2015年3月29日日曜日

京都市交響楽団 高関健 滝千春 ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番 2015.3.29

評価 ★★★★☆

京都市交響楽団 第588回定期演奏会 
2015.3.29 (日曜)

指揮      高関 健(常任首席客演指揮者)
ヴァイオリン 滝 千春

モーツァルト    :ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調「トルコ風」 K.219
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調op.65

席 3階 RB2-7

完売ということだが、例によって、席が埋まっているのは9割程度
打楽器が、向かって右側の配置となって、席から見えないのが残念。かわりにコントラバスが後ろで、よく見えて、音もよく響くかんじだ。

京都コンサートホールの会員更新手続きで少し時間がかかり、ホールに入ると、高関さんのプレトークが始まっていた。最初の方を聞き逃し、残念。8番は、5番を発展させた内省的な音楽と言っていたような気もするが、記憶は定かではない。(8番は戦争の負の面を描こうともしていると理解しているが、正しいかな?)

モーツァルト
なかなか良い。滝さんのヴァイオリン。少し音色が硬い(特に高音)印象で、ときに聞こえるべきと感じた音符がきちんと聞こえないこともあるにはあったが、また、力強さももう少しほしいとも思ったが、許容範囲。写真の印象が実際に見たときの印象とがあまり違わないものよい。ドレスは、グレー地に紫と赤の模様。シンプルではない。
高関さんは、タクトを持たずに指揮。背をまるめて半分くらいは下(楽譜の方向だろうな)を見ているので、あまりかっこうはよくない。
なんにせよ、昨日(名古屋の「子どもと魔法」)の疲れが癒された。

ショスタコーヴィチ
かなり良い。緊迫感や重々しさもうまく出ている。クラリネットが素晴らしい。3楽章の叫びとか、終楽章のソロとか、かなり良かった。いつもながら、木管はいいね。金管は若干「?」もあったが。トランペットソロで上手く音が出なかったところもあったような・・・  
高関さんは、音楽をきちんとつかんで演奏している。(私は勝手に気分を高揚させて戦争に行っても、結果はうれしいものではない、というかんじがうまく出ている、と思っているが。)
高関さんは、タクトを持って登場。ここでも半分程度は下の方を見ている。背は丸めている。しかし、2楽章で、目線をあげて振ったときは、とても感じがよかった。いつもそんな感じでやればいいに。

5個の「名演」には、あとちょっとという印象なので、4つにしたが、素晴らしい演奏だった。
植物園に面した通路から見た梅?

同じく、桜

雨降り

2015年3月28日土曜日

小澤征爾音楽塾 オペラ ラヴェル 子どもと魔法 ベートーヴェン 交響曲第2番 2015.3.28

評価  ベートーヴェン 交響曲第2番 ★★☆☆☆
     ラヴェル オペラ 子どもと魔法 ★★★☆☆

日時 2015年3月28日 午後2時~

音楽監督・指揮(ラヴェル) 小澤征爾
指揮(ベートーヴェン)   ナタリー・シュトゥッツマン
演出               デイヴィッド・ニース
管弦楽            小澤征爾音楽塾オーケストラ
子ども               エミリー・フォンズ

会場              愛知県芸術劇場大ホール


5階 前から4列目27
かなり見にくい。しかも、前の人が何人か前のめりになって、かなり視界がさえぎられた。
C席10,000円だったが、もっといい席にすべきだった。(ロイヤルオペラ、安い席にしたが、大丈夫か?)
指揮ぶりが見えると宣伝にあったが、この席からだと全く見えない。最低。見えない席だと明記してほしい。
客は、ほぼ満員のようだ。(全体を見渡せていないが)

交響曲の演奏の途中で入ってくる人がいたりと、職員がきちんと客を管理できていない。前のめりにならないようかるく注意はしているが、「安全のため」などと言っている。ちゃんと個別に、後ろの人が迷惑だといって注意すべき。

さて、ベートーヴェン。
よくトレーニングして、演奏しているな、と感じたが、それだけ。(あまりに離れているのでちゃんと聴けてないのかもしれないが。)音符や強弱記号の羅列。途中で演奏者が替わっていたな。まあ、塾生なので、それぞれ経験を積んでということか。

