★★★★★★ (★5個で名演だが、通常の★5個を凌駕しているので★6個とした。)
[ピアノ]HJリム
ベートーヴェン:4大ソナタ
ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 「悲愴」 op.13
ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 「ヴァルトシュタイン」 op.53
ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 「月光」 op.27-2
ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 「熱情」 op.57
アンコール
ワーグナー、リスト:イゾルデの愛と死
ショパン:子犬のワルツ
ショパン:黒鍵のエチュード 作品10-5
HJリム:アリランファンタジー
ラヴェル:ラ・ヴァルス
会場 ザ・シンフォニーホール
席 B19 (前から2列目ややL側) 全席3,000円
(1階のみ販売)
後ろをきちんと確認はできなかったが、おおむね満席と思う。
これまで、何十回かベートーヴェンのピアノソナタを聴いたと思うが(何百回はいっていないと思う。まあ、100回くらいはあるかもしれない。)、いい曲と思ったことはあっても、すごい曲だと感じたことはなかった。
今日、その理由がはっきりした。それは、演奏がつまらなかったから。
リムさんの演奏は、とにかくすごい。速さ、感情の起伏。音楽が生きている。長い髪や腕が舞う。緩徐楽章でもぼおっとさせられることはない。表情もとても良い。たまにキーがきちんと押さえられていないこともあったような気もするが、大きな問題ではない。ベートーヴェンさんのメトロノーム指示どおりにえんそうしているそうだが、ベートーヴェンさんも、こんな風に演奏したかったのではないか、という気がする。(曲によっては不可能な速さなので、ベートーヴェンさんのメトロノームはくるっていたという人もいるが、どうだろうか。)
批評家さんの論評には賛否両論あるが、否の方々は保守的にすぎるのだろう。
明日からは、音楽プレーヤーのバックハウスさんを消してリムさんにしよう。
アンコールも、5曲。腱鞘炎にならないのかな、と心配する。いずれも、音楽の精神が乗り移って演奏しているかのような演奏。リムさんの作曲らしいアリランファンタジーの不思議な響きも心地よかった。
終演後のサイン会では、気さくにファンと一緒に写真を写してくれていた。(カメラ持って行けばよかった。スマホはあったけど。)
来年も来てくれないかな。
そうそう、ユーチューブで見た時には、スリムで小柄という印象だったが、実際は、少しぽっちゃりした感じ(太っているわけではない)だったのが意外だった。
見慣れた黒い衣装と長い髪は、そのままだった。パンプスは多分12~13センチくらいのヒール。
そして、拍手を受ける時のポーズは、しっかりと板についていた。
2015年8月26日水曜日
2015年8月18日火曜日
京都市交響楽団 園田隆一郎 小谷口直子 モーツァルト クラリネット協奏曲 ベートーヴェン 交響曲第6番 2015.8.18
★★★★☆
第Ⅰ部
「音楽する脳」茂木健一郎、園田隆一郎によるトーク
第Ⅱ部
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68
アンコール モーツァルト フィガロの結婚序曲
2015.8.18
会場 京都コンサートホール
席 2階 L2 36 2,700円(多分1割引)
7割程度の入りと思う
第Ⅰ部
茂木氏は、脳科学の話はほんの3~4分したのみ。2流の芸人の話を聞いているようで、不全感が残る。あと何分、と何度も公言し、意味のない時間つぶしの話ばかりしていた。ベートーヴェンにひっかけて、しばらく前に話題になっていた耳が聞こえるのに聞こえないふりをしていた自称作曲家にも言及したりとか、品位もない。京響の今後の定期演奏会の話や京響の本拠地の話を客演の園田さんに振るって、何を考えているんだか。話のための準備もほとんどしていないことがまるわかり。 いったい何のために呼んだのだろう。
