2016年12月23日金曜日

京都市交響楽団 シュトックハウゼンのグルッペン 他 2016.12.23

★★★★☆

京響創立60周年記念 特別演奏会

日時:2016年12月23日(金祝)2:00pm 開演

会場名:京都市勧業館みやこめっせ(第3展示場)

出演者:広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
     高関 健(常任首席客演指揮者)
     下野 竜也(常任客演指揮者)
     大谷 麻由美(指揮)
     水戸 博之(指揮)

曲目等:シュトックハウゼン:3つのオーケストラのための「グルッペン」(2回演奏)

     ジョン・ケージ:5つのオーケストラのための30の小品

グルッペン、休憩、ケージ、休憩、2回目のグルッペンという順番。

全て自由席 3000円
(もっとも展示場の特設ステージにパイプ椅子なので、指定席というわけにもいかないか。)

2回目のグルッペンの前に、全員に席を空けさせ、そのうえで、違った席につかせていた。違う場所で聞こえる違う響きを味わってほしいという趣旨だ。
グルッペンは、日本では3度目の演奏で、10年前のサントリーホールには、下野さんも聴きに行っていたそうだ。

グルッペンは、3つのオーケストラ、3人の指揮者で演奏。みやこめっせの大展示場の前、左、右に、3つの特設ステージを作り、3つのオーケストラを、広上さん、高関さん、下野さんが指揮するという贅沢な時間と空間。
指揮者は3人とも客席側を向き、オーケストラは客席に背を向ける。シュトックハウゼンは、最初、h指揮者が聴衆に背を向ける形を考えたが、これでは演奏できなかったので(指揮者がお互いに見えないと、無理だよね)、今のスタイルになったそうだ。見ている側は新鮮でよい。

1回目は、いまひとつ音楽という気がしなかったが、2回目の時は、音楽という聞こえ方になっていたのが不思議だ。2回目の前のトークで下野さんは、1回目きちんとできなかったところもあると率直に言っていたが、聴いている方は、どこがどううまくいっていないのか、よくわからない。ケージの前のトークで、高関さんは、まずまずうまくできていたと話していたな(そして、正面の高関さんは、高関さんから見て右の広上さん、左の下野さんを同時に見ることはできず、場面に応じて、片方ずつ見ていたそうだ。その後、下野さんは、下野さんは2人ともよく見えていたと話していた。)。1回目の前のプレトークでは、広上さんが、下野さんがやろうと言い出し、高関さんもやろうと乗り気なので、しょうことなしに広上さんも加わったというような言い方をしていたが、実際のところ、広上さんもかなり力が入っているという印象だった。
この曲、音の掛け合いや、3つのオーケストラに連続的に音が鳴っていくという面白さを感じる。右のオケから左の壁に音が当たっての反響とかもあって、なかなか味わい深い。旋律の味わいが感じられないのは残念だが。オーケストラの音はかなり良い。京響は黄金時代を迎えているのかな。

3人の指揮者のおけいこ
https://twitter.com/AMATI_Inc/status/811229444308242432

ケージは、プレトークの高関さんによると、かなり自由度が高く、指揮者や楽団員にまかされている部分も大きいのだというが(グルッペンは構造化されているという)、聴いていてもよくわからない。
ケージでは、指揮者は5人に。

司会をNHKの女性アナに頼んでいた。さすがに、発声や、物腰は素晴らしい。

それにしても、下野さんは、いずれ、世界的な人になるような気がする。




2016年12月22日木曜日

読売日本交響楽団 マルクス・シュテンツ ベートーヴェン 交響曲第9番 2016.12.22

★★★★☆

2016.12.22

読売日本交響楽団 第15回 大阪定期演奏会

曲目/ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
指揮/マルクス・シュテンツ

独唱/アガ・ミコライ(ソプラノ)、清水華澄(メゾ・ソプラノ)、デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)、妻屋秀和(バス)

合唱/新国立劇場合唱団

2階 前から2列目 11番くらい 3回(1年間)セット券で、1回4500円くらい。1回券だと、A席6100円らしい(Sは7200円)