ラヴェル。
主だった歌手は、わりと良い。先日の後宮からの逃走よりも良い。
演奏にも、生気が加わった。
ただ、ストーリーがいまひとつだ。
主人公が、中途半端な感じ。自由にやりたいというなら、徹底してみてほしい。
小澤さんは、カーテンコールの時見たのみ。笑顔が良いが、背筋が伸びないのは、もう80歳という肉体の限界なのだろうか。

席が良かったら、が増えていたかもしれない。


終了後、午後5時すぎの水の宇宙船下。今日から桜も咲き出した。






名古屋フィルハーモニー交響楽団 下野竜也 ブルックナー 交響曲第1番 他 2015.3.27

評価 ★★★☆☆

名古屋フィルハーモニー交響楽団 第422回 定期演奏会 2015.3.27


曲 松村禎三 交響曲第1番
   ブルックナー 交響曲第1番

指揮  下野竜也

会場 愛知県芸術劇場 コンサートホール
席 P2 67

料金 4,100円(6,200~3,100円)

6割くらいの入りか。3階はガラガラ。1列分プラスアルファ程度。
京響名古屋公演の方が、お客さんは多かったな。
寂しい限りだ。
名古屋近辺のクラシックファンの人は少ないということだろう。それにしては、ブラボーおじさんがやたら多い気がした。

名フィルの演奏会は、昨年2月に続き2度目。昨年のブルックナーがあまりにひどかったので、その後は聴かず。しかし、ひどいオケというイメージが残るのもよくないかと思い、2度目のブルックナーの演奏会に行くことにした。
結果、幸いなことに、ひどいオケというイメージは払拭された。

睡眠不足が続き、しかも仕事の後という、最悪のコンディション。

下野さんは、小柄でずんぐりした体格だが、指揮のスケールは大きい。頭頂あたりの頭髪がさびしくなってきていることに、はじめて気づいた。
楽譜を置いているが、ほとんど見ず、ページめくりのときがくると、楽譜に手が伸びて楽譜をめくる、というサロネンさんのようなやり方。これが、指揮の王道のような気がする。前を向いているから背筋が伸びて、大きく見える。


松村さんの交響曲第1番。はじめて聴く(たぶん)l。嫌な感じの曲ではないが、「これって何?」といった感想を持つ曲。雅楽の雰囲気を取り入れている感じかな。オーケストラって、こんな音もでるんだ、とう感心した。しかし、2楽章になると、時々眠気に誘われる。大きな音が鳴ると、目が覚めるので、すこしうとうとした程度だろう。


ブルックナー。演奏は、まずまず。1年前に聴いた、このオケのブルックナー4番に強い失望感を持ったが、その時と較べると、かなり進歩している。前回外しまくっていたホルンの首席さんも、素人にわかるようには外していない。音色もかなりきれいだ。感心。(4番ほどホルンが目立つ曲ではないが。)ただし、第2楽章のような緩徐楽章では、金管の音の出だしがずれていたり、アンサンブルがいまひとつなのがはっきりしたが、全体的には、悪くはない。もっとも、緩急や強弱はあったものの、宇宙的な響きや、時に心をえぐるような緊張感は、ない。クラリネットの首席さん、音色はよいが、ちょっと雑な感じがした。
下野さんの音楽つくりには、好感が持てる。


愛知県芸術劇場前の水の宇宙船。
今日は白。以前見た、青の方が迫力を感じる


2015年3月23日月曜日

後宮からの逃走 現田茂夫指揮  佐藤美恵子 錦織健 市原愛 高柳圭 ほか 2015.3.22

2015.3.22

モーツァルト 後宮からの逃走

評価★★★☆☆

十川稔 (演出)
現田茂夫 (音楽監督・指揮)

ザ・カレッジオペラハウス管弦楽団

佐藤美枝子 (コンスタンツェ役)
錦織健 (ベルモンテ役)
市原愛 (ブロンデ役)
高柳圭 (ペドリロ役)
志村文彦 (オスミン役)
池田直樹 (太守役)