まあ、好きなクラッシック曲を生で聞いた場合に脳内の報酬物質が分泌されるなどという話は興味深いことは興味深いが、単に紹介したのみで、掘り下げようともしない。英語もCDなどはだめで生でないと習得できないとも言っていたな。でも茂木氏の英語学習用CDも朝日出版から発売されていたが、いったいどういうことかな。
さらに、茂木氏は、モーツァルトのクラリネット協奏曲の1、3楽章は、とても幸せな曲調で、19,20歳の人が作曲したならともかく、死の3か月(だったかな)前の人が作曲したとは思えないというようなことも言っていた。これらの楽章が幸せ、楽しさなんて、いったいどんな感性なんだろう。私としては、死をも見据えた透徹した境地としか思えないのだが・・・
園田さんは、よく茂木氏に付き合い、健気なものだ。ベートーヴェンは耳が聞こえないのに、新しい和音を用いたりもしていたという驚くような話も聞かせてくれた。
第Ⅱ部
モーツァルト。
小谷口さんが、ブルーのドレス、髪の毛アップで舞台に出てきて驚いた。いつもの雰囲気とかなり違う。しかも、あまり似合ってないような・・・(まあ、これは主観なので)
演奏は、かなりよい。美しさと繊細さと。暖かさと平常心と。いつもどおりの、好きな音色だ。
3楽章の高音から低音に一気にさがった時の低音が、もうすこし大きく柔らかければ(ライスターさんのように)いうとなし。まあ、演奏家の解釈の違いか。
日本人のソリストと指揮者の組み合わせにしては、極めて珍しく(というか小谷口さん以外には見たことがないが)、演奏後指揮者と抱き合っていたのが印象的。演奏後のにこやかな顔からしても、会心の演奏に近いものだったのだろうな。拍手に応えるポーズは、まだぎこちない。手を広げる時のポーズももっと研究してほしいな。これから、もっと、しなやかに堂々とした雰囲気を現せるようになってほしい。
そうそう、ファゴットの中野さんも印象的だった。きれいな音を絶妙のタイミングで奏でていた。
ベートーヴェン。
これも良かった。とくに非の打ちどころもない。園田さん、第Ⅰ部で京響の音は素晴らしいと言っていたが、その音を、ここでもうまく引き出していた。
フィガロ。
これは名演。澄んだ、屈託のない、天国に近づけそうかな、とでもいうような演奏。さすが、欧州の歌劇場で鍛えている園田さんだ。スキンヘッドのホルンのお兄さんも、とてもよかった。
第Ⅰ部
「音楽する脳」茂木健一郎、園田隆一郎によるトーク
第Ⅱ部
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調「田園」op.68
アンコール モーツァルト フィガロの結婚序曲
2015.8.18
会場 京都コンサートホール
席 2階 L2 36 2,700円(多分1割引)
7割程度の入りと思う
第Ⅰ部
茂木氏は、脳科学の話はほんの3~4分したのみ。2流の芸人の話を聞いているようで、不全感が残る。あと何分、と何度も公言し、意味のない時間つぶしの話ばかりしていた。ベートーヴェンにひっかけて、しばらく前に話題になっていた耳が聞こえるのに聞こえないふりをしていた自称作曲家にも言及したりとか、品位もない。京響の今後の定期演奏会の話や京響の本拠地の話を客演の園田さんに振るって、何を考えているんだか。話のための準備もほとんどしていないことがまるわかり。 いったい何のために呼んだのだろう。
まあ、好きなクラッシック曲を生で聞いた場合に脳内の報酬物質が分泌されるなどという話は興味深いことは興味深いが、単に紹介したのみで、掘り下げようともしない。英語もCDなどはだめで生でないと習得できないとも言っていたな。でも茂木氏の英語学習用CDも朝日出版から発売されていたが、いったいどういうことかな。
