2014年4月15日火曜日

トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン 英雄 他 2014.4.15

評価 ★★★★★★★7つ。5個がとりあえずの満点だが、それを凌駕すると判断し、7つとした。)

演奏 トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン(ウィーンフィル(ウィーン国立歌劇場管弦楽団)メン     バー主体の31人からなる合奏団体。この来日シリーズのために、毎年結成しているそうな。

曲目 イントラーダ(作曲者はよくわからない)
    ロッシーニ セリヴィアの理髪師序曲
    クロンマー 2つのクラリネットのための協奏曲
    R.シュトラウス 「バラの騎士」ワルツ
    ベートーヴェン 交響曲第3番変ホ長調
     (アンコール 皇帝円舞曲)

指揮者 なし

会場 ザ・シンンフォニーホール

席   RRE6 → 失敗 RDDD角の出っ張りのため、舞台の視界がかなりさえぎられる。
            RRDの1~4くらいが一番良いのではないか。舞台がよく見え、あまりさえぎら             れない。RREなら1~4。5も許容範囲かも。
     3,000円 (とても安い)


 音色や響きが、日本(関西)のオーケストラとは全く違う。甘美で、かつ、よく伸びる、素晴らしい音色。
 指揮者なしで、コンサートマスターが弓で合図して、始まる。
 
 最初、チューニングなしでいきなり始まって、びっくり。
 クロンマーは、モーツァルトと同時代の人らしい。クラリネットのかけあいがとても楽しい。クラリネットは、ウィーンフィル首席のペーター・シュミードルさんと、吉田誠さん。
 R.シュトラウスでは、冒頭のちょっと後に、ホルンが入ってくるところ、素晴らしい音色と音量。¥  ベートーヴェンも、素晴らしい音色。去年聞いた京都市交響楽団も悪くはなかったが、数段素晴らしい。指揮者って、いなくても問題ないのかも、などと考える。惜しむらくは、第4楽章冒頭30~40秒くらいで、トランペット(多分)の音が突き抜けてしまったこと。トランペットは、ウィーンフィルソロトランペットのハンス・ペーター・シューさんと、ウィーン国立歌劇場管弦楽団客員奏者のハインツ・クリスト・フェリッチさん。どちらの音かはわからず。
 ホルンは、安心して聴くことができた。音色(甘く芳醇)と、音の通りが、日本のオーケストラとは根本的に違う感じ。ホルンを安心して聴けると、こうも落ち着いた気分になれるのか。ヴェートーヴェンの3楽章、トリオの甘く芳醇で、かつ、通りが良い音色。素晴らしい。京都市交響楽団は、外さなかったが、音が硬く貧弱。

 思い出すが、シュテファン・ドールさんのマスタークラス。日本の音大生と、音の通りと音色が根本的に違う。何かで読んだ気がするが、日本人は、口や舌がホルンに不適なのかもしれない。あるいは、ホルンをきちんと吹けない人が、教えているのかも。英語の発音ができない教師が英語を教えているように。


 


   

2014年4月12日土曜日

兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオーケストラ) 佐渡裕 チャイコフスキー 交響曲第6番 他 2014.4.12

評価 ★★★☆☆

演奏 兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮 佐渡裕
ピアノ ドミトリー メイボローダ

曲   グリンカ   歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
     ラフマニノフ   ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調
曲   チャイコフスキー 交響曲第6番 ロ短調

場所 兵庫芸術文化センター

席  3階最前列R寄り A席4,000円

http://hpac-orc.jp/concert/20140411.php

先日のリハーサル見学に続き、待望の本番。
リハーサルと違い、服から黄色も赤もピンクもなくなり、ミニスカもなくなって、オーケストラらしい引き締まった感じに見える。

佐渡さんはプレトークで最近発売の千円のPAC現メンバーに似せたイラストがついた買い物バッグを、○百個しか作ってない、昨日○百個売れた、などと宣伝してた。
加えて、子どものころ母がピアノ弾いたり、家にレコードがあったりで、最初はベートーベンにはまり、次はチャイコフスキーやラフマニノフだったそうな。

グリンカ。初めて聴くが、とてもよい。次への期待が高まる。

ラフマニノフ。佐渡さんがプレトークで話したように、とてもハンサムな21歳のピアニスト。演奏は、情感たっぷりで、ピアノもオケも巣晴らし。
アンコール (ラフマニノフ 13の前奏曲第5番、同10の前奏曲第5番 2曲も!)の選曲と演奏も言うことなし。

チャイコフスキー。微妙。
リハーサルで気になってた冒頭近くのホルン(先日のエントリーに書いた)は、気にならない形に修正されていた。タムタムのマレットも、変えた後のものを使っていた様子。リハーサル見てよかったと当日に続き、再び満足。
演奏は、良いといえば良いのだろうが、何か十分でない感じがした。魂か。
1楽章では、早いパッセージでフルートの音がべた塗りしたように聞こえたところやら、3楽章で、フルートだったかピッコロだったかの音が突き抜けた感じがしたところやらが気になった。1楽章最後のトロンボーンは、まあ、こんな感じで成功なのかなとも思うが、微妙な感じ。
トランペットの音は、きれいに伸びて響いて、とても良かった。元ミュンヘンフィル首席のウーヴェ・コミシュケさんが加わっていたから?

