2017年3月25日土曜日

京都市交響楽団 広上淳一 マーラー 交響曲第8番 2017.3.25

★★★★★★★★
(通常★5個までだが、通常の5個を大きく凌駕しているので8個とした)
2017.3.25
マーラー:交響曲第8番変ホ長調

会場名:京都コンサートホール・大ホール
出演者:広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
髙橋絵理(ソプラノ)【ソリスト変更!】、田崎 尚美(ソプラノ)【ソリスト変更!】、石橋 栄実(ソプラノ)、
清水 華澄(メゾソプラノ)、富岡 明子(メゾソプラノ)、
福井 敬(テノール)【ソリスト変更!】、小森 輝彦(バリトン)、ジョン・ハオ(バス)

京響コーラス、京都市少年合唱団 ほか

3月25日、26日の2回公演で、両日ともに即日完売。仕事から帰ってネットで購入しようとしたが、京コン、ぴあ、その他いくつか探したが、どこも、まさかの売り切れ。
売り切れとは考えてもみなかったので、深い嘆きに沈んだ。
しかし、運よく招待券をもらえたので、無事聴きに行くことができた。
席は2階L2 60くらいだったと思う。

完売とはいうものの、例によって、ところどころに空席。来ないのは法人会員とか招待券の人だろうか?

驚くばかりの名演だ。
このような感動に満ちた演奏会は初めて。招待券をいただけたことに感謝。

広上さんは、いつも以上に体を動かし、時には飛び上がり、音を引き出す。
京響も乱れることなくそれに応える。ソリストも。そして、合唱も。
1楽章は力で押し切ったという感もなくはないが、2楽章の繊細な始まり。そして、圧倒的な、天上につながるようなフィナーレ。
パイプオルガンの前で歌うソプラノ3の石橋さん。出演は短時間だが、最も大きな輝きだ。ベージュ系のドレスが良く合っている。
金管の響きも格別だった。やはり、金管が天上界へとつながる。
小谷口直子さんはブログでこの曲を好きになりたいと書いていた気がするが、この日までに、きっと、好きになっていたのだろう。クラリネットもとてもよかった。

京響は、先日のびわ湖でのラインの黄金といい、今回の演奏といい、絶頂期を迎えているようだ。
それと、日本にも素晴らしい歌手が少なくないことも実感できた。

蛇足だが、演奏を終えた直後の大声ブラボーはやめてほしい。余韻が台無しだ。


2017年3月20日月曜日

セステット・ヴォーカル 2017.3.20

★★★★☆
セステット・ヴォーカル (SESTETTO VOCALE)
2017.3.20

無鄰菴に入ると、洋館でたまたまコンサートがあるということなので、聴いてみた。

管理者が、京都市直営から、指定管理者の管理にかわったということで、そのためか、洋館の1階にあった展示物が撤去され(どこに保管となったかは知らない)、広い空間が生まれた。ここでのコンサートは、今回が初めての試みということだ。
椅子が30弱くらいで満席、立ち見が10人くらいだろうか。会場の大きさからいうと、盛況だ。

セステット・ヴォーカルは、イタリアルネサンス音楽の中のマドリガーレという音楽を専門に歌う声楽アンサンブル(アルト・テノール・バリトン・バスの計4人)
伴奏なしで、3~4人で歌う。アルトの存在感が大きい。
これまで聴いた記憶はないが、明るく、心地よい響きの音楽だ。(30分余りで終了)歌もしっかりしていた。

アルト  かのうよしこ
テノール 中村康紀
バリトン 辻康介(主宰)
バス   岡部大輔



カルメン 小澤征爾 他 2017.3.20

★★★★★★(★5個を凌駕しているので★6個にした)

2017.3.20

ビゼー 
歌劇 カルメン

出演

音楽監督・指揮:小澤征爾
指揮: 村上寿昭
(※指揮は小澤征爾、村上寿昭の2 名により振り分け)

管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団
児童合唱:京都市少年合唱団

カルメン: サンドラ・ピクス・エディ
ドン・ホセ:チャド・シェルトン
ミカエラ:ケイトリン・リンチ
エスカミーリョ:サシャ・ディハニアン
メルセデス:アレクサンドラ・ロドリック
ズニガ:河野鉄平
モラレス:タイラー・ダンカン
ダンカイロ: 町英和
レメンダード: 大槻孝志

会場 ロームシアター京都
B席 17000円(S席は25000円)
1階 R2 20 くらい
このあたりの席が最も良いのではないか。舞台から比較的近い。音響もよい。もう少し前に行くと、舞台に対して斜め方向になりすぎる。
ただし、L席の方が、ビット内の金管、木管の奏者をよく見れるので、よりよいかもしれない。

小澤さん指揮の、どっしりとしたつくりの序曲で始まった。
歌といい、演奏といい、申し分ない。
とりわけ、カルメン役のサンドラ・ピクス・エディさんは、素晴らしい。うっとりする声だ。余人の追随を許さないのではないか。
オーケストラも、水準の高さに驚く。ふと、京都大学交響楽団の演奏を想起した。この舞台にかけるという魂がこもっていた気がする。
ただ、男性4人、女性4人(くらい)のフラメンコがうまくシンクロしていなかったことが若干気になった。
ストーリーはストーカー殺人で、あまり楽しい話ではない。曲は確かに素晴らしいが、この歌劇が長年にわたって人気を博しているということは、多くの人はストーカー殺人への憧れを抱いているということだろうか・・・