場所 フェスティバルホール

席  2階 前から1列目 右の方48 見やすい
S 11,000円

かなり空席。2階は1列プラスアルファ程度しかいない。
1階は、よく見えないが、8~9割?
3階はひょっとして、かなり入っていたかも(お値段の関係)。見えなかったけど。

夏の佐渡さんのオペラは、多分、毎回ほぼ満席なのだろうが、それと比べるとさびしい。

このホール、足の前のスペースが、あまり広くない。芸文くらいのスペースがあればいいのに。新国立劇場よりは広い感じ。


オペラは、歌が快感として聞こえてこないといけないが、それが、ない。
佐藤美枝子さんの声は、厚みというか、豊かさがない。特に、高音は、細く、ふくよかさがない。
高柳圭さんは、これがオペラ歌手? という声。力強さが感じられない。厚みもない。演技力はあるけど。
有名らしい錦織さんも、もう一歩だ。

台詞が日本語となっているのは、よくも悪くもない。分かりやすいといえば分かりやすいが。変にうけを狙った言葉もあり、違和感を感じる。(もっとも、モーツァルトが作曲した当時も、うけをねらったギャグ的な言い方をしていたのかもしれないが。)

最後の方の、復讐しても憎しみのサイクルを繰り返すだけ。赦すということをやっていかないと争いは終らない、という意味合いの台詞は、今風で、心に響く。

オーケストラは、無難。
現田さんは、歌が終るごとに拍手してたな。

楽しめたといえば楽しめたので、よしとしよう。ちょっと高いけど。



2015年3月21日土曜日

ベルリン放送交響楽団 マレク・ヤノフスキ ブルックナー 交響曲第8番 西宮公演 2015.3.21

評価 ★★★★★5個が最高)

2015.3.21

指揮 マレク・ヤノフスキ
演奏 ベルリン放送交響楽団

曲  ブルックナー 交響曲第8番 ハ短調

会場 兵庫県立芸術文化センター

席 3階 3C53

C席 6,000円 (一番高いのは A 12,000)

海外オーケストラとしては、安めの設定。まあ、ネームヴァリューがもうひとつということか。でも、シャイーさんとのブルックナーとの録音とか、かなり良いと思うが。

久しぶりの最前列ではない席。しかし、端の方なので、前の人と互い違いになっていて、あまり気にならない。また、全体が見渡せてけっこうよい。足元も気にならないスペースがある。
この位置、けっこうお勧めかも。お値段も良心的。

席は、ざっと9割くらいの入りか。

ヤノフスキさんは、暗譜。動きは激しくないが、存在感がある。

演奏は、やはり、日本の(というか関西の)オーケストラとは、質と次元が違う感じ。
(最近聞いた関西フィル、少し前に聞いた大フィルとは比較にならない。2年くらい前だったかに聞いた京響・井上コンビはかなりよく、比較できるが、今日のベルリン放響さんの方がいいな。)

どっしりとした枠組みの中で、時に快活に、時にしんみりと。心を動かすようなテンポ。

時に、弦のえぐるような感じとか、芳醇で甘い香りとか。
クラリネット(男性、白いテンプルのメガネ)が、これまで聴いたことがないような、太く、優しい音色。こんな音を出せる楽器だったんだ。
オーボエ(女性)がうっとりするように体を揺らせて心地よい音色で吹いていた。オーボエのベルアップも印象的。
金管もかなり良い。ホルンはホルンらしい音色で、外すこともなく。トランペットの輝きが素晴らしい。トロンボーンも安定してた。

3、4楽章で、ホルン(ワーグナーチューバ)の入りが粗雑で細やかさに欠けるところが4回くらいあったが、あとは申し分なし。
ブルックナーは、こうでないと。

演奏後、ヤノフスキさんは、表情をゆるめず。演奏者を立たせることもなく。かたい人?

