン垣本さん(他はわからず) オーボエ高山さん 
  クラリネット小谷口さん オーボエ高山さん 
  フルート中川さん ファゴットは東口さんと村中さんのようだ。
  それでもまだまだ見えない席がある。  もう一人のトランペットは、ナエスでも、早坂さんでも、西馬さんでもないみたい。稲垣さんがファーストを吹いていた様子だ。

演奏は、出だしから充実していた。金管も良く伸びていた。木管はいうことなし。
ただ、トランペット、柔らかく伸びがあるというよりは、力技的な感じがした部分もあった(第2幕、幕が開いて2曲目だったか)。
踊りが終わって拍手が響き、オーケストラが聞こえなくなる場面が何度かあったのが少し残念。

音楽と踊りがぴったりとかみ合っている。これがバレエの醍醐味なのだろう。
バレリーナも、女性はしなやかで優美。男性はしなやかな動きとともに、女性を持ち上げたり抱えたりという、かなりの力も要求されるかなり過酷な役回りに見えた。
一部手足の角度がきちんと一致していないところ(人)もあったが、素人目にみると、かなり水準は高いのではないか。

京響の好演に、心地よい踊りもついて、かなり満足できた。

2016年1月24日日曜日

京都市交響楽団 広上淳一 コリヤ・ブラッハー バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番 パリのアメリカ人 他 2016.1.24

バルトーク ★★★★★
コープランドとガーシュウィン ★★★★☆

2016.1.24 

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」
ガーシュウィン:パリのアメリカ人

指揮 広上淳一
ヴァイオリン コリヤ・ブラッハー

京都市交響楽団

京都コンサートホール
席 3階RD1‐3 全体を見渡せる良い席だ。

お客さんは、けっこう寂しく、7~8割。左右に人がいなかったので、くつろいだ姿勢で過ごせてよかったといえばよかったが・・・
京響さんと京コンさん、もっと上手に宣伝しないと。

バルトーク。
ブラッハーさんのヴァイオリンは素晴らしい。
音の切れ。音の豊かさ。しなやかに転がるような早いパッセージ。
ベルリンフィルのコンサートマスター出身というのは伊達ではない。
京響も、ブラッハーさんと互角に渡り合う。危なげない。
曲の表情の付け方も素晴らしい。


コープランド。
「アパラチアの春」というのは、あとでつけた表題ということだが、曲がぴったりとアパラチア山脈の春をうたっているように思えるところがなんともいえない。
広上さんはタクトを持たず。
京響も危なげなくきれいに奏でていた。

ガーシュウィン。
広上さんは、タクトを持って指揮。
この曲は、広上さんにぴったりと合うように思える。
客演コンサートマスターの荻原尚子さんの音も映えていた。(ケルンWDR交響楽団(放送交響楽団)のコンサートマスターで、ブラッハーさんにも師事したそうだ。)
ハラルドさんは、トランペットのベルにハットをかけて(ハットでベルが覆われていた)吹いた場面もあった。
萩原さんと小谷口さんのかけあいも聴きごたえがあった。

これだけの充実したコンサート、お客さんが少ないのはもったいない。









2016年1月11日月曜日

京都市交響楽団 フィデリオ 下野竜也 木下美穂子 石橋栄実 他 2016.1.11

★★★☆☆

ベートーヴェン 作曲 フィデリオ

演出:三浦基
指揮:下野竜也(京都市交響楽団常任客演指揮者)

管弦楽:京都市交響楽団

合唱:京響コーラス、京都市少年合唱団

ソリスト:木下美穂子、小原啓楼、黒田博、小森輝彦、久保和範,、石橋栄実、糸賀修平

会場 ロームシアター京都

S席 8000円 (2階最前列)
意外と空席が目立った。8割~9割の入りだろうか。

ロームシアターは、昨日オープン。
メインホール、昨日は式典だったらしい。公演は今日が初めてかな。

西宮の芸文を一回り小さくしたような印象。もっとも座席数はどちらも2000程度で同じくらいらしい。レッグスペースはまずまず。新国立劇場よりも広い。
音は硬い気がする。残響が少ないのだろうか。

セミステージ形式の公演。
京響がステージの真ん中に陣取り、その後部に舞台装置。オーケストラビットにも役者さん(歌手ではない)。
しかし、芝居が抜けているので、オペラの魅力が半減している。
男女一人ずつ舞台の左右に立って、日本語の文言を読み上げていたが、演出家の考えでなのだろうが、女性がかなり癖のある話し方をするので、聞き取りにくく、感じも悪い。

演奏。
最初から、ホルンがしくじり、興ざめ。しかし、その後は盛り返していた。後半は弦のキレもよかった。
下野さんの指揮ぶりは、いつ見ても存在感がある。ここぞというときの腕の流れが小気味よい。
途中、舞台装置が音に共振していた。

歌手。
木下美穂子さんと石橋栄実さんは、かなりよい。世界水準ではないか。
男性歌手は、今一つ。男女の重唱だと、差異が際立ってしまう。

終盤は、心地よい。合唱もなかなかよかった。最後に合唱が入ることといい、歌の内容といい、第九を彷彿とさせる。

全体として、悪くはないが、素晴らしいというほどでもない。最後のブラボーに違和感。しかし、日本人歌手ばかりのオペラとしては、良い水準にある。
ただ、芝居がないと、オペラとは言えないような気がする。

そうそう、舞台外(見えないところ)で、何度かトランペットが響いた。よい響きだ。舞台にいなかった首席のナエスさんかと思ったら、西馬健史(日本音楽コンクール、1位を逃し残念)さんだった様子。

終演後、小谷口さんがにこにこしながら顔の前で拍手をしていたのも印象的だった。