2015年8月18日火曜日

京都市交響楽団 園田隆一郎 小谷口直子 モーツァルト クラリネット協奏曲 ベートーヴェン 交響曲第6番 2015.8.18

★★★★☆


第Ⅰ部
「音楽する脳」茂木健一郎、園田隆一郎によるトーク

第Ⅱ部
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68

アンコール モーツァルト フィガロの結婚序曲

2015.8.18

会場 京都コンサートホール

席 2階 L2 36  2,700円(多分1割引)

7割程度の入りと思う

第Ⅰ部
茂木氏は、脳科学の話はほんの3~4分したのみ。2流の芸人の話を聞いているようで、不全感が残る。あと何分、と何度も公言し、意味のない時間つぶしの話ばかりしていた。ベートーヴェンにひっかけて、しばらく前に話題になっていた耳が聞こえるのに聞こえないふりをしていた自称作曲家にも言及したりとか、品位もない。京響の今後の定期演奏会の話や京響の本拠地の話を客演の園田さんに振るって、何を考えているんだか。話のための準備もほとんどしていないことがまるわかり。 いったい何のために呼んだのだろう。

まあ、好きなクラッシック曲を生で聞いた場合に脳内の報酬物質が分泌されるなどという話は興味深いことは興味深いが、単に紹介したのみで、掘り下げようともしない。英語もCDなどはだめで生でないと習得できないとも言っていたな。でも茂木氏の英語学習用CDも朝日出版から発売されていたが、いったいどういうことかな。

さらに、茂木氏は、モーツァルトのクラリネット協奏曲の1、3楽章は、とても幸せな曲調で、19,20歳の人が作曲したならともかく、死の3か月(だったかな)前の人が作曲したとは思えないというようなことも言っていた。これらの楽章が幸せ、楽しさなんて、いったいどんな感性なんだろう。私としては、死をも見据えた透徹した境地としか思えないのだが・・・

園田さんは、よく茂木氏に付き合い、健気なものだ。ベートーヴェンは耳が聞こえないのに、新しい和音を用いたりもしていたという驚くような話も聞かせてくれた。

第Ⅱ部
モーツァルト。
小谷口さんが、ブルーのドレス、髪の毛アップで舞台に出てきて驚いた。いつもの雰囲気とかなり違う。しかも、あまり似合ってないような・・・(まあ、これは主観なので)
演奏は、かなりよい。美しさと繊細さと。暖かさと平常心と。いつもどおりの、好きな音色だ。
3楽章の高音から低音に一気にさがった時の低音が、もうすこし大きく柔らかければ(ライスターさんのように)いうとなし。まあ、演奏家の解釈の違いか。
日本人のソリストと指揮者の組み合わせにしては、極めて珍しく(というか小谷口さん以外には見たことがないが)、演奏後指揮者と抱き合っていたのが印象的。演奏後のにこやかな顔からしても、会心の演奏に近いものだったのだろうな。拍手に応えるポーズは、まだぎこちない。手を広げる時のポーズももっと研究してほしいな。これから、もっと、しなやかに堂々とした雰囲気を現せるようになってほしい。
そうそう、ファゴットの中野さんも印象的だった。きれいな音を絶妙のタイミングで奏でていた。

ベートーヴェン。
これも良かった。とくに非の打ちどころもない。園田さん、第Ⅰ部で京響の音は素晴らしいと言っていたが、その音を、ここでもうまく引き出していた。

フィガロ。
これは名演。澄んだ、屈託のない、天国に近づけそうかな、とでもいうような演奏。さすが、欧州の歌劇場で鍛えている園田さんだ。スキンヘッドのホルンのお兄さんも、とてもよかった。




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