指揮は、お二人が半分くらいずつだ。小澤さんは、ずっと座っていた様子だ(はっきり見えないので断言を避ける)。終演後舞台に上がった時は、背筋は伸ばせず(肩のあたりがまるまっている)、歩き方もしっかりとはしていなかったが、存在感はあった。お顔を拝見すると、やはり、かなりお年を感じた。今後も末永く活躍を続けてほしいと切に思う。






2017年3月15日水曜日

読売日本交響楽団 下野竜也 アレクサンドラ・スム モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番 ブルックナー 交響曲第7番 

★★★★★
2017.3.9

読売日本交響楽団 第16回 大阪定期演奏会  
開演/19:00
指揮/下野竜也
ヴァイオリン/アレクサンドラ・スム
曲目/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番

   ブルックナー:交響曲 第7番

アンコール/イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番 第4楽章

料金/S 6,100円 A 5,100円 B 4,100円 BOX 8,500円

2階前から2列目左寄り s席だが、年間会員(といっても3回)で、1回あたり5000円くらいだったと思う。
(2日前に1階27列目で聴いたが、今日の席の方が、音の聞こえ方はかなり良いように思えた。)

モーツァルト
こじんまりとした感じの演奏。
スムさんの体をダイナミックに動かす弾き方と、時々目を合わせるスムさんと下野さんの姿が印象的だ。
アンコールのイザイでは、弾き方はダイナミック、音も、生き生きとダイナミック。心を揺さぶる演奏だ。モーツァルトよりもずっとよい。イザイの方が、スムさんに合っているのではないか。

ブルックナー
さすがは下野さん。心を引きつけ、とらえるような演奏だ。私の好きな宇宙的な響きも聞こえてきた。
迫力十分。素人にわかるような目立った乱れもない。
以前東京で聴いたこの楽団の同じ曲(指揮はカンブルランさん)よりもかなり良い。



大阪フィルハーモニー交響楽団 角田鋼亮 ドボルザーク 交響曲第9番 他

★★★★☆
2017.3.7

スターウォーズ のテーマ
ハンガリー舞曲第5番 ブラームス
新世界交響曲     ドヴォルザーク

アンコール1曲目 エルガー 威風堂々
     2曲目 不明

指揮 角田鋼亮
大阪フィルハーモニー交響楽団

大フィルの防災コンサート。
無料。
1階27列左の方

スターウォーズは、広がりを感じさせる演奏で、さすがは大フィル+角田さんの演奏だ。
ハンガリー舞曲は、指揮者体験コーナーで、3人が舞台に上がった。指揮が不安定なせいでか、一部うまく揃わない。京響の指揮者体験の時はちゃんとそろっていたけど・・・

新世界交響曲は、端正な秀演だ。きれいな音をうまく引き出している。
威風堂々も、実際に威風堂々としたかんじで、なかなかよい。

アンコール2曲目が始まった直後に、直下型地震が発生したとのアナウンス。席にいるようお姉さんがたが、呼びかけていた。防災訓練をきちんとできるように、かなり練習していたのだろう。大フィルの打楽器群も、ノリノリで災害の雰囲気を作っていた。
3階、2階、1階の順に避難。
きちんと救護隊も用意していた。
階段で外に出たところで、終了となった。




2017年3月4日土曜日

ラインの黄金 沼尻竜典 京都市交響楽団 ほか

★★★★★
2017.3.4
ワーグナー
ラインの黄金
指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演 出:ミヒャエル・ハンペ
装置・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ
管弦楽:京都市交響楽団
出演
ヴォータン:ロッド・ギルフリー
ドンナー:ヴィタリ・ユシュマノフ
フロー:村上敏明
ローゲ:西村 悟
ファゾルト:デニス・ビシュニャ
ファフナー:斉木健詞
アルベリヒ:カルステン・メーヴェス
ミーメ:与儀 巧
フリッカ:小山由美
フライア:砂川涼子
エルダ:竹本節子
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:小野和歌子
フロスヒルデ:梅津貴子
びわ湖ホール
3階5列目くらい 左寄り 
会員価格10000(一般11000)
売り切れというが、ちらほらと空席あり。
一番高いのはSS20000(会員19000)
Sは16000

満足度の高い演奏会だった。

CGと歌手の実物が混然一体化している演出。感心する。
歌手もなかなかよいが、昨年だったか一昨年だったかに行った新国立劇場の歌手の方が、ワンランク上の歌を歌っていた。声の量や質、そして歌いまわし。

オーケストラは、今日の京響の方がワンランク上。沼尻さんの指揮が、飯守さんよりもかなり良いというのもあるだろう。演奏が劇と一体となっており、素晴らしい。
ビットに入っているので、顔やらほとんど見えないのが残念。

楽劇総体としては、今日のびわ湖の方が一歩上だろう。沼尻さんと京響のおかげだ。

2人の巨人、どうしてあんなに大きいのだろうと思っていると、カーテンコールの時に、謎が解けた。下に脚役の人が一人。肩車かなにかで、上に歌手。(しかし、長い時間立ちずめなので、下の人、かなり大変だったのではないか。また、巨人が倒れるシーン、けがなしに倒れるのはそう簡単ではないのだろうな。)

3人の人魚とフライアは、シースルーの衣装で、乳首が透けていた(と思う。まさか衣装に乳首を書いてないよね)。歌手さんもたいへんだ。といっても、オペラ歌手は、歌手兼俳優なので、それも織り込み済みか。

この劇場は、シートがゆったりしていてとても良い。