会場に着き、さて、1曲目は何だったっけと思って配られた資料をみると、どうやら今日は1曲だけらしい。会場でも、演奏が始まると終わるまで出れないとアナウンスしていた。

最初、少し乱れたように聞こえた。その後は、手堅い演奏という印象。音の厚みを感じない。ちょっと単調な運び方だ。この曲特有の宇宙的な響きを感じない。シュテンツさんとは趣味があまり合わないのだろうな。
ホルンの音色はかなり良い。

終楽章になって出番となった新国立劇場合唱団は、かなりの高水準。さすがである。バスの妻屋さんも素晴らしい。すると、当然の帰結だが、終楽章はかなり印象的だった。
ただ、テノールのフィリップさんの声がやたら小さかったが、どうしてだろうか?

フェスティバルホール1階もクリスマスモードだ





2016年12月10日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 ヤクブ・フルシャ 川村尚子 ショスタコーヴィチ 交響曲第10番 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 2016.12.9

ベートーヴェン ★★☆☆☆
ショスタコーヴィチ ★★★★★


大阪フィルハーモニー交響楽団 第504回定期演奏会

指揮/ヤクブ・フルシャ
ピアノ/河村尚子

曲目/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
    アンコール:ショパン  プレリュード 作品17
    
   ショスタコーヴィチ:交響曲 第10番 ホ短調 作品93

料金/A 6,000円 B 5,000円 C 4,000円 BOX 7,000円

C席。2階の最後尾 L寄り(ピアニストの手元はよく見える)
そこそこ空席もあり、見えた範囲では、9割くらいの埋まりか。

ベートーヴェン 
音を置いているだけの演奏。音楽ではない。
音の流れにストレスはないが。

しかし、アンコールのショパンになって、一転。音の広がり、音の心が現れた。
心地よい、情緒もある音楽だった。

赤いドレスの河村さんは、写真と全くの別人。本人に見えるような写真を使えばいいのに。


ショスタコーヴィチ
ベートーヴェンでは生命を感じなかったオーケストラが、突然生命を持ったという印象だ。
トロンボーンの若干の乱れが気にはなったが、総体としては素晴らしい。ショスタコーヴィチは、やはり、天才。
フルシャさんもショスタコーヴィツが大好きなのではないかな。
高橋将純さんのホルンはかなりよかった。関西では突き抜けていると思う。

ただし、2013年の京都市交響楽団のこの曲の演奏(指揮はパブロ・ゴンザレフさん)の方が良かった気はする。大フィルよりも京響の方が、心が入った演奏をするという印象だ。その時の京響では小谷口さんが、後半の開演前に熱心にさらっていたことや、終演後指揮者の合図で立ち上がってクラリネットを高く掲げて微笑んでいたことがとても印象的だった。(そのころはまだこのブログ(というか、メモ)を立ち上げていなかったのが残念。)





フェスティバルホール近くの淀川





2016年12月7日水曜日

プラジャーク・クヮルテットwith山碕智子 2016.12.7

★★★★☆

2016.12.7

 プラジャーク・クヮルテットwith山碕智子(ヴィオラ)

[Vn]ヤナ・ヴォナシュコーヴァ [Vn]ヴラスティミル・ホレク
[Va]ヨセフ・クルソニュ [Vc]ミハル・カニュカ [Va]山碕智子

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 op.74「ハープ」
モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516
ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 op.111

ホール 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
前から3列目、真ん中やや右。
客席の全体像がよくわからないが、お客さんで埋まっていたのは8割くらいか?


聞いていてストレスのない絶妙の演奏。
弦楽四重奏、五重奏で、ダイナミックレンジの広い、力強さや繊細さを感じさせてくれる。
山碕智子さんが奏でる音も、自然に溶け込んでいた。

しかし、ストレスがなさすぎて? 最初の2曲は緩徐楽章などで寝てしまった。岩城宏之さんは、よい演奏だと眠れると書いていたような記憶がある。超名演と下手な演奏は眠くならないとも。
そして、3曲目のブラームスは偉大と思った。退屈させない。眠気を生まない。