2014年9月27日土曜日

京都市交響楽団 ドミトリー・リス 川久保賜紀 チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲 ストラヴィンスキー・ペトルーシュカ 他 2014.9.27

評価 ★★★★☆

京都市交響楽団 第583回定期演奏会

曲 ブラームス      悲劇的序曲
   チャイコフスキー  ヴァイオリン協奏曲
   ストラヴィンスキー ペトルーシュカ

指揮 ドミトリー・リス
ヴァイオリン 川久保賜紀 

場所 京都コンサートホール

席   3階 LA1列 9番
     ソリストは後方から見ることに。クラリネット、フルート、ホルンも後方から見ることになる。

料金 3,500円

完売とのことだが、空席がちらほら。(いつも、完売でも、空席がちらほらある。)

悲劇的序曲は、トロンボーンが微妙。だが、全体的には良い。

チャイコフスキーは、独奏ヴァイオリンの音に、芳醇さとつややかさがない。
それを除けば、良し。
1楽章の終わりの方で、演奏中に、川久保さんの弦が切れた。
動じた雰囲気を出さずに(さすが)、コンサートマスターのヴァイオリンと交換し、コンサートマスターは、後方と交換し、その人は更に後方の人と交換し、というように、弦が切れたヴァイオリンがリレーされ、それぞれの人の手元には後ろの人のヴァイオリン。(バルコニー席Lなので、最後は見えず。)
ヴァイオリンを交換した後の川久保さんの出す音は、質はあまり変わらないが一回り小さくなった感じだった。
第一楽章終了後、川久保さんがリスさんに何やら話しかけ、ついで、聴衆に「すみません。弦が切れました。」などと話し、コンサートマスターにヴァイオリンを返して袖に入った。しばらくして、(おそらく)もとのの楽器を持って再度ステージに。もう一度みんなでチューニングをして、第2楽章から再開。(貴重な経験だった。欲をいうと、R席に座ってヴァイオリンの最後の行方を見ておきたかった。確か、R席は売り切れで買えなかったのでL席にしたのだったと思う。残念。)
4月の大阪フィル(神尾真由子さんと井上道義さん)よりは、だいぶ良い。
(この曲だけなら3つかな。ただし、弦が切れたときの対処に関心したので、そこも含めると4つか。)

ストラヴィンスキーは、素晴らしい。最初のフルートの音が小さい気がしたり(ただし1911年版は、こんな感じが正しいのかも)、途中フルートが柔らかすぎる感じがしたり(好みの問題か)、ファゴットの音がちょっと目立ちすぎかと感じたり、ホルンの時折微妙なところがあったり、ナエスさんのコルネットで音程と速いパッセージやらで微妙なところがあったりしたが(早坂さんの方が上手いのかな)、それを凌駕して、色彩感に富み、広がりも大きい。最後の不気味な感じも良く出ている。時間を忘れる演奏。イングリッシュホルンの上手い使い方とでもいうのが学べた。小谷口さんのクラリネットの高音部の演奏、良かった。

リスさんは、楽譜を見る時間がやや長い気がしたが(特にチャイコフスキー)、存在感がある人だ。埋もれていたウラル・フィルを世界に引っ張り出したというのも分かる気がする。機会があれば、また聴きに行きたい指揮者。

2014年9月26日金曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 大植英次 マーラー 交響曲第6番 2014.9.26

評価 ★★★☆☆

大阪フィルハーモニー交響楽団 第481回定期演奏会 2014.9.26

曲 マーラー 交響曲第6番

指揮 大植英次

会場 フェスティバルホール

席   2階 7列53

料金  4,000円

3階席は見えなかったが、それ以外はほぼ満席。当日券あり。


無難な演奏。目立って不自然なところはない。
しかし、テンポが遅めで、緊張感が少ないというか、密度が乏しいというか。まあ、これは、好みの問題だろうな。(演奏時間は、おおざっぱにいうと、1時間30分くらい。) 地間を忘れて没入という感じになれず。

この曲の呼び物であるハンマーは、少し小さめで地味な感じ。回数は、一般的な2回。ハンマーの音はしっかりしていた。(この曲でハンマーを鳴らしていることは、バーンスタインさんのDVD見るまで知らなかった・・・)

全体的に楽器の音が硬く無機的な感じ。マーラーであれば、芳醇さや艶やかさがほしいところ。
しかし、トランペットがよい音色でよく通っていた。ホルンも安定していた。ホルンは高橋将純さんが入団してだいぶ良くなった気がする。クラリネットとイングリッシュホルンも良い。この曲、実はトランペットが引っ張る部分がかなりある。