2015年3月15日日曜日

兵庫芸術文化管弦楽団(PACオーケストラ) ガエタノ・デスピノーサ  リーズ・ドゥ・ラ・サール ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 シベリウス 交響曲第2番 2015.3.14

評価 ラフマニノフ ★★★★★
    シベリウス  ★★★★☆

兵庫芸術文化センター管弦楽団 第77回定期演奏会 2015.3.14

指揮   ガエタノ・デスピノーサ
ピアノ   リーズ・ドゥ・ラ・サール

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30
アンコール  JSバッハ 主イエス・キリスト、われ、汝を呼ぶ

シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 op.43
アンコール デスピノーサ アンダンテ・フォー・ドミートリ(ショスタコーヴィチへのオマージュ)

会場 兵庫県立芸術文化センター


席   2階 A24  4,000円

     完売ということだが、少し空席あり

ラフマニノフ。
ややゆったりと始まる。最初から、ピアノに魅了される。音色がやさしく、かつ広がりもあり、時に輝く。情緒がうまく音色に現れている。荒削りな感はあるが、素晴らしい。(途中、不協和音でないはずのように思っていたところに不協和音が聞こえたり、旋律よりも伴奏の方が強く聞こえたりしたが、それはそれ。) リーズさんは、ロリン・マゼールさんやら、ビシュコフさんやらとも共演しているというが、伊達ではない。

終った後、デスピノーサさんとサールさんは抱き合って、デスピノーサさんは左右の頬にキスしていた。欧米では当たり前の風景なんだろうな。

シベリウス。
デスピノーサさんの指揮は、大自然からとも感じられる響きや、躍動感、情感を引き出し、素晴らしい。オーケストラが十分指揮に応えていれば、名演だったろうに、惜しまれる。最後近くのホルンがかけあう聞かせどころで外したので(トップのヘントンさんは安定していたようだが)、声を出して失笑してしまった。近くの人、ごめんなさい。

デスピノーサさんは、オーケストラメンバーにも何度かきちんとしたおじぎをしていた。細やかな気遣いができる人のようだ。

ピアニストがとても気に入ったので、CD(2,500円くらい)買って、サインしてもらい、満足。


リーズ・ドゥ・ラ・サールさん

ガエタノ・デスピノーサさん



2015年3月14日土曜日

関西フィルハーモニー管弦楽団 飯守泰次郎 清永あや ブルックナー 交響曲第5番 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 2015.3.14

評価  ★★★☆☆(星3つ)


関西フィルハーモニー管弦楽団 第263回定期演奏会

2015.3.14

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64

ブルックナー:   交響曲第5番 変ロ長調


アンコール:    なし

指揮      飯守泰次郎
ヴァイオリン 清永あや

場所 ザ・シンフォニーホール

席   3階 RRB-1  2,000円
     指揮者のななめ前。オーボエの横かな。
     ソリストの全身は見えるが、上を向かないと表情はよくわからない。

     完売ということだが、席が埋まっているのは9割強か。

建物に入ると、プレトークらしい音声が聞こえていた。
エスカレーターを上って会場に入ると、飯守さんがマイクを持ってプレトーク。
曰く。
曲が長いといわれると、次は短くすると言うが、実際にはもっと長くなっていた。
生涯独身だったが、60代になって18歳の少女に恋をした。純真。
服装に無頓着。上着とズボンが合わなかったり、靴が左右違ったり。奇妙な服装を見るのを近所の方々は楽しみにしていたが、それを、人気が出てきたと勘違いしていたとか。
など。話上手な飯守さん。

さて、演奏。

メンデルスゾーン。
出だしのヴァイオリンの音色のよさに驚いた。うっとりするような音色で、きれいに弾いている。強さと緊張感がもう少しあれば最高だったろう。この前聴いた川久保賜紀さん(チャイコフスキーだったが)よりも、好みの音だ。

飯守さんは、いつものように、やや硬いかんじの動きかた。最初、ソリストの方を向いて指揮。しばらく続けたあと、スコアを3~4枚めくっていた。概して、スコアを見ている時間の方が長いように見える。ブルックナーも。

ブルックナー。
大きな失敗もなかったようだ。(トロンボーンやら、トランペットやら、オーボエやら、若干気になったが。)最後など、かなり盛り上げていた。
しかし、音符をならべただけではない魂が感じられない。これは、指揮者の感性と、こちらの感性が合わないということだろうか。
終った後、ブラボーがそこかしこから聞こえたが、かなりの違和感があった。

