★★★★(★)
最後の曲になると、★5つ
イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル
2016.9.29
~オール・ショパン・プログラム~
幻想即興曲 op.66
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ op.22
マズルカ ハ長調 op.24-2
マズルカ ロ短調 op.33-4
ワルツ 変イ長調 op.42
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
即興曲第3番 変ト長調 op.51
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
アンコール
マズルカ 作品68-4
ワルツ 作品69-2
ノクターン 遺作
京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
全席3000円 前から2列目真ん中あたり。表情が良く見える席。
チケットは、前売りで完売 といっても小ホールだから、500席くらいか?
イリーナさんは、半分くらいは、楽譜を鋭い眼光で見据えていた。
演奏は、最初、「学者の演奏」とでもいうような印象だった。精緻であり、ダイナミズムもあるが(細身の体から、思いがけないほどに強烈に鳴らすこともあり)、プラスアルファが感じられない。
しかし、ピアノソナタの最終楽章に入ると、見据えた楽譜からショパンが憑依したかのようなほとばしりを感じる、凄いとしかいいようのない演奏になった。
楽譜を見ながら、ということは、自分の情感に流されずに、ショパンに忠実に、ということなのだろうか。
表情やしぐさはとても上品で気品もある。
楽譜をめくる女性は、曲が終わって拍手の段になるたびに、ピアノの後ろに隠れていた。そういうものなのだろうな。
ロシア出身で京都に住み続けるピアニストが、200年近く前のポーランドの作曲家の曲を、90年前にアメリカで作られたスタンウェイのピアノで弾いていた。それを京都のお客さんが熱心に聴き入っている。考えてみると、すごい話だ。
来年6月9日のベートーベンのソナタが楽しみだ。
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