大植さんの指揮は、動きが大きくしなやかで、各楽器への合図もかっこいい。

ブラボーが結構出ていたが、感じ方は人それぞれなのだろうな。



入場前にドージマ地下街の「さぼてん」でトンカツを食べたが、油が悪く、気持ちが悪くなった。良いカツやさんのカツは油が気にならず、おいしいのだが・・・ ついスタンプカードをもらったが、使うことはないだろう。





2014年9月19日金曜日

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ドゥダメル指揮 シベリウス交響曲第2番 他 2014.9.19

評価 ★★★★★

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 大阪公演  2014.9.19

曲   シベリウス  トゥオネラの白鳥 
     モーツァルト 協奏交響曲 K364
     シベリウス  交響曲第2番 

指揮 ゲスターボ・ドゥダメル

会場 フェスティバルホール

席   2階 1列44番

料金 35,000円

3階席は見えなかったが、それ以外はほぼ満席
高そうなドレスやら着物やら着た人もちらほら。まあ、35,000円だし。

いつも画面で見ているドゥダメルさんが出てくると、少しうれしい気がする。

トゥオネラの白鳥を聞くのは本当に久しぶり。いつもは眠くなるつまらない曲と思っていたが、実はそうでもないことを発見。イングリッシュホルンが白鳥を描写しているということなのかな。音色からいうと、クラリネットの方が白鳥らしい気がするが。それは個人の好みと言うものか。

協奏交響曲は、しっかり眠くなってしまった。寝なかったが。岩城宏之さんも、コンサートの聴衆となったときは、心地よく寝ることが多いと書いていた気がするので、まあ、よしとしよう。アンコールは良かった。(アンコール:モーツァルト協奏交響曲第2楽章)

シベリウスの交響曲は、すごい。
弦の音色に深みがある。トランペットは音が伸びてしかもにごりがなく、キレがある。ホルンは甘い音色で、変に尖った感じにならない。こういった点は、いつも聞いている日本の交響楽団とだいぶ違う。質的に1段上ということだろう。
最初の弦の音から引き込まれ、ぞくぞくする。素晴らしい。
この曲は、個人的には、魂が自然の中を放浪して天上にのぼるという感じに聞こえる曲。表情をつけ、素晴らしい音色と響きで聞かせてくれた。(テンポはやや早目か。)

最後、アンコールを2曲も演奏してくれた。
ヨハン・シュトラウスⅠ世 アンネン・ポルカ
ヨハン・シュトラウスⅡ世 雷鳴と稲妻

値段相応の価値はあるが、でも高い。せめて2万円くらいにならないのかな・・・

このホールは、音がくっきり聞こえる気がするが、どうかな。


2014年9月14日日曜日

京都市交響楽団 広上淳一 運命 皇帝 2014.9.14

評価 ★★★★★

京都市交響楽団 京都の秋音楽祭 開会記念コンサート 2014.9.14

曲 ベートーベン ピアノ協奏曲第5番
   ベートーベン 交響曲第5番

指揮  広上淳一
ピアノ 佐藤彦大

会場 京都コンサートホール
席   2階 L3-17

料金 2,000円

ほぼ満席。
少しあいてるところは、義理で配られた人が来なかったということかな。

京都市長の挨拶で始まり。

ピアノ協奏曲は、ピアノが、私の好みからいくとちょっと淡白で、気になるところもあったが、よい演奏。(もうちょっとがっちりした感じがほしかった気もする。)
小谷口さんのクラリネットが心地よい。

交響曲は、かなりすごい。広上さんがスコアの中から出てきて、音楽をみんなに聞かせてくれているといった感じか。
2楽章の終わりのほうで木管が少し乱れた気もするが(気のせいかも)、まあ、そういうこともあるよね。
4楽章は聞く人を圧倒する。
この曲も、小谷口さんのクラリネットの響きが心地よい。

それにしても、京響は、広上さん指揮の時は、それ以外よりも一段階上の演奏になる。
これで2,000円って、お買い得すぎる。

席は、やはりLよりもR。Lは、ホルンのベルの直撃を受け、ホルンが浮いた感じに聞こえることもある。
2階であれば、LならL2の L3-17から、同じブロック内でもっと右にかけてが良いだろう。もしくは、L3-17から通路を挟んで隣の席。 RならL3-17の正面から舞台に離れた方向(離れる場合は少しだけ)
あたりがよいのではないか。

そうそう、去年の9月、小菅優さんが弾いた(京響)ベートーベンピアノ協奏曲第1番は、がっちりした感じで、とてもよかった。