評価 ★★★★☆
京都市交響楽団 第583回定期演奏会
曲 ブラームス 悲劇的序曲
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー ペトルーシュカ
指揮 ドミトリー・リス
ヴァイオリン 川久保賜紀
場所 京都コンサートホール
席 3階 LA1列 9番
ソリストは後方から見ることに。クラリネット、フルート、ホルンも後方から見ることになる。
料金 3,500円
完売とのことだが、空席がちらほら。(いつも、完売でも、空席がちらほらある。)
悲劇的序曲は、トロンボーンが微妙。だが、全体的には良い。
チャイコフスキーは、独奏ヴァイオリンの音に、芳醇さとつややかさがない。
それを除けば、良し。
1楽章の終わりの方で、演奏中に、川久保さんの弦が切れた。
動じた雰囲気を出さずに(さすが)、コンサートマスターのヴァイオリンと交換し、コンサートマスターは、後方と交換し、その人は更に後方の人と交換し、というように、弦が切れたヴァイオリンがリレーされ、それぞれの人の手元には後ろの人のヴァイオリン。(バルコニー席Lなので、最後は見えず。)
ヴァイオリンを交換した後の川久保さんの出す音は、質はあまり変わらないが一回り小さくなった感じだった。
第一楽章終了後、川久保さんがリスさんに何やら話しかけ、ついで、聴衆に「すみません。弦が切れました。」などと話し、コンサートマスターにヴァイオリンを返して袖に入った。しばらくして、(おそらく)もとのの楽器を持って再度ステージに。もう一度みんなでチューニングをして、第2楽章から再開。(貴重な経験だった。欲をいうと、R席に座ってヴァイオリンの最後の行方を見ておきたかった。確か、R席は売り切れで買えなかったのでL席にしたのだったと思う。残念。)
4月の大阪フィル(神尾真由子さんと井上道義さん)よりは、だいぶ良い。
(この曲だけなら★3つかな。ただし、弦が切れたときの対処に関心したので、そこも含めると★4つか。)
ストラヴィンスキーは、素晴らしい。最初のフルートの音が小さい気がしたり(ただし1911年版は、こんな感じが正しいのかも)、途中フルートが柔らかすぎる感じがしたり(好みの問題か)、ファゴットの音がちょっと目立ちすぎかと感じたり、ホルンの時折微妙なところがあったり、ナエスさんのコルネットで音程と速いパッセージやらで微妙なところがあったりしたが(早坂さんの方が上手いのかな)、それを凌駕して、色彩感に富み、広がりも大きい。最後の不気味な感じも良く出ている。時間を忘れる演奏。イングリッシュホルンの上手い使い方とでもいうのが学べた。小谷口さんのクラリネットの高音部の演奏、良かった。
リスさんは、楽譜を見る時間がやや長い気がしたが(特にチャイコフスキー)、存在感がある人だ。埋もれていたウラル・フィルを世界に引っ張り出したというのも分かる気がする。機会があれば、また聴きに行きたい指揮者。
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