2014年4月10日木曜日

兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオーケストラ)第69回定期演奏会公開リハーサル 2014.4.10 

演奏 兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮 佐渡裕
曲   チャイコフスキー 交響曲第6番 ロ短調
場所 兵庫芸術文化センター

席  2階最前列R寄り

10時会場で、10時半から11時45分まで公開リハーサル

10時5分前くらいに会場着。長蛇の列に、驚き。早い人は、いったい何時から来ていたのだろうか。席は自由なので、良い席を確保したいということだろうな。
しかし、2階の最前列ならば、10時半直前でも大丈夫だった。(2階バルコニー席に座ったら、案内のお姉さんに、バルコニー席はだめと言われ(もっと丁寧な言い方)、席を移った。)

団員さんが平服なので、本番の黒衣との隔たりが大きく、はっとする。あまり派手な人はおらず、白とか時に青とか黄色とか。ミニスカにハイヒールの団員さんがいたりもするが。
だんだんと舞台で練習する団員さんが増え、最後にピンクのトレーナーに紺のジーンズっぽいズボンの佐渡さん登場。
公開リハーサルは1楽章と4楽章。通しで演奏した後、佐渡さんがコメントしつつ部分部分を繰り返すという感じ。指揮台の椅子に座っているが、ここぞというときには立ち上がる。
タムタムマレットを替えるよう佐渡さんが言った様子で、スタッフさんが幾つかマレットを持ってきた。替えるとぐっとよい響きとなり大成功か。
私には、1楽章最初のホルンの音が大きすぎ、かつぎこちない感じがしたが、それが佐渡さん流なのかな。ファゴットの音が良かった。

終わった後、佐渡さんがマイクを持って、客席に近づき、お話を。さすがに慣れてる印象。ベートーベンで、交響曲でやれることはあらかたやりつくされ(楽章を5個にしたり、合唱を入れたり)、しかし、苦悩から歓喜へという構成は残されていた。チャイコフスキーの5番はそのような構成だが、6番は4楽章が歓喜ではないという異なった構成、楽章が普通の4楽章のような楽章になってるので、3楽章が終わるとブラボーがあることもあるそうな。2楽章は4分の5拍子で特異な効果。この曲で今年は全国ツアーとも話していた。
質問は?との投げかけに、1回最前列(といっても開放されていた席の最前列)の男性?が、宝塚100周年に佐渡さんが列席した(合唱指揮)ことに関して質問したらしく、いつもは男性が通らない経路を通った話や、オーケストラビットに行く階段がとても狭くこけるかもと思ったとか、日本でブルックナー4番を初演したのは、よく言われているN響ではなく、宝塚オケ(戦争の関係で日本に来たオーストラリア人が指揮)だったなどなどいろんな話をしてくれた。

コンサートでは味わえない経験ができてよかった。残念だったのは、佐渡さんが楽団員さんに話している内容がよくわからなかったこと。(観客席に背を向けて話してるし、遠いし、英語も混じってるようだし、まあ、わからないのもやむなし。)

佐渡さんいわく、本日の観客は800人以上。年間通し券購入者が見学できる仕組みと思うが、このような特典を作って、通し券のリピーターが増え、更に、口コミで通し券購入者が増えていくのだろうな。

2014年4月5日土曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団 井上道義 ショスタコーヴィチ 交響曲第4番 他 2014.4.5

評価 ★★★★☆

演奏     大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮     井上道義
ヴァイオリン 神尾真由子

曲目  チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
     ショスタコーヴィチ 交響曲第4番

場所 フェスティバルホール
席  2階 5列 18 B席 5,000円


1年ほど前に建てかえが終わったフェスティバルホール。
中に入るのは、今日が初めて。
天井も高く、どっしりとした高級感がある。
しかし、中にウォータークーラーが見つからなかったが、ないのだろうか?
いつも、芸文会館やら京都ホールやらでは愛飲しているのに。

ホール内は、開放感がある。2階5列といっても、そう遠い場所ではないとの印象。芸文会館3階前列と同じような感じかな。
舞台後ろに席がないのが残念。パイプオルガンがなければ、つくらないのかな。


チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、井上氏はタクトを持たずに暗譜で指揮。
演奏はきれいに聞こえた。ただし、心に染み入るような情感までは感じない。
はからずも、途中何度か眠くなってしまった。
岩城宏之さんが、確か、エッセイに、岩城さんはコンサートを聴きにいったときは、寝ることが多く、名演のときと、ひどい演奏のときは起きている。寝るのは、とびきりの名演とまではいかないけれども良い演奏のとき、というような意味のことを書いていたような気がする。
眠くなったのは、良い演奏だったから、ということで、許してもらおう。

そうそう、1楽章が終わったときに、少なからぬ人が拍手していた。
日本のクラシカルミュージックコンサートでは、楽章ごとには拍手しないのが礼儀とされているようだけど、いったいどうしたことだろう。
井上氏首席就任記念なので、この曲を聴いた事ことのない人が沢山義理で来ていたということかな。


ショスタコーヴィチは、素晴らしい。

去年だったか、大フィルのブルックナーで、ホルンの外れ方がひどくて、曲を台無しにしていたけど、今日は、ホルンのソロもきれいだった。同じ人かな。指揮者によって気合が違うのかも。
井上氏は、去年、京響のブルックナーで見たときよりも動きが時に大きいが、しなやか。
終演後、最初に、井上氏が立つよう合図したのがファゴットの人で、そう、この曲、ファゴットソロがとても目出つ。バスクラリネットも目立つ。打楽器の入れ方もうまい。チェレスタもそう。
(この曲は、譜面を置いて、タクトを持って指揮していた。)

プログラムに、井上氏が「あなたはこの曲の終わりでの虚無をまとった孤独で自由な世界を、涙を秘めて抱きしめることができるのだろうか。オーケストラと未来をかけて、全身をかけて取り組みます。」と書いているけど、確かに井上氏の気を感じた。この曲の最後のほうは、なんだか底のない不安という感じもするが。


実は、大フィルも、けっこう実力があるのかも。

                
写真の全体がフェスティバルタワー。その下の部分がホールになっている。