2017年11月12日日曜日

ノルマ マリエッラ・デヴィーア 沼尻竜典 他 2017.10.28

★★★★★
ノルマ 2017.10.28

2017年10月28日(土)14:00開演

指揮:沼尻竜典 Ryusuke NUMAJIRI(びわ湖ホール芸術監督)
演出:粟國 淳 Jun AGUNI
美術:横田あつみ Atsumi YOKOTA
衣裳:増田恵美 Emi MASUDA
照明:原中治美 Harumi HARANAKA
舞台監督:菅原 多敢弘 Takahiro SUGAHARA

■キャスト

ノルマ マリエッラ・デヴィーア Mariella DEVIA
アダルジーザ ラウラ・ポルヴェレッリ Laura POLVERELLI
ポッリオーネ ステファン・ポップ  Stefan POP
オロヴェーゾ 伊藤貴之 Takayuki ITO
クロティルデ 松浦 麗  Rei MATSUURA
フラーヴィオ 二塚直紀* Naoki NIZUKA
                *…びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー
■管弦楽  トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア

B席11000(会員10000円)だったと思う。
S席は18000円
満席のようだ。

記録が遅くなってしまい、記憶もすでに曖昧。
しかし、マリエッラ・デヴィーアさんは、やはり、なかなかのもの。オーケストラも悪くはない。沼尻さんの指揮ぶりも、よい。
満足のいく公演だ。

マリエッラ・デヴィーアさんは、1948年生まれという。69歳くらいということになる。しかし、つやかでよくとおる、美しい声だ。
宣伝では、今回が最後の来日となっているが、そうは言わずにまた来日してもらえないかな。



ルチア ハンガリー国立歌劇場 エディタ・グルベローヴァ 他 2017.11.12

★★★★★★(6こ) 2017.11.12

ハンガリー国立歌劇場「ランメルモールのルチア」
開演/15:00
エディタ・グルベローヴァ
Peter Balco
ZoltanKelemen
Istvan Kovacs 他
指揮 Peter Valentovic

C席 12500円  3回L方向 4-6くらい
Sは 24500円

席は、特に悪くはないと思う。コストパフォーマンス的には良い席だ。
ほぼ満席みたいだ(すべて見晴らせたわけではない)

歌手、特に、エディタ・グルベローヴァさんは、素晴らしい。1946年生まれということらしいので、70歳。信じられない。70歳であの歌声。宣伝リーフレットには、最後の来日とあるが、そういわずに、もっともっと来てほしい人だ。

オーケストラも、歌とのかねあいが、素晴らしい。ホルンの音が心地よい、

舞台装置には凝っていない。ハンガリーという国に、あまり経済的なゆとりがないということ?









2017年10月23日月曜日

神々の黄昏 2017.10.7 ワーグナー ステファン・ グールド ペトラ・ラング 飯守泰次郎 読売日本交響楽団 他

★★★★★

指揮 飯守泰次郎
   読売日本交響楽団

ジークフリート Siegfried
ステファン・グールド Stephen GOULD

ブリュンヒルデ Brünnhilde
ペトラ・ラング Petra LANG

アルベリヒ Alberich
島村武男 SHIMAMURA Takeo

グンター Gunther
アントン・ケレミチェフ
Anton KEREMIDTCHIEV

ハーゲン Hagen
アルベルト・ペーゼンドルファー
Albert PESENDORFER

グートルーネ Gutrune
安藤赴美子 ANDO Fumiko

ヴァルトラウテ Waltraute
ヴァルトラウト・マイヤー
Waltraud MEIER

うっかり書くのを忘れて2週間以上経ってしまい、記憶があやふやとなってきてしまった。
ただし、かなりよかったのは間違いない。
このシリーズ、オーケストラには失望が続いていたが、この日は、いつもと違ってかなりよかった。あまり気になる部分もなく、音色も心地よい。
終演後調べると、読売日本交響楽団だった。どうりで。新国立劇場でのオペラは初めてらしい。いつも起用することはできないのだろうか。これまでの他のオケとは質が違うので。

歌手については、島村さんと安藤さん、検討していたが、やはり、他の方々と比べて聴いてしまい、もう一段の奮起を期待するといった感想になってしまう。
グールドさんは、歌はよいが、体形がどっしりしすぎて、ジークフリートとは違うかも、と思ってしまう。


京都市交響楽団 広上淳一 ボリス・ベルキン ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 ブラームス 交響曲第1番

★★★★★

[指揮]広上淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
[Vn]ボリス・ベルキン

ウォルトン:「スピット・ファイア」前奏曲とフーガ
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調op.77
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調op.68

京都コンサートホール

B席 3500円 R側バルコニー やや前(指揮者の斜め後ろ)

ショスタコーヴィチは、音楽は難解だが、ヴァイオリンはさすがに、よい。
音量は大きくないとの印象だが、伴奏なしで奏でる音は、心にしみる。

ブラームスでは、頭髪を黒くしたが、ヤンキーっぽくしかしどっしりと座っている垣本さんのホルンがなかなかよかった。中山さんのティンパにも心を打つ。
終わると、まず、垣本さんに立つよう合図。予想通り。次は高山さんかと思っていると、小谷口さん。もっとも、ここからはクラリネット、ファゴット、フルート、オーボエの各首席に順番に立つよう合図があったので、単に順番というかんじだったのかも。その後、中山さんが立った時には、拍手がひときわ大きくなっていた。さすがだ。





2017年10月21日土曜日

日本センチュリー交響楽団 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 シベリウス 交響曲第1番 他 秋山和慶 アリーナ・イブラギモヴァ

★★★★★

ブラームス:大学祝典序曲 op.80
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
アンコール イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第5番 第1楽章

シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 op.39

[指揮]秋山和慶
[ヴァイオリン]アリーナ・イブラギモヴァ
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団

席はREEで最後部。父も一緒に富山に行く途中だったから、

お客さんは半分くらい。あまりに少ないので驚いた。
それでも演奏には最善をつくしてくれていたと思う。

秋山さんは、ブラームスやシベリウスは得意なのだろう。
ブラームスは2曲とも流麗な演奏だ。
時に金管(特にホルン)が聞き苦しく、時に菅の合奏が聞き苦しいこともあったが、弦はきちんと鋭く鳴っていた。

ヴァイオリンはなかなかによい。体格の割に音量が今一つではあったが、高音部で音程が更に上がる時の言いも言われぬ感覚がよい。

アンコールのイザイは、素晴らしい。さすがである。だてにハイティンクさんらと共演しているわけではない。

コンマスの松浦奈々さんは、体を大きく動かす弾き方で、見ていても楽しいし、音色もベルリンフィルの町田さんと似た感じの音色だ。

シベリウスは、スケールが大きく聞こえ、感じが良い。ティンパニが巧者だ。



2017年9月24日日曜日

ドビュッシー弦楽四重奏団 小谷口直子 モーツァルト クラリネット五重奏 他

★★★★★

[演奏]ドビュッシー弦楽四重奏団
[Cl]小谷口直子(ゲスト)

オール・モーツァルト・プログラム

ディヴェルティメント ヘ長調K.138
クラリネット五重奏イ長調K.581
レクイエムニ短調K.626(弦楽四重奏版)(P.リヒテンタール編)