ホルンのトップの人は、そつなく上手く吹いていた。京響のホルンより上手い感じで、かなり感心していたのだが、調べると、東京都響の前首席笠松長久さんだって。関西フィルの人は、ああは吹けないということだろう。ホルンがしくじったら、曲めちゃめちゃになるし。

クラリネットはよかった。梅本貴子さん。

指揮者とソリストが日本人同士だと、握手だけで、抱き合うことはしないのだ、とあらためて思った。
サロネンさんとヒラリーさんは、抱き合って、キスもしていたが。

2,000円だから良いが、一番高い6,000円の席だったとしたら、腹が立ったろうな。

2015年3月7日土曜日

フィルハーモニア管弦楽団 エサ=ペッカ・サロネン ヒラリー・ハーン 名古屋 シベリウス 交響曲第2番 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 他 2015.3.3

評価 ★★★★★ (★5こ) 

西宮よりも星が少ないのは、西宮に続いて、わずか1日おきの2回目だったので、新鮮な感動が薄れたから。

2015.3.3

指揮:     エサ=ペッカ・サロネン
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
フィルハーモニア管弦楽団

シベリウス作曲:交響詩「フィンランディア」op.26

ブラームス作曲:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
アンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より ジーグ

シベリウス作曲:交響曲 第2番 ニ長調 op.43
アンコール シベリウス 悲しきワルツ


会場 愛知県芸術劇場 コンサートホール

席 3階 R2-33

C席 11,000 円 (一番高いのは S 21,000)

どうしようかと迷ったが、西宮では聴けない大好きなシベリウスの2番も聴きたいと思い(5番も好き)、名古屋でのコンサートも行くことにした。

席は7割程度しか埋まっていない。名古屋でクラック好きな人ってかなり少ないのかな。せっかくのサロネンさん、ヒラリーさん、フィルハーモニアなのに。音楽家の方々、気の毒な感じ。でも、左側が空席で、くつろげた。
うっかりメガネを忘れたが、双眼鏡を持っていったので、よしとしよう。

ヒラリーさんは、一見すると、1日と同じドレス。まあ、モデルではないので、そう替えないか。しかし、相当汗をかくだろうに、どうしてるんだろうか。
ちなみに、サロネンさんも同じ(デザインの)服。
今日も、サロネンさんは、楽譜を置いているが、ほとんど見ずに、ページをめくるときだけ手が自動的に動いていた。暗譜よりもかっこいい。(そういえば、岩城宏之さんは、かっこいいので暗譜していると書いてた。そう、ついでに思い出した。佐渡裕さんは、暗譜しないことにこだわる、という意味いのことを書いてたが、べつにこだわるほどのことではないようにも思うが、真意はどんなことなのだろうか。)

さて、フィンランディア。やはり素晴らしい。ちょっとティンパニの入りに力が入りすぎたような気がしたところもあったが。

ブラームス。今日は、3階からなので、ヒラリーさんの顔はよく見える。ただし、全身はサロネンさんに隠れて見えないほうが多い。ヒラリーさんの音は、透明性があって、時に豊かさや艶やかさもある。第二楽章に入るときに、ヒラリーさんとサロネンさんが、目で合図をしていたことや、3楽章でチェロの方見たときのサロネンさんの幸せそうな表情が印象的。
アンコールのバッハも素晴らしい。まさに音楽の精。

シベリウスの2番。広がり、躍動感など、かなり良いが、平日の仕事後ということもあってか、こちらの集中力が散漫になってしまった。トランペットの透明感のある伸びやかな音が心地よい。あと、2楽章6~7分あたりのトランペットソロ、個性的な吹き方だったけど、サロネンさんの趣味? 

