2015年3月1日日曜日

フィルハーモニア管弦楽団 エサ=ペッカ・サロネン ヒラリー・ハーン 西宮 シベリウス 交響曲第5番 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 他 2015.3.1

評価 ★★★★★★ 6個)(5個で最高だが、それを凌駕しているので6個とした)

2015.3.1

指揮 エサ=ペッカ・サロネン
ヴァイオリン ヒラリー・ハーン
管弦楽 フィルハーモニア管弦楽団

シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

アンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より ジーグ

シベリウス:交響曲 第5番

アンコール シベリウス 悲しきワルツ

会場 兵庫芸文センター

席 1階バルコニー RA6 15,000円(≒京響5回分)(A席;一番高い席)
ヒラリーさんを近くできちんと見ることができる席を、と思って奮発したが、4分の1くらいはサロネンさんにかくれてしまった。RA1、2あたりか、RA10以降かなら、そのようなことはなかったような。残念。

満席

フィンランディア、冒頭から圧倒される。トロンボーン、そしてティンパニ。確固とした響き。
それから先も、いいようもなく美しい、魂がこもった演奏。金管も、全く危なげがない。涙が出そうなほど。勇気をもらうような演奏。

ブラームス。ヒラリーさんは、音色がいい。透明感があったり、艶やかさがあったり、がっちり感もあったりで、素晴らしい。去年のシベリウス(同じ会場。ネルソンスさんとバーミングハム市交響楽団)のときの方が、がっちり感は強かったような。去年の方がステップがかっこよっかった。まあ、曲の個性が違うということか。(オケは、バーミングハムよりも、フィルハーモニアの方が圧倒的に良い。)ヒラリーさんは、意外と、サロネンさんの方を見ること多かったな。
アンコールのバッハも、音色、音の表情、曲のつくり方など、素晴らしい。うっとりできる。
終った後は、サロネンさんと、ヒラリーさんと、右に左にと抱き合っていた。キスはなし。

そして、シベリウス交響曲第5番。曲が始まった時、指揮者とオーケストラが、一つの有機体(生物)になったかのような印象を受けた。まことの魂のある音楽。
がっちりとした感じではじまり、1楽章の最後の方はかなり早く、サロネンさんは、髪を振り乱す(といっても長髪ではない)とでもいった風に、激しく指揮。2楽章で、テンポは緩くなるが、眠気を感じさせず、時間はあっという間に過ぎる。フィナーレも圧倒的。
日本の(関西の)オケだと、トロンボーンやホルンの出だしのそろい方やら外したことやら気になるが、そんな不安はなく、音楽に集中できる。これが、世界水準。
癌の恐れのなかで4番を作曲し、癌の不安を払拭した後にこの5番を作曲したという。フィンランディアにも似た、未来に向かった音楽。

サロネンさんは、楽譜をおいているが、ほとんど見ない。腕だけが楽譜に伸びて、ページをめくる。(DVDで見た、バーンスタインさんが楽譜を置いてるときのような感じ。)長身ではないように見えるが、動きは大きくしなやかで、大きな音楽をしっかりとした枠組みで、時に枠を超え、つくっている。
1stヴァイオリンの方を向くことがわりと多かった。残念ながら、こちらの方(コントラバスとチェロ)は、時たま向くという程度だが、時に微笑みもあったりもする。
アンコールの後、団員に投げキッスし、最後に聴衆へと投げキッスし、舞台を去った。かっこいい。

ヒラリーさんは、今回も、演奏会のあと、気さくにサイン会。会場を出たのは早いほうかと思ったが、すでにけっこうな列。サインのあと、一人ひとりに素晴らしい笑顔もプレゼント。たいした人だ。Thank you very much. しか言わなかったのが少しさびしいが、次に機会があれば、ひとこと加えよう。ドレスはベージュ。床には着かないロングドレスで、足元に少しスリットが入っている。去年もそうだった気がするが、おなかがすこしぷっくりかな。まあ、管楽器のような複式呼吸がないからか。

オーケストラには、アジア系の人が意外にすくなく、ざっとみて3~4人か。
アフリカ系の人が、2人か。ティンパニストにも一人。上手い。
木管、金管、弦が絶妙に調和している。金管はすばらしく、オーボエもとてもよい。フィンランディアのあとは、サロネンさんが、オーボエの1stの人に立つよう合図していた。
金管は、日本のオーケストラとの差が大きいな。日本のオーケストラもオーディションして、世界中から集められないのかな。

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