2016年3月12日土曜日

京都市交響楽団 高関健 マーラー 交響曲第6番 2016.3.12

★★★★★★(通常5つが最高だが、それを凌駕しているので6つとした)

2016.3.12

京都市交響楽団

指揮 高関健

マーラー 交響曲第6番

席は2階バルコニー 右側 R3の14くらいだったか。ちょうど舞台の真ん中あたり。
B席 3500円
席としては、このあたりがいちばんいいのかも。指揮者も、プレイヤーの半分くらいもよく見えるし。
聴こえてくる音のバランスが良くはないが。

席は8~9割しか埋まっていない。2回公演にしてから、空席が目立つ。これほどの演奏なのに。がんばって聴衆を集めないと。

プレトークで、高関さんが言うには、
現在マーラー協会で、交響曲の楽譜新版を編集中で、一部はすでに出版された。
リハーサル中にマーラーが楽譜に書き込んだり、マーラーは書き込むのを忘れたが演奏家が書き入れたものなどを精査し、取り入れた。交響曲第6番では100か所以上が変わったが、普通の人が聞いてもわからないだろう。高関さんも編集していた方々?とやりとりしていた。
また、6番の2楽章、3楽章について、以前マーラー協会が出版した楽譜による スケルツォ→アンダンテ の順でなく、正しい順である アンダンテ→スケルツォ として本日は演奏する。
高関さんは以前もこの順番で演奏したところ、ツイッターでかなり批判されたという。
マーラーは、スケルツォを先にするスコアを書いたが、リハーサルの後、順番をひっくり返したほうがよいと考え、本番ではひっくり返した。マーラーは、生前、3回この曲を指揮したが、いずれもアンダンテが先である。
マーラーの死後、指揮者(メルゲンベルクでよかったかな?)の問い合わせに答えたアルマが、スケルツォが先と答え、マーラー協会の楽譜もその順にしたことで、この順番が固定してしまった。
4楽章のハンマーを2回たたくか3回たたくかという問題は、3回のわけがない。3回めをたたくとする場面では、ハンマーのみが大きな音を出すので、そのようなことはしないはずだ。

舞台右上の方に、木箱と木製大型ハンマー(ふりかぶってたたく)が置いてありました。近いので、よく見えて楽しい。

舞台いっぱいに、110人(マーラーの指示どおり)の演奏家の席。それに指揮者を加えると111人。
高関さんは、舞台下の観客席前をとおって指揮台に。(ヴァイオリンの人たちも同様)

さて、演奏。
これほどまでに素晴らしい演奏を味わえるとは思いもしなかった。
がっちりとした構造の中に魂も感じる演奏だ。1楽章など聞いていて涙が出るほど。人生の苦しみとそれを乗り越えようとする内からの力。乗り越えさせまいとする外からの力。
ありえないほどの名演を、日本人たち主体の演奏で聴けるとは。

演奏家の方々も充実した音を奏でていた。ほとんど非の打ち所がない。
とくに、いつもではあるが、小谷口さんのクラリネットの音色が素晴らしい。ベルアップはたいへんそうだけど。(付け替える時に、一度マウスピースを落としたように見えたが、本当かな。すぐひろってつけて、演奏していた。大したものだ) オーボエのベルアップは、マウスピースがないぶんクラリネットよりもさらに大変そうだが、どうだろうか。ティンパにもいつもどおり曲の骨格をつくっている。昨日の大フィルの演奏家にも聴かせてあげたい。
トランペットも印象的だった。ホルンも安定。
ハープ2台はすぐ前。時に鋭い感じの音も出ていた。
チェレスタ2台もすぐ前。ふわっとした柔らかい音色だ。

高関さんは、前回見たショスタコーヴィチの時よりも、前を見る時間がかなり長い。下を見るのが3分の1くらいか。ハープに出す指示は、素早くかっこいい。(指揮者からみてハーブの方向に座っていたのでよくわかる) ハンマーに指示を出すときのエネルギーの発露の凄さ。古いたとえだが、波動砲発射、とでもいった感じが。この曲を完全に手中におさめている。マーラーは、学生時代から研究していてライフワークだ、とプレトークで言っていただけのことはある。

いつもPACにエキストラで参加していたホルンの岩井理紗子さんがエキストラで来ていた。なつかしい。クラリネットの小谷口さんは、演奏が終わると高関さんが引っ込んでいたあいだにスワブを通していた。
ハープの松村さんは、全て修了後、舞台に残り、アルミ製らしいボックスを開けて、布を取り出し、楽器の木の部分を拭いていた。ハープのお二人、衣装も同じように見えたが(背中が開いていて、ノースリーブに近い)、揃えたのだろうな。

本日のプログラムに、フルートの首席清水さんとホルンの水無瀬さんが卒団するとして、あいさつが載っていた。水無瀬さんは、「この間、大変悲しく辛いこともあり、この気持ちを抱えたまま退職の日を迎えるのは、忸怩たる思いであります」と書いている。

隣りの植物園は春














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