総じて、満足。


愛知県芸術劇場前の「水の宇宙船」 後ろはテレビ塔

愛知県芸術劇場

劇場入り口近く



2015年3月1日日曜日

フィルハーモニア管弦楽団 エサ=ペッカ・サロネン ヒラリー・ハーン 西宮 シベリウス 交響曲第5番 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 他 2015.3.1

評価 ★★★★★★ 6個)(5個で最高だが、それを凌駕しているので6個とした)

2015.3.1

指揮 エサ=ペッカ・サロネン
ヴァイオリン ヒラリー・ハーン
管弦楽 フィルハーモニア管弦楽団

シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

アンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より ジーグ

シベリウス:交響曲 第5番

アンコール シベリウス 悲しきワルツ

会場 兵庫芸文センター

席 1階バルコニー RA6 15,000円(≒京響5回分)(A席;一番高い席)
ヒラリーさんを近くできちんと見ることができる席を、と思って奮発したが、4分の1くらいはサロネンさんにかくれてしまった。RA1、2あたりか、RA10以降かなら、そのようなことはなかったような。残念。

満席

フィンランディア、冒頭から圧倒される。トロンボーン、そしてティンパニ。確固とした響き。
それから先も、いいようもなく美しい、魂がこもった演奏。金管も、全く危なげがない。涙が出そうなほど。勇気をもらうような演奏。

ブラームス。ヒラリーさんは、音色がいい。透明感があったり、艶やかさがあったり、がっちり感もあったりで、素晴らしい。去年のシベリウス(同じ会場。ネルソンスさんとバーミングハム市交響楽団)のときの方が、がっちり感は強かったような。去年の方がステップがかっこよっかった。まあ、曲の個性が違うということか。(オケは、バーミングハムよりも、フィルハーモニアの方が圧倒的に良い。)ヒラリーさんは、意外と、サロネンさんの方を見ること多かったな。
アンコールのバッハも、音色、音の表情、曲のつくり方など、素晴らしい。うっとりできる。
終った後は、サロネンさんと、ヒラリーさんと、右に左にと抱き合っていた。キスはなし。

そして、シベリウス交響曲第5番。曲が始まった時、指揮者とオーケストラが、一つの有機体(生物)になったかのような印象を受けた。まことの魂のある音楽。
がっちりとした感じではじまり、1楽章の最後の方はかなり早く、サロネンさんは、髪を振り乱す(といっても長髪ではない)とでもいった風に、激しく指揮。2楽章で、テンポは緩くなるが、眠気を感じさせず、時間はあっという間に過ぎる。フィナーレも圧倒的。
日本の(関西の)オケだと、トロンボーンやホルンの出だしのそろい方やら外したことやら気になるが、そんな不安はなく、音楽に集中できる。これが、世界水準。
癌の恐れのなかで4番を作曲し、癌の不安を払拭した後にこの5番を作曲したという。フィンランディアにも似た、未来に向かった音楽。

サロネンさんは、楽譜をおいているが、ほとんど見ない。腕だけが楽譜に伸びて、ページをめくる。(DVDで見た、バーンスタインさんが楽譜を置いてるときのような感じ。)長身ではないように見えるが、動きは大きくしなやかで、大きな音楽をしっかりとした枠組みで、時に枠を超え、つくっている。
1stヴァイオリンの方を向くことがわりと多かった。残念ながら、こちらの方(コントラバスとチェロ)は、時たま向くという程度だが、時に微笑みもあったりもする。
アンコールの後、団員に投げキッスし、最後に聴衆へと投げキッスし、舞台を去った。かっこいい。

ヒラリーさんは、今回も、演奏会のあと、気さくにサイン会。会場を出たのは早いほうかと思ったが、すでにけっこうな列。サインのあと、一人ひとりに素晴らしい笑顔もプレゼント。たいした人だ。Thank you very much. しか言わなかったのが少しさびしいが、次に機会があれば、ひとこと加えよう。ドレスはベージュ。床には着かないロングドレスで、足元に少しスリットが入っている。去年もそうだった気がするが、おなかがすこしぷっくりかな。まあ、管楽器のような複式呼吸がないからか。

オーケストラには、アジア系の人が意外にすくなく、ざっとみて3~4人か。
アフリカ系の人が、2人か。ティンパニストにも一人。上手い。
木管、金管、弦が絶妙に調和している。金管はすばらしく、オーボエもとてもよい。フィンランディアのあとは、サロネンさんが、オーボエの1stの人に立つよう合図していた。
金管は、日本のオーケストラとの差が大きいな。日本のオーケストラもオーディションして、世界中から集められないのかな。