アンコール
ハイドン The seven last words of christ より ソナタ7番 op51

最前列の真ん中あたり。
4500円。高くはない。

ディヴェルティメントは、ごきげんな感じだ。アンサンブルも緻密。
クラリネット五重奏は、涙が出そうな演奏だ。小谷口さんは黄緑のスカートのドレス。クラリネットを主にひざの向かって右側に構えて吹いていた。斜めだと思うが、特に違和感はないのかな。演奏を終えて退席する時に落とした緑のスワブを拾ったのがご愛敬。曲を終えた時に、四重奏の人たちが、皆、よくできましたスマイルをみせてくてれいた。

レクイエムは、最後の方は、モーツァルト風だがモーツァルトでないという気がするが、どうだろうか。(どれだけモーツァルトに沿って補作したか解明もされていないようだし。)

アンコールのハイドンは素晴らしかった。





2017年9月18日月曜日

PAC管弦楽団 佐渡裕 メシアン トゥーガンラリラ交響曲 2017.9.16

★★★★☆

佐渡 裕
ピアノ  ロジェ・ムラロ
オンド・マルトノ  原田 節
管弦楽  兵庫芸術文化センター管弦楽団

プログラム
メシアン:トゥーランガリラ交響曲

演奏前に佐渡さんが、原田さんをステージに呼び、お話。
オンド・マルトノについてだが、オンドは、waveのフランス語という。
マルトノは、この楽器を発明した人の人名。

恥ずかしながら知らなかったが、マルトノさんは、チェロの奏者で、それがこの楽器にも反映しているらしい。右手で弦、左手で計器?を操作する。鍵盤のようなものもついているのだが、あれは何???
倍音も響くよう設計されているらしい。確かに音色は心地よい。
真空管を使っているそうだが、今や、真空管は骨董品になりつつあるように思える。生産もなくなるだろうし。どうする?

そうそう、曲について。
悪くはないが、凄くもないと思う。
演奏も、悪くはない。

しばらくぶりのPAC。人がどんどん変わっているのが難点。愛着を持ちにくい。まあ、佐渡さんはずっとおられるが・・・

京都市交響楽団 ラフマニノフ 交響曲第2番 他 2017.9.17 京都の秋音楽祭開催記念コンサート

ショパン ★★★★☆
ラフマニノフ ★★★★★★

[指揮]広上淳一(京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
[Pf] ルーカス・ゲニューシャス
 [管弦楽]京都市交響楽団

すぎやまこういち:序奏MIYAKO

ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
ピアノアンコール 
   デジャトニコフ Echoes from the Theatre より Ⅴ Chase Rondo

ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 op.27

ラフマニノフは、とびきりの名演。満点を5つ★としているが、それを凌駕しているので、6つ★とした。
京響さんは、広上さん指揮だと、やはり、素晴らしい。
深い情感と不思議なエネルギーを感じる演奏だ。
1~2年前に聴いた京都大学交響楽団の演奏もすごかったけど(魂が入っている)、今日は、魂に素晴らしい技量も加わった恐るべし演奏だ。

垣内さんは、前回から、頭髪をなぜか黒くしている。座り方は相変わらずヤンキー座りだけど。どうしたんだろう。
曲を終え、広上さんは最初に小谷口さんに近づいて立つよう合図。3~4年前のショスタコーヴィチ以来のクラリネットを掲げるガッツポーズがきまっていた。(ショスタコさんの時よりも少し上げ方が少なかったようには思うが)
小谷口さんの音色、いつもと違って真っすぐ的だった。それも良い。

ショパン、ルーカスさんの音はシャープというよりは柔らかく抱かれたという表現があてはまる。(好みとしては、シャープな音)
しかし、アンコールになると、一転して、シャープさも表出されていた。やはりただ者ではない。

すぎやまさんの曲は、今日のために委嘱されたものだという(終演後、リーフレットを読んだら書いてあった)ドラマチックに作ってあり、聴いて心地よい。

そうそう、冒頭に、着物を着た市長さんがあいあつをしていた。

今日は台風。京都への影響は、開演当時、まだほとんどなかったと思う。













2017年9月3日日曜日

京都市交響楽団 アクセルロッド 幻想交響曲 死と変容 他

★★★★☆

日時:2017年9月3日(日)2:30pm 開演
会場名:京都コンサートホール・大ホール
出演者:ジョン・アクセルロッド(指揮)

武満徹:死と再生~「黒い雨」より
R.シュトラウス:交響詩「死と変容」op.24
ベルリオーズ:幻想交響曲op.14

お客さんは8~9割。少し残念。2回公演になってからは、マーラーの8番以外は満席はないのでは?

今日の京響は、3曲とも緻密さが今ひとつという印象だった。

武満さんとシュトラウスは、聴いていて少し疲れる演奏。

ベルリオーズは素晴らしい。
音の一つ一つが生きているとでもいうような演奏だ。
二楽章や三楽章でのアクセルロッドさんの穏やかな表情が印象的。
小谷口さんがSクラを吹くのを、多分、初めて見た(というか聴いた)。あたりまえだが心地よい。いつもSクラを吹く玄さんよりも柔らかい感じで、穏やかな音色だ。
ティンパニを4人で演奏するのもなかなか見応えがある。
演奏後、横に並んでいる鈴木さん、小谷口さん、中野さんの表情が明るく、「よくできました。」といった雰囲気だった。
アクセルロッドさんの合図でイングリッシュホルンのお二人がまず立ち上がる。次は高山さんかと思っていると小谷口さんだった。その次が鈴木さんで、鈴木さんの意外そうな表情が印象的。






2017年7月29日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 インバル マーラー 交響曲第6番 2017.7.28

★★★★★
2017.7.28
大阪フィルハーモニー交響楽団

指揮/エリアフ・インバル
曲目/マーラー:交響曲第6番

C席4000円 2階7列(一番後ろ)12番
(学生を除けば一番安い席。大フィルは高い。)
悪い席ではない。
見える範囲は概ね満員。サテライト席?は空席も少なくないが。

2楽章にスケルツォをもってきていた。
4楽章(終楽章)のハンマーは、2回だった。

冒頭。もう少し、えぐるような音が欲しかった。少し不全感。
しかし、がっちりして堂々とした曲作りだ。
その後、時に緻密さがなくなるが、だんだん盛り上がる。終楽章になると、非の打ち所がない。さすが、インバルさんだ。
ハンマーは、本体が赤茶色で、そこそこ色落ちしている感じで(双眼鏡でチェック)、使い込んでいるという印象。叩かれる木箱は新しい感じだ。
叩いたのは、きゃしゃな女性。井口雅子さんだろうか。きゃしゃだけれど、存在感のある叩き方だ。ぴったりと決まった。ふりかぶるので、拍に合わせるのはけっこう難しいのではないだろうか。

インバルさんは、見ていて心地よい指揮ぶりだ。ストレスがない。

演奏を終え、インバルさんが最初に立ち上がるよう合図をしたのは、ホルンの高橋将純さん。この曲、かなりホルンが目立っている。名手高橋さんは、堂々と演奏していた。万雷の拍手。
終演後のインバルさんの表情も、会心のでき、といったふうだ。

満足度の高い演奏会だった。







2017年7月23日日曜日

フィガロの結婚 佐渡裕 2017.7.23

★★★★★
2017.7.23 フィガロの結婚
指揮 佐渡裕
演出 デヴィッド・ニース
 
アルマヴィーヴァ伯爵  ユンポン・ワン
アルマヴィーヴァ伯爵夫人  キレボヒリ・ビーソン ※
スザンナ  リディア・トイシャー
フィガロ  ジョン・ムーア
ケルビーノ  サンドラ・ピケス・エディ
マルチェリーナ  ロバータ・アレクサンダー ※
バルトロ アーサー・ウッドレイ
バジリオ/ドン・クルツィオ  チャド・シェルトン
アントニオ  晴 雅彦
バルバリーナ  三宅理恵

兵庫芸術文化センター管弦楽団
チェンバロ  ケヴィン・マーフィー
 
A席(一番高い席)12000円
2階3列目(最後尾)ややL寄り

代役のビーソンさんも、まだ新人というカテゴリーに入るようだが、かなりのもの。南アフリカ出身の黒人歌手だ。声が甘ったるい感じがするのが少し好みと外れるが、それでもたいしたものだ。
他の歌い手も素晴らしい。三宅理恵さんも、かなりよかった。
毎年、この佐渡さんオペラは、歌手の水準が高い。これだけの歌手を集めるのは、かなりたいへんなことだろう。

この会場、オーケストラがビットに入ると、音の響きや、音の深みが削がれる気がする。
PACさんも、ひさびさにお顔を拝見すると、見覚えがない方ばかり。まあ、3年で退団するという話だから、やむを得ないのだろうが。オーケストラへの親しみという点からすると、人によってはもう少し長く在団してもらってもいいような気もする。今日のPACさん、なかなかよかったが、弦のキレがもう少しあると申し分ないように思えた。

ただ、第一幕は、残念ながら、少し冗長に感じる部分もあり、意識が舞台からずれたこともあった。第二幕以後は、それを吹き飛ばすかのような素晴らしさだったが。

本日が、10日程度の西宮公演の最終日だ。
最後、オーケストラ団員も舞台に上がって手を振っていた。かなりよい試みに見えた。最終日だけかな。(このシリーズでも、オケ団員が舞台に上がるのは初めて見た。)価値ある最終日か。

終演後、佐渡さんのサイン会。列は、残念ながら短めだった。(ほしい人の大多数はもうもらっているのだろう。以前のヒラリー・ハーンの列はすごかった。)

来年は、魔弾の射手だという。楽しみだ。







2017年7月16日日曜日

京都市交響楽団 広上淳一 ズーカーマン ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ブラームス 交響曲第3番 2017.7.16

★★★★★
2017.7.16

[指揮]広上淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
[Vn]ピンカス・ズーカーマン

ブラームス:大学祝典序曲op.80
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調op.61
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調op.90

料金 S5,000  A4,500 B3,500 P2,000
京都コンサートホール 

広上さんが、プレトークで、今日がズーカーマンさんの誕生日、そこで、演奏の後にサプライズでハッピーバースディを演奏するので、手拍子をください、そうするとアンコールが期待できそう、などと話していた。(実際、手拍子はあったがアンコールはなし。)
意外なことに、広上さんは、この曲を演奏するのは、今日が4回目(2回公演の第一回である昨日が3回目)だという。学生の時にこの曲の指揮をするために勉強した、その青臭い感じがあって・・ などと話していた。
大学祝典序曲は旺文社の大学受験ラジオ講座で聴いていたが、その曲がブラームスとは知らなかったという、これまた意外なお話だ。

大学祝典序曲は、ホルンのエキストラさんがソロを吹いた時など、音がきれいに聞こえず、少し残念。

ベートーヴェンは、さすが巨匠という名がふさわしいズーカーマンさん、素晴らしい。しかりした音で、時に透明感、ときに豊かさ、時に切なさ、といったふうだ。音色も好みだ。
出だしの中山さんのティンパニもたまらない。無造作に見えるが絶妙だ。この曲、このティンパニで、よくもなり、平凡にもなる。
今まで聴いた中で(録音も含めて)、いいな、といえる演奏は、昨年の五島みどり+広上淳一+京都市交響楽団 と、今日の演奏と、2回だけだ。

ブラームスも、圧倒的な名演だ。
この曲も、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と同様に、つまらない演奏で聴くと、本当につまらない。その対極にあるのが今日の演奏だ。
クラリネット、持ち帰る時に時間の余裕があまりなく、マウスピースの付け替えをみるのも興味深い。小谷口さんはかなり忙しそうだ。筒井さんは、セカンドの方がファーストよりも遅れて入ることが多いせいか、余裕を見せながら付け替えていた。
それにしても、広上さんの音楽づくりには、いつも脱帽だ。
曲のあと、真っ先に立つよう指示されるのは、小谷口さんだろうと勝手に思っていたが、実際には、垣内さんだった。それも良しか。2番目が小谷口さんだったが、指名を周囲の人に確認してから立っていた。クラリネットのソロが始まった時に広上さんはニコニコしながら指揮していたのだが・・・







大阪フィルハーモニー交響楽団 レナード・バーンスタイン ミサ 井上道義 2017.7.14

★★★☆☆
総監督・指揮・演出/井上道義

照明/足立恒
美術/倉重光則
振付/堀内充
音響/山中洋一
副指揮/角田鋼亮
合唱指揮/福島章恭
児童合唱指揮/大谷圭介
舞台監督/堀井基宏

キャスト/大山大輔、込山直樹、小川里美、小林沙羅、鷲尾麻衣、野田千恵子、幣真千子、森山京子、後藤万有美、
藤木大地、古橋郷平、鈴木俊介、又吉秀樹、村上公太、加耒 徹、久保和範、与那城 敬、ジョン・ハオ

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
児童合唱:キッズコールOSAKA
バレエ:堀内充バレエプロジェクト/大阪芸術大学舞台芸術学科舞踊コース
助演:孫高宏、三坂賢二郎(兵庫県立ピッコロ劇団)

ミュージック・パートナー/佐渡裕 ※出演いたしません

フェスティバルホール なぜか1番高い席(9000)を持っていた。2階の最前列
概ね満席に見えた。

曲自体は、よくわからない。オーケストラに、曲によってはエレキギターが加わり、混沌とした感じに。(それが狙いかもしれない。)
曲の統一性やら、物語性は感じられない。ウケ狙いの関西弁は感じが良くない。
最後の曲はよかったが。
全体として楽しめないわけでもないが。

歌手は、皆、マイクを装着。何故だろうか。オペラと違い、小さい声も必要だから、ということ? 肉声とちがって、時に耳障りで伸びも足りない気がしたが、実際はどうだったか。
歌手では、大山大輔さん、小川里美さん、小林沙羅さんが別格だ。とりわけ、小川さんにはオーラが見える。たいしたものだ。

井上さんも熱演だ。







2017年7月8日土曜日

ハンブルク交響楽団 シュテファン・ザンデルリンク 2017.7.3

★★★★★

ハンブルク交響楽団
Hamburger Symphoniker

演目・内容 [指揮]シュテファン・ザンデルリンク

ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67「運命」
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

料金 一般 S9,000 A7,000 B5,000 C3,000 私はC席。3階バルコニーの下段だ。上段に比べると、かなり舞台に近い気がする。

お客さんは、ざっと、7割くらいか。さびしい。京響ならこんなに少ないことはないが。料金も比較的手ごろだし、京コンさんは、もっと、うまく宣伝したり、聴衆集めの工夫をしたりしないといけない。

演奏は、総じて申し分ない。エグモントは文句のつけようがない。第五は、力で押す風な演奏。第一は、情感あり力強さありで、申し分ない。
シュテファン・ザンデルリンクさんは、踊る指揮。
ドイツ音楽家の層の厚さを感じる。




関西フィルハーモニー管弦楽団, シュテファン・ドール,cd-ディエゴ・マルティン・エチェパリア

★☆☆☆☆
2017.7.5

[指揮]ディエゴ・マルティン・エチェバリア
[ホルン]シュテファン・ドール
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト:ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第2番 変ホ長調
  ソリストアンコール:メシアン 峡谷から星たちへ より
シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61

会場 ザ・シンフォニーホール
料金 S 6,000円 A 4,500円 B 3,000円 C 2,000円

ドールさんは、さすが。うまい。メシアンは、絶品だろう。

しかし、オーケストラを含む音楽とすると、あまり感心できない。
指揮者がひどいのだろう。シューマンの第一楽章は、音楽になっていなかった。ばらばらの変な音が聞こえているというひどい状態だった。第二楽章からはややましにはなったが、それでも音楽とは言い難い。
指揮者は、シューマン演奏後に両手でサムアップしていたけれど、この演奏でサムアップとは、指揮者の音楽センスを疑う。ブラボーと叫んでいたブラボー屋さんもいたが、どういう神経をしてるのかな。
シューマンの交響曲第二番は、広上淳一さん指揮の京都市交響楽団の名演が頭に残っている。2~3年前かと思い、調べると、2013年11月30日だった。残念ながら、このブログを書き始める前だった。
しかし、同じ曲なのに、これほど違うって・・・

関西フィルは、デュメイさんの指揮の時はまずまずだが、藤岡さんやら飯守さんやらの時は、失望というか、絶望と言うか・・・



日本センチュリー交響楽団 ガランタ舞曲 シューマン チェロ協奏曲 他 2017.7.7

★★★★★
2017.7.7

[指揮]ヤーノシュ・コヴァーチュ
[チェロ]イェンス=ペーター・マインツ
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団

リスト:交響詩「前奏曲」S.97
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 op.129
 ソリストアンコール:バッハ 無伴奏チェロ組曲第3番 サラバンド

コダーイ:ハンガリー民謡「飛べよ孔雀」による変奏曲
コダーイ:ガランタ舞曲

会場 ザ・シンフォニーホール
料金 A 6,000円 B 4,500円 C 3,500円 D 1,500円
私はD席。L側のバルコニー最上段 正面が指揮者のお尻のあたりか 3分の2くらいのプレイヤーの顔も見え、悪くはない席だ。
しかし、4割くらいしか席が埋まっていない。

失礼ながら、日本センチュリー交響楽団が、今日のような上質の音楽を奏でるとは思いもしなかった。飯森さんが指揮する凡庸な演奏という印象が強かったのだろう。奏者の実力はかなりのものだ。

リストの力強さと情感
飛べよ孔雀の透明感
ガランタ舞曲の躍動感
どれをとっても素晴らしい。さすが、ハンガリー国立歌劇場を40年ほど率いたというコヴァーチュさんだ。存在感もかなりなものだ。
シューマンも悪くはない。チェロ協奏曲となると、チェロの音域からしてチェロが浮き立つことはないので、輪郭がはっきりしない音楽になってしまうのではないかな。

ホルンの水無瀬一成さん、京響の時は垣内さんに隠れていたが、実はかなりの実力者だ。
クラリネットの持丸秀一郎さん、息の柱ががっちりしている。音の深みと優美さが加われば、完璧だ。






2017年7月3日月曜日

諏訪内晶子 ヴァイオリンリサイタル 2017.7.2

★★★★★

2017年7月2日(日) 14:00 開演

[ヴァイオリン]諏訪内晶子
[ピアノ]ボリス・ベレゾフスキー

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 「春」 op.24
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ

プロコフィエフ:5つのメロディ op.35 bis
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18

アンコール
マスネ:タイスの瞑想曲
ウォーロック:カプリオール組曲より Basse-Danse
ホイベルガー(クライスラー編):「オペラ舞踏会」より 真夜中の鐘
クライスラー:シンコペーション
ドヴォルザーク(クライスラー編):我が母のおしえたまいし歌

ザ・シンフォニーホール A席8000円(S席なし)
最前列のR側28くらい
諏訪内さんを正面近でとらえる席。(正面を向かず、右を向いているので。譜面台は、客席の列と直角だ。)ベレゾフスキーさんもまずまずよく見える。
お客さんは9割くらいか。

諏訪内さんは、赤いロングのドレス。靴は金色で、ヒールは10数センチくらいありそうだ。

やはり、最初の音から素晴らしい。上質だ。
豊かで力強く、情感にあふれ、繊細さも併せ持つ。
ピアノとのかけあいも心地よい。
諏訪内さんの目をぱっちりあけて楽譜を見る様子が絵になっている。ベレゾフスキーさんは、時折諏訪内さんのほうを向く。

アンコールは、なんと、5曲。お二人もだいぶ興が乗っていた雰囲気。
ベレゾフスキーさんが諏訪内さんの手を取って、その手を高くかかげることが何度かあったのが印象的だ。

良い席にしておいて、よかったと思う。






2017年6月29日木曜日

ハーゲン弦楽四重奏団 ショスタコーヴィチ ベートーヴェン 2017.6.29

★★★★★
2017.6.29
ハーゲン弦楽四重奏団
 ルーカス・ハーゲン: 1727年製ヴァイオリン「パガニーニ」
 ライナー・シュミット: 1680年製ヴァイオリン「パガニーニ」
 ヴェロニカ・ハーゲン: 1731年製ヴィオラ「パガニーニ」
 クレメンス・ハーゲン: 1736年製チェロ「パガニーニ」

●演奏曲目
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調 op.73
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 op.135
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第14番 嬰へ長調 op.142
アンコール ハイドン 弦楽四重奏曲 第78番 日の出 より 第3楽章メヌエット

会場 いずみホール 6000円 前から3列目左寄り 
   残念ながら、ビオラ演奏者が、第一ヴァイオリン演奏者に隠れて見えない席

ショスタコーヴィチの14番、多分きちんと聴いたのは初めてと思うが、原初からの音、とでもいうような、圧倒的な音楽。演奏も、素人耳には非の打ちどころがなく、素晴らしい。
ベートーヴェンの16番をさしおいて、メインの曲(というか最後の曲)になるに十分な曲だ。
特に、チェロのハイポジションの演奏が印象的だった。

ハーゲン弦楽四重奏団は、第二ヴァイオリン以外は兄弟ということだ。

2017年6月25日日曜日

プッチーニ トスカ パレルモ・マッシモ劇場 2017.6.25

★★★★★★
(通常★5個までだが、通常の★5個を凌駕しているので★6個とした。)

プッチーニ トスカ
パレルモ・マッシモ劇場

指揮 ジャンルカ・マルティネンギ
トスカ      アンジェラ・ゲオルギュー
カヴァラドッシ  マルチェッロ・ジョルダーニ
スカルピア男爵  セバスティアン・カターナ
パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団・合唱団

フェスティバルホール B席(3番目のグレード)17,500円(Sは27,500円)
           3階の最前列、真ん中に近いところ
3階の3列目くらいまでは、上を覆うものもないので、2階の後方よりも音響的にはよいのではないだろうか。

素晴らしい。歌手は超一流。オーケストラも申し分ない。これぞ本場のイタリアアオペラだ。
ただ、トスカとカヴァラドッシの二重唱で、調和していない部分があったが、これは意図的なのだろうか。
また、どうでもいいようなことだが、スカルピアがナイフで刺された時に出血がなく、カヴァラドッシが銃殺された時にも出血はなかったようだ。カヴァラドッシが拷問された後には出血が見られたが。

カーテンコールの時にゲオルギューさんが大きく手を振ったり、主役級の3人の歌手で舞台の左右に行って観客と握手もしたり。明るいサービス精神も素晴らしい。

聴衆が、まだオーケストラが演奏しているのに、強く拍手していたのが恥ずかしい。君たちは演奏はどうでもいいと思っているのか?



2017年6月20日火曜日

ジークフリート 新国立劇場 飯守泰次郎 東京交響楽団 2017.6.17

★★★★☆
2017.6.19
ジークフリート(ワーグナー)

指揮 飯守泰次郎
演出 ゲッツ・フリードリヒ

ジークフリート:ステファン・グールド
ミーメ:アンドレアス・コンラッド
さすらい人:グリア・グリムスレイ
アルベリヒ:トーマス・ガゼリ
ファフナー:クリスティアン・ヒューブナー
エルダ:クリスタ・マイヤー
ブリュンヒルデ:リカルダ・メルベート

東京交響楽団

A席 2階1列2番くらい(1列といっても、前にバルコニー席がある端の席)
   悪くはない 上に上層階があるので、音響的にはいまひとつか
   周囲の人たちの座る椅子のきしむ音が気になる。けっこう安普請だ。

さて、演奏。
歌手は一流で素晴らしい。だだし、ジークフリート役は、ぽっちゃりしたグールドさんよりも、闘士型の体形の人の方がそれらしいのにと少し思った。まあ、不満というほどではない。歌が素晴らしいので。

オーケストラは、音の乱れが時折あって、聞き苦しい。歌に集中しているときは気にならないが、楽器の音に耳を傾けると、しらーっとした気分になってしまう。何か月か前に聞いた京都市交響楽団(指揮沼尻さん)のラインの黄金の演奏が素晴らしかったのと、つい比較してしまう。
飯守さんも、いつもどおりで、私の趣味とは異なる演奏。
そのため、総合的には★4つにとどめた。

この楽劇、第1幕と、第2幕の途中までは、登場人物も少なく、しかも男性のみで、単調な気がするが、そう感じるのは私だけかな・・・ もう少し、第1幕、第2幕を短くして、総上演時間を短くすれば、楽しみやすかった気はするが、それは邪道か・・・




2017年6月12日月曜日

朝比奈隆の軌跡 ブルックナー 交響曲第8番 大阪フィルハーモニー交響楽団 2001.7.7 2017.6.10

★★★★☆
2017.6.10

[映像出演]朝比奈隆(指揮)
     大阪フィルハーモニー交響楽団
ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調
(2001年7月7日収録)

会場 ザ・シンフォニーホール

全席 2000円
I列の真ん中近く
2階、3階は閉めていたようだ。
1階の5分の2程度のお客さんか。

I列に座ることなどふつうはないので、1(いち)列だと思い、案内図を見るが、どこになるのか全く分からない。会場のお姉さんに聞くと、アイ列ですね、と丁寧に案内してくれた。

周りには、ちらほらと、気持ちよさそうに寝ている方々もおられた。

がっちりした演奏だ。当時の大フィルの水準はかなりのものだ。
が、宇宙的な響きが感じられない。
録音の問題もあるのかもしれない。
特に管楽器は、ひどい再生だ。音が硬いし、伸びない。豊かさやふくよかさがそぎ取られている。
朝比奈さんは、3分の2くらいは楽譜を注視していた。

演奏が終わり、例によってちらほらと帰宅を急ぐ人がいるが(ビデオの方)、拍手を重ねてステージ近くに集まる人たちもいる。
一つの時代だったのだと思う。






2017年5月21日日曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 井上道義 前橋汀子 ブルックナー 交響曲第9番 他 2017.5.21

ショーソン、マスネ ★★★★★
ブルックナー    ★★★★☆

指揮     井上道義
ヴァイオリン 前橋汀子
大阪フィルハーモニー交響楽団

概ね満員。
1階バルコニー席 前列10あたりだったか。時々座るお気に入りの席だ。
確か、5000円(前橋さん登場なので、奮発して一番高い席)

ショーソン:詩曲 *
マスネ:タイスの瞑想曲 *
アンコール曲
  バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より ガヴォット

ブルックナー:交響曲第9番
(*ヴァイオリン:前橋汀子)

前橋さん、黄色いドレスで登場。
前橋さんのヴァイオリンがうたうと、会場全体の空気が張りつめ、その音に否応なしに手中する。音色は硬くなく、豊か。
さすが、大御所だ。素晴らしい。
アンコールのバッハも、引き込まれていくような申し分のない演奏。

ブルックナーは、曲の歌わせ方が素晴らしく、秀演だ。この曲の第4楽章が書かれずに終わったことが、本当に残念。
終わったあとに井上さん、両腕でガッツポーズもとっていた。
ただし、1昨年頃に聴いた、児玉さん指揮の大阪交響楽団のこの曲の方が完成度が高かった気はする。

惜しむらくは、ホルン(ワーグナーチューバ)のエキストラの人と思うが、時に変わった音を出していたこと。
腹立たしいのは、曲がしっとりと終わった直後に拍手を始めた人たちがいたこと。何とかならないものか。最近、どの会場でも目に余る気がする。





2017年5月20日土曜日

京都市交響楽団 ブルックナー 交響曲第5番 高関健 2017.5.20

★★★☆☆

[指揮]高関 健(常任首席客演指揮者)
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調(原典版)

1階27の26くらい。悪くはない。全体を見渡すことができる。顔も隠れない。音も自然な感じで聞こえる。
A席4500円。

席が埋まっているのは、ざっとみて8割くらいだろうか。(2階は見えないけど)不人気曲ということだろうか。

演奏が始まって驚いた。曲が生きていない。ばらばらでまとまりがない印象だ。今日の高関さん、いったいどうしたんだろう。
そのまま3楽章まで進んだ。音のキレも悪い。ぼおっとしたかんじ。
4楽章に入り、クラリネットのソロが響くと、がぜん曲が命を持ち始めた。そしてフィナーレへ。やはり、小谷口さんは偉大だ。
最後、管と打楽器の首席が順に立った場面では、中山さんへの拍手が一番大きく聞こえた。さすがである。


2017年5月19日金曜日

大阪交響楽団 チャイコフスキー 交響曲第1番 ベートーヴェン プロメテウスの創造物 序曲 ニーノ・ロータ トロンボーン協奏曲 他

ベートーヴェン ★★★★☆
ニーノ・ロータ ★★★☆☆
チャイコフスキー ★★★★☆

[指揮]オーラ・ルードナー(ヴュルテンベルク・フィル首席指揮者)
[トロンボーン]ファブリス・ミリシェー(ミュンヘン国際コンクール優勝)
[管弦楽]大阪交響楽団

ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 op.43
ニーノ・ロータ:トロンボーン協奏曲
(アンコール・トロンボーン)ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ

チャイコフスキー:交響曲 第1番 ト短調 op.13

ザ・シンフォニーホール
1000円の席(ネット予約のみ購入可)
3回RRC7くらい 8~9割の入場者だ

ベートは、明るく軽快でほっとできる秀演だ。
ニーノは、きれいに演奏していたが、曲に深みを感じない。アンコールはよい雰囲気。
チャイは、20代の作曲だ。4、5番のような華美さはなく、深い情感が感じられる。

指揮のルードナーさんは、かなりの力量だ。曲の命を正しく表現している。ただものではない。
大阪交響楽団も、相当の潜在力を持っていると感じられる。素人にとっては耳障りな点はなく、心地よい演奏だ。例によってクラリネットの首席の音色は素晴らしい。関西では京響の小谷口さんに続く人ではないだろうか。






2017年4月29日土曜日

関西フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン ミサ・ソレムニス 飯守泰次郎 2017.4.29

★☆☆☆☆
2017.4.29
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 op.123

[指揮]飯守 泰次郎(関西フィル桂冠名誉指揮者)
[ソプラノ]澤畑 恵美
[メゾ・ソプラノ]池田 香織
[テノール]畑 儀文
[バス・バリトン]片桐 直樹
[合唱]関西フィルハーモニー合唱団
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

席 3階バルコニー 下段 ステージ中央あたり 2000円
(一番安い席)
ざっと9割以上は埋まっている。

本来荘厳な曲だが、平版に演奏していた。
合唱は、音が甘く、クリアさがない。
ソロも、テノールはよいが、ソプラノとメゾソプラノは体から声がすっと出て行っているという感じがない。バスはちょっと・・・
オーケストラも、先日都響の厚みのあるベートーヴェンとはだいぶ違う。浅いという形容があたっているか。
ヴァイオリンのソロも、音が生きていない感じだ。

飯守さんは、例によって、硬いようにみえる、独特の身のこなし。
今日のベートーヴェンといい、この前のブルックナーといい、その前のワーグナーといい、音楽が平版すぎる感じだ。

聴きたい曲だが、飯守さんなのでどうしようかと少し考えたが、行ってみることにしたのだったな。
やめておいたほうが良かったような気もする。


2017年4月23日日曜日

大阪交響楽団 寺岡清高 2017.4.13 シュミット 交響曲第2番 他

★★★★☆
2017.4.13

指揮:寺岡 清高(常任指揮者)

ブラームス:大学祝典序曲 作品80        
ロベルト・フックス :セレナーデ 第3番 ホ短調 作品21
フランツ・シュミット:交響曲 第2番 変ホ長調

寺岡さんが、プレトークでシュミットについていろいろ語ってくれたが、残念ながら、忘れてしまった・・・   すぐ書くべきだ!

寺岡さんがただ者ではないことがわかり、
シュミットがあなどれないひとだということがわかり、
演奏の水準もよく、
心地よい演奏会だった、ということでいいかな・・・


東京都交響楽団 アラン・ギルバート ベートーヴェン 交響曲第3番 他 2017.4.23

★★★★★★
★5個が通常の名演だが、これを凌駕したので★6個とした。

2017.4.23

東京都交響楽団 大阪特別公演
開演/14:00
指揮/アラン・ギルバート
ピアノ/イノン・バルナタン
管弦楽/東京都交響楽団
曲目/ベートーヴェン:劇付随音楽《エグモント》序曲 op.84
   ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
   ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 op.55

当日券あり。しかし、見える範囲はほぼ満席。
3回の最前列真ん中あたり。
音響的にもかなり良い席だと思う。
4300円。(2番目の値段。一番高いところは5800円)

エグモントから、驚きだ。音の厚み。繊細さ。重厚さ。オケ全体で一つの生物といった感じだ。
やはり、N響と都響は、日本のオーケストラの中では、抜きんでているのではないか。
ホルンの有馬順春さんがとてもよい。
コンマスでもある四坊さんが、陪席にいたね。層が厚い。
指揮のギルバートさんも、超弩級とでもいうか、繊細さも備えていて、驚くべき人だ。
ただ、ティンパニは、京響の中山航介さんのほうが、キレがあっていいな。クラリネットも、京響の小谷口直子さんの音色のほうが好みだ。(いずれも都響もよい音をならしていたが)

バルナタンさんも、素晴らしい。
オーケストラが一つの生物のようであり、それにもう一つの生物が調和して加わっているといえるか。

「英雄」も、申し分ない。(4楽章の冒頭、もう少しキレがあるほうが好みではあるが。3~4年前に聴いたポンマー指揮(京響)のくそのようなひどい演奏をつい思い出してしまった・・・(オケは悪くないが、指揮がひどかったという印象)それにしても、同じ曲なのにこれほどまでに違うとは・・・

聴衆の拍手がひどい。3曲とも曲が終わる前から拍手が鳴り響いていた。そのせいでピアノのアンコールがなかったという説もあったりするし・・・(東京での同プログラムの際にはバッハをやってくれたらしい)







2017年3月25日土曜日

京都市交響楽団 広上淳一 マーラー 交響曲第8番 2017.3.25

★★★★★★★★
(通常★5個までだが、通常の5個を大きく凌駕しているので8個とした)
2017.3.25
マーラー:交響曲第8番変ホ長調

会場名:京都コンサートホール・大ホール
出演者:広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
髙橋絵理(ソプラノ)【ソリスト変更!】、田崎 尚美(ソプラノ)【ソリスト変更!】、石橋 栄実(ソプラノ)、
清水 華澄(メゾソプラノ)、富岡 明子(メゾソプラノ)、
福井 敬(テノール)【ソリスト変更!】、小森 輝彦(バリトン)、ジョン・ハオ(バス)

京響コーラス、京都市少年合唱団 ほか

3月25日、26日の2回公演で、両日ともに即日完売。仕事から帰ってネットで購入しようとしたが、京コン、ぴあ、その他いくつか探したが、どこも、まさかの売り切れ。
売り切れとは考えてもみなかったので、深い嘆きに沈んだ。
しかし、運よく招待券をもらえたので、無事聴きに行くことができた。
席は2階L2 60くらいだったと思う。

完売とはいうものの、例によって、ところどころに空席。来ないのは法人会員とか招待券の人だろうか?

驚くばかりの名演だ。
このような感動に満ちた演奏会は初めて。招待券をいただけたことに感謝。

広上さんは、いつも以上に体を動かし、時には飛び上がり、音を引き出す。
京響も乱れることなくそれに応える。ソリストも。そして、合唱も。
1楽章は力で押し切ったという感もなくはないが、2楽章の繊細な始まり。そして、圧倒的な、天上につながるようなフィナーレ。
パイプオルガンの前で歌うソプラノ3の石橋さん。出演は短時間だが、最も大きな輝きだ。ベージュ系のドレスが良く合っている。
金管の響きも格別だった。やはり、金管が天上界へとつながる。
小谷口直子さんはブログでこの曲を好きになりたいと書いていた気がするが、この日までに、きっと、好きになっていたのだろう。クラリネットもとてもよかった。

京響は、先日のびわ湖でのラインの黄金といい、今回の演奏といい、絶頂期を迎えているようだ。
それと、日本にも素晴らしい歌手が少なくないことも実感できた。

蛇足だが、演奏を終えた直後の大声ブラボーはやめてほしい。余韻が台無しだ。


2017年3月20日月曜日

セステット・ヴォーカル 2017.3.20

★★★★☆
セステット・ヴォーカル (SESTETTO VOCALE)
2017.3.20

無鄰菴に入ると、洋館でたまたまコンサートがあるということなので、聴いてみた。

管理者が、京都市直営から、指定管理者の管理にかわったということで、そのためか、洋館の1階にあった展示物が撤去され(どこに保管となったかは知らない)、広い空間が生まれた。ここでのコンサートは、今回が初めての試みということだ。
椅子が30弱くらいで満席、立ち見が10人くらいだろうか。会場の大きさからいうと、盛況だ。

セステット・ヴォーカルは、イタリアルネサンス音楽の中のマドリガーレという音楽を専門に歌う声楽アンサンブル(アルト・テノール・バリトン・バスの計4人)
伴奏なしで、3~4人で歌う。アルトの存在感が大きい。
これまで聴いた記憶はないが、明るく、心地よい響きの音楽だ。(30分余りで終了)歌もしっかりしていた。

アルト  かのうよしこ
テノール 中村康紀
バリトン 辻康介(主宰)
バス   岡部大輔



カルメン 小澤征爾 他 2017.3.20

★★★★★★(★5個を凌駕しているので★6個にした)

2017.3.20

ビゼー 
歌劇 カルメン

出演

音楽監督・指揮:小澤征爾
指揮: 村上寿昭
(※指揮は小澤征爾、村上寿昭の2 名により振り分け)

管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団
児童合唱:京都市少年合唱団

カルメン: サンドラ・ピクス・エディ
ドン・ホセ:チャド・シェルトン
ミカエラ:ケイトリン・リンチ
エスカミーリョ:サシャ・ディハニアン
メルセデス:アレクサンドラ・ロドリック
ズニガ:河野鉄平
モラレス:タイラー・ダンカン
ダンカイロ: 町英和
レメンダード: 大槻孝志

会場 ロームシアター京都
B席 17000円(S席は25000円)
1階 R2 20 くらい
このあたりの席が最も良いのではないか。舞台から比較的近い。音響もよい。もう少し前に行くと、舞台に対して斜め方向になりすぎる。
ただし、L席の方が、ビット内の金管、木管の奏者をよく見れるので、よりよいかもしれない。

小澤さん指揮の、どっしりとしたつくりの序曲で始まった。
歌といい、演奏といい、申し分ない。
とりわけ、カルメン役のサンドラ・ピクス・エディさんは、素晴らしい。うっとりする声だ。余人の追随を許さないのではないか。
オーケストラも、水準の高さに驚く。ふと、京都大学交響楽団の演奏を想起した。この舞台にかけるという魂がこもっていた気がする。
ただ、男性4人、女性4人(くらい)のフラメンコがうまくシンクロしていなかったことが若干気になった。
ストーリーはストーカー殺人で、あまり楽しい話ではない。曲は確かに素晴らしいが、この歌劇が長年にわたって人気を博しているということは、多くの人はストーカー殺人への憧れを抱いているということだろうか・・・

指揮は、お二人が半分くらいずつだ。小澤さんは、ずっと座っていた様子だ(はっきり見えないので断言を避ける)。終演後舞台に上がった時は、背筋は伸ばせず(肩のあたりがまるまっている)、歩き方もしっかりとはしていなかったが、存在感はあった。お顔を拝見すると、やはり、かなりお年を感じた。今後も末永く活躍を続けてほしいと切に思う。






2017年3月15日水曜日

読売日本交響楽団 下野竜也 アレクサンドラ・スム モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番 ブルックナー 交響曲第7番 

★★★★★
2017.3.9

読売日本交響楽団 第16回 大阪定期演奏会  
開演/19:00
指揮/下野竜也
ヴァイオリン/アレクサンドラ・スム
曲目/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番

   ブルックナー:交響曲 第7番

アンコール/イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番 第4楽章

料金/S 6,100円 A 5,100円 B 4,100円 BOX 8,500円

2階前から2列目左寄り s席だが、年間会員(といっても3回)で、1回あたり5000円くらいだったと思う。
(2日前に1階27列目で聴いたが、今日の席の方が、音の聞こえ方はかなり良いように思えた。)

モーツァルト
こじんまりとした感じの演奏。
スムさんの体をダイナミックに動かす弾き方と、時々目を合わせるスムさんと下野さんの姿が印象的だ。
アンコールのイザイでは、弾き方はダイナミック、音も、生き生きとダイナミック。心を揺さぶる演奏だ。モーツァルトよりもずっとよい。イザイの方が、スムさんに合っているのではないか。

ブルックナー
さすがは下野さん。心を引きつけ、とらえるような演奏だ。私の好きな宇宙的な響きも聞こえてきた。
迫力十分。素人にわかるような目立った乱れもない。
以前東京で聴いたこの楽団の同じ曲(指揮はカンブルランさん)よりもかなり良い。



大阪フィルハーモニー交響楽団 角田鋼亮 ドボルザーク 交響曲第9番 他

★★★★☆
2017.3.7

スターウォーズ のテーマ
ハンガリー舞曲第5番 ブラームス
新世界交響曲     ドヴォルザーク

アンコール1曲目 エルガー 威風堂々
     2曲目 不明

指揮 角田鋼亮
大阪フィルハーモニー交響楽団

大フィルの防災コンサート。
無料。
1階27列左の方

スターウォーズは、広がりを感じさせる演奏で、さすがは大フィル+角田さんの演奏だ。
ハンガリー舞曲は、指揮者体験コーナーで、3人が舞台に上がった。指揮が不安定なせいでか、一部うまく揃わない。京響の指揮者体験の時はちゃんとそろっていたけど・・・

新世界交響曲は、端正な秀演だ。きれいな音をうまく引き出している。
威風堂々も、実際に威風堂々としたかんじで、なかなかよい。

アンコール2曲目が始まった直後に、直下型地震が発生したとのアナウンス。席にいるようお姉さんがたが、呼びかけていた。防災訓練をきちんとできるように、かなり練習していたのだろう。大フィルの打楽器群も、ノリノリで災害の雰囲気を作っていた。
3階、2階、1階の順に避難。
きちんと救護隊も用意していた。
階段で外に出たところで、終了となった。




2017年3月4日土曜日

ラインの黄金 沼尻竜典 京都市交響楽団 ほか

★★★★★
2017.3.4
ワーグナー
ラインの黄金
指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演 出:ミヒャエル・ハンペ
装置・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ
管弦楽:京都市交響楽団
出演
ヴォータン:ロッド・ギルフリー
ドンナー:ヴィタリ・ユシュマノフ
フロー:村上敏明
ローゲ:西村 悟
ファゾルト:デニス・ビシュニャ
ファフナー:斉木健詞
アルベリヒ:カルステン・メーヴェス
ミーメ:与儀 巧
フリッカ:小山由美
フライア:砂川涼子
エルダ:竹本節子
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:小野和歌子
フロスヒルデ:梅津貴子
びわ湖ホール
3階5列目くらい 左寄り 
会員価格10000(一般11000)
売り切れというが、ちらほらと空席あり。
一番高いのはSS20000(会員19000)
Sは16000

満足度の高い演奏会だった。

CGと歌手の実物が混然一体化している演出。感心する。
歌手もなかなかよいが、昨年だったか一昨年だったかに行った新国立劇場の歌手の方が、ワンランク上の歌を歌っていた。声の量や質、そして歌いまわし。

オーケストラは、今日の京響の方がワンランク上。沼尻さんの指揮が、飯守さんよりもかなり良いというのもあるだろう。演奏が劇と一体となっており、素晴らしい。
ビットに入っているので、顔やらほとんど見えないのが残念。

楽劇総体としては、今日のびわ湖の方が一歩上だろう。沼尻さんと京響のおかげだ。

2人の巨人、どうしてあんなに大きいのだろうと思っていると、カーテンコールの時に、謎が解けた。下に脚役の人が一人。肩車かなにかで、上に歌手。(しかし、長い時間立ちずめなので、下の人、かなり大変だったのではないか。また、巨人が倒れるシーン、けがなしに倒れるのはそう簡単ではないのだろうな。)

3人の人魚とフライアは、シースルーの衣装で、乳首が透けていた(と思う。まさか衣装に乳首を書いてないよね)。歌手さんもたいへんだ。といっても、オペラ歌手は、歌手兼俳優なので、それも織り込み済みか。

この劇場は、シートがゆったりしていてとても良い。


2017年2月25日土曜日

関西フィルハーモニー管弦楽団 プロコフィエフ 交響曲第5番 他 2017.2.24

★★★★★
2017.2.24

[指揮]ピエール・カルロ・オリツィオ
[ピアノ]ルーカス・ゲニューシャス
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

ベッリーニ:歌劇「ノルマ」序曲
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 op.100

C席 2,000円(高いのはA席6,000円)
3階Cバルコニー席
C席でも満足できるのに、なぜ6,000円払う人がたくさんいるのだろうか?
7~8割しか席は埋まってない。これ以上のものはないというほどのプログラムなのに、なぜ?(まあ、プログラムに魅力を感じなかった人が多いということなのだろうけれど・・・)

オリツィオさんは、きびきびとメリハリがきき、情緒も歌いあげる。
ノルマ序曲は堪能できた。ノルマを見たいと感じさせる演奏だ。
ただし、残念ながら、繊細さが今一つだ。

ラフマニフ
ゲニューシャスさんのピアノは、音を並べているだけという印象。魂が伝わらない。音色の美しさも広がらない。曲はいいけど。

プロコフィエフ
素晴らしい。オリツィオさんは、この曲にいれこんでいるのだろうな、という指揮ぶりだ。
オーケストラも、よく指揮についていっていた。ノルマ序曲同様繊細さに満足はできないが、演奏は堪能できた。
しかし、昨年だったか一昨年だったかに聴いた京都大学交響楽団の演奏の方が、魂がこもっていて、素晴らしいと感じた。






2017年2月18日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 井上道義 ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 交響曲第12番 2017.2.17

第11番★★★★☆
第12番★★★★★

2017年2月17日(金) 
19:00開演(18:00開場)

第505回定期演奏会
フェスティバルホール

指揮:井上道義

ほぼ満席。2階の最後列、真ん中付近。
特に問題のない席だ。

ショスタコーヴィチ/交響曲第11番 ト短調 「1905年」作品103
ショスタコーヴィチ/交響曲第12番 ニ短調 「1917年」作品112

井上さんは、「フェスティバルホールにはショスタコが似合います。」と書いておられるが、確かに似合う。
井上さんは、音楽監督を、2年契約が満了したということで、降りるということだ。
しかし、井上さん以外に、このオーケストラを生き生きと鳴らすことができる人がいるのだろうか?
延長しなかったのは、楽団経営者やら楽団員やらとのあつれき? 井上さんが他のことをやりたかった?

井上さんは楽譜を置くが、譜面はほとんど見ずに「自動的」? に譜面をめくる。
タクトなし。動きは大きい。

第11番
完璧かと思うような始まり。
全体的には素晴らしい。さすがミッチーさんだ。
しかし、途中、トランペット3rdが素人にも分かるように乱れたり、管の音がそろわなかったりで、少し興ざめ。
トランペット1st(篠﨑 孝さんだろうか)、 ホルン1st(藤原 雄一さんだろうか)は、申し分ない。

第12番
こちらは、素晴らしい。
曲の神髄をつかんで取り出すような井上さんは、やはりただ者ではない。
ホルンの1st は高橋さんに替わり、トランペットの1stは秋月さん?に替わっていた。






2017年2月1日水曜日

関西学院大学交響楽団 チャイコフスキー 交響曲第4番 他 2017.1.29

★★★★☆

2017.1.29

関西学院交響楽団 
(ざっと見た感じでは、弦は8割が女性、管は9割が女性か。)

学生指揮  金田京美(メンデルスゾーン)
客演指揮  新通英洋(グノー、チャイコフスキー)

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」op.26

グノー:歌劇「ファウスト」より バレエ音楽

チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調op.36

4階を除けば、8割余りは入場していたように見えた。大したものだ。

演奏に気持ちが入り込んでいて、それが伝わってくる秀演だ。
学生さんのエネルギーがほとばしる。
指揮者の曲作りも悪くないが、動きが派手で、曲に合わせて踊っているかのように見えもする。

チャイコフスキーでは、オーボエがしっかりし、ファゴットもいい音を鳴らしていた。弦は甘く、ホルンは時に異音が聞こえ(難しい楽器なので、特に不快感はない。1stの学生さんは難しそうなところでうまく音を出していた。)、クラリネットも時に音がまっすぐに出ていない(良い時の音色は深みも感じ、申し分ないのだが)。しかし、気になるほどのものではない。それを補ってなお余りある演奏だ。
曲作りも悪くはない。学生さんのエネルギーがほとばしる。

こうした活動をやってきた学生さんたちに、うらやましさも感じてしまう。



チョン・キョン・ファ バッハ 無伴奏ソナタ・パルティータ 2017.1.25

★★★★★

2017.1.25

ヴァイオリン:チョン・キョンファ

J.S.バッハ:ソナタ 第1番 ト短調 BWV.1001
      パルティータ 第1番 ロ短調 BWV.1002
      ソナタ 第2番 イ短調 BWV.1003
      パルティータ 第2番 ニ短調 BWV.1004
      ソナタ 第3番 ハ長調 BWV.1005
      パルティータ 第3番 ホ長調 BWV.1006

ザ・シンフォニーホール

A席 7,000円 (高いのはS席10,000円)
2階バルコニーステージのやや前
1階は9割くらい入っていたが、2階は7割くらい、2階バルコニーは3割くらいと淋しい。

最初、マイクを持ってステージに上がった。ドレスは白。
顔だけみると、そのへんにいそうな普通のおばちゃんだ。

そして、聞き取りやすい英語で、
「以前のマネージャーが亡くなったという知らせを、昨日、受けた。
今日の演奏はその人に捧げる。」と話し、演奏を這始めた。

最初の音色に驚く。
けがれを清めるような音色だ。
途中、余分な弦の音が時折聞こえはしたが、透明感を持つ演奏で、時には芳醇にも響く。

少し前に聞いたヒラリーさんのソナタ第3番の方が好みではあるが(ダイナミックで、音が輝く。技術的にも上のような気がする。)、キョンファさんも、また、よい。

終演後は、自らステージの前に行き、何人かのお客さんと握手をしていた。かなり気さくだ。

キョンファさんにとっても、今日は特別な演奏会となっただろう。








2017年1月29日日曜日

ベルリンフィル八重奏団 シューベルト 八重奏曲他 2017.1.28

★★★★☆

2017.1.28

ベルリンフィル八重奏団

第1ヴァイオリン   樫本大進
第2ヴァイオリン   ロマーノ・トマシーニ
ヴィオラ        アミハイ・グロス
チェロ         クリストフ・イゲルブリンク
コントラバス      エスコ・ライネ
クラリネット      ヴェンツェル・フックス
ホルン         シュテファン・ドール
ファゴット        モル・ビロン

ニールセン:軽快なセレナード(クラリネット、ファゴット、ホルン、チェロ、コントラバスによる五重奏)

ドヴォルザーク:5つのバガテル op.47(ウルフ・グィド・シェーファー編/ベルリン・フィル八重奏団のための編曲)

シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 op.166, D803

兵庫県芸術文化センター 大ホール

A席(一番高い席) 6000円

大勢を収容できるこのホールがほぼ満席。たいしたものだ。


オールスターの演奏、といったかんじだ。
精緻で、かつ、楽しいところは楽しく構築。
ストレスなく聞けるのはうれしい。
とりわけ、フックスさんのクラリネットは、深く、かつ軽快だ。素晴らしい。
いちばん愛想が良いのは、ドールさん(もちろん上手い)。あのにこやかな表情は天性のものなのだろう。

ただし、シューベルトは冗長な気がした。約60分。半分くらいの長さにすればよかったのに・・・