さらに、茂木氏は、モーツァルトのクラリネット協奏曲の1、3楽章は、とても幸せな曲調で、19,20歳の人が作曲したならともかく、死の3か月(だったかな)前の人が作曲したとは思えないというようなことも言っていた。これらの楽章が幸せ、楽しさなんて、いったいどんな感性なんだろう。私としては、死をも見据えた透徹した境地としか思えないのだが・・・
園田さんは、よく茂木氏に付き合い、健気なものだ。ベートーヴェンは耳が聞こえないのに、新しい和音を用いたりもしていたという驚くような話も聞かせてくれた。
第Ⅱ部
モーツァルト。
小谷口さんが、ブルーのドレス、髪の毛アップで舞台に出てきて驚いた。いつもの雰囲気とかなり違う。しかも、あまり似合ってないような・・・(まあ、これは主観なので)
演奏は、かなりよい。美しさと繊細さと。暖かさと平常心と。いつもどおりの、好きな音色だ。
3楽章の高音から低音に一気にさがった時の低音が、もうすこし大きく柔らかければ(ライスターさんのように)いうとなし。まあ、演奏家の解釈の違いか。
日本人のソリストと指揮者の組み合わせにしては、極めて珍しく(というか小谷口さん以外には見たことがないが)、演奏後指揮者と抱き合っていたのが印象的。演奏後のにこやかな顔からしても、会心の演奏に近いものだったのだろうな。拍手に応えるポーズは、まだぎこちない。手を広げる時のポーズももっと研究してほしいな。これから、もっと、しなやかに堂々とした雰囲気を現せるようになってほしい。
そうそう、ファゴットの中野さんも印象的だった。きれいな音を絶妙のタイミングで奏でていた。
ベートーヴェン。
これも良かった。とくに非の打ちどころもない。園田さん、第Ⅰ部で京響の音は素晴らしいと言っていたが、その音を、ここでもうまく引き出していた。
フィガロ。
これは名演。澄んだ、屈託のない、天国に近づけそうかな、とでもいうような演奏。さすが、欧州の歌劇場で鍛えている園田さんだ。スキンヘッドのホルンのお兄さんも、とてもよかった。
2015年8月12日水曜日
関西フィルハーモニー管弦楽団 藤岡幸夫 シベリウス 交響曲第1番 菅野祐悟 筝と尺八と管弦楽のための協奏曲 2015.8.11
第1部 ★★★★☆
第2部 ★★★☆☆
2015.8.11
【第1部】
◆アンダーソン:舞踏会の美女
Leroy Anderson:Belle of the Ball
◆菅野 祐悟:永遠の土【世界初演】
◆菅野 祐悟:箏と尺八と管弦楽のための協奏曲~Revive~ 【関西初演】
【第2部】
◆シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 作品39 【生誕150年記念】
Jean Sibelius : Symphony No.1 E minor Op.39
アンコール
エルガー: 2つの小品 第1曲 夕べの歌
指揮:藤岡幸夫
筝 :遠藤千晶
尺八:藤原道山
会場:いずみホール
2階席 Lの2列目19だったか。
ほぼ満席。たいしたものだ。着物のお客さんがいつもより多めに思うが、筝をやってる人たちかな。
藤岡さんが指揮台に上がるやいなや、拍手も続いているところに、演奏開始。度肝を抜かれる。
舞踏会の美女が終わると、マイクを持って「司会と指揮は(順番逆だったかな。コンサートの最後で藤岡さんと関西フィルのテレビ番組を宣伝した時は「司会と指揮」と確かにいっていた。)藤岡幸夫」などと話し、また驚き。多分、このシリーズのコンサートのときは、いつもこんな様子でやっているのだろうな。永遠の土は、今日のために委嘱した曲だと藤岡さんが言っていた。
このあと、作曲者の菅野さんから言葉をもらう。中学生のころ頭の中に音楽が鳴っていたが、それは世にない音楽。その音楽をつくりたいので作曲家を志した。天才かも。
さらに、演奏前に、遠藤さんと藤原さんから一言(というかワンスピーチ)ずつ。遠藤さん曰く、演奏前は話したくないが(そうだろうな)「大人の事情で」話すことになったのだという。藤岡さんに頼まれて断れなかったということか。遠藤さんは伝統的な13弦の筝を愛用している、響きが好きだから。今は、オケとの共演も多く、そのため30弦もある筝もできている。この曲は、作曲者の菅野さんが遠藤さんに相談しながらつくった。藤岡さんによると、遠藤さんのための曲。藤原さんからは、3楽章がノリノリなので洋装にしたなどといったお話。
さて、菅野さんの曲。いずれも分かりやすく心地よい曲だ。筝やら尺八やらの演奏を見ていると、けっこうかっこいい。筝の柱を動かして出す音の音程を変えているらしい。不思議な音となる部分もあって、なかなかよい。ただし、協奏曲の方では、演奏者が拍手(というか手拍子というか)する部分がかなり長く、それも何度か出てきていた。楽器の音色が手拍子に隠れたし、しつこかった。
そうそう、筝の音は、力強い響きだった。
筝も尺八もチューニングに加わっていなかったが、いつものことなのかな。
第2部のシベリウス。
藤岡さんはシベリウスが好きだという。
しかし、出だしがきちんとそろらなかったり、出だしの音がへんに大きかったり。藤岡さんが左手を握っても音が切れない楽器がいくつかあったり。
熱演はよくわかるが、深みにかけている印象も。テンポが単調なのかな・・・ それとも曲自体の問題か・・・ よくわからない・・・
第2部 ★★★☆☆
2015.8.11
【第1部】
◆アンダーソン:舞踏会の美女
Leroy Anderson:Belle of the Ball
◆菅野 祐悟:永遠の土【世界初演】
◆菅野 祐悟:箏と尺八と管弦楽のための協奏曲~Revive~ 【関西初演】
【第2部】
◆シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 作品39 【生誕150年記念】
Jean Sibelius : Symphony No.1 E minor Op.39
アンコール
エルガー: 2つの小品 第1曲 夕べの歌
指揮:藤岡幸夫
筝 :遠藤千晶
尺八:藤原道山
会場:いずみホール
2階席 Lの2列目19だったか。
ほぼ満席。たいしたものだ。着物のお客さんがいつもより多めに思うが、筝をやってる人たちかな。
藤岡さんが指揮台に上がるやいなや、拍手も続いているところに、演奏開始。度肝を抜かれる。
舞踏会の美女が終わると、マイクを持って「司会と指揮は(順番逆だったかな。コンサートの最後で藤岡さんと関西フィルのテレビ番組を宣伝した時は「司会と指揮」と確かにいっていた。)藤岡幸夫」などと話し、また驚き。多分、このシリーズのコンサートのときは、いつもこんな様子でやっているのだろうな。永遠の土は、今日のために委嘱した曲だと藤岡さんが言っていた。
このあと、作曲者の菅野さんから言葉をもらう。中学生のころ頭の中に音楽が鳴っていたが、それは世にない音楽。その音楽をつくりたいので作曲家を志した。天才かも。
さらに、演奏前に、遠藤さんと藤原さんから一言(というかワンスピーチ)ずつ。遠藤さん曰く、演奏前は話したくないが(そうだろうな)「大人の事情で」話すことになったのだという。藤岡さんに頼まれて断れなかったということか。遠藤さんは伝統的な13弦の筝を愛用している、響きが好きだから。今は、オケとの共演も多く、そのため30弦もある筝もできている。この曲は、作曲者の菅野さんが遠藤さんに相談しながらつくった。藤岡さんによると、遠藤さんのための曲。藤原さんからは、3楽章がノリノリなので洋装にしたなどといったお話。
さて、菅野さんの曲。いずれも分かりやすく心地よい曲だ。筝やら尺八やらの演奏を見ていると、けっこうかっこいい。筝の柱を動かして出す音の音程を変えているらしい。不思議な音となる部分もあって、なかなかよい。ただし、協奏曲の方では、演奏者が拍手(というか手拍子というか)する部分がかなり長く、それも何度か出てきていた。楽器の音色が手拍子に隠れたし、しつこかった。
そうそう、筝の音は、力強い響きだった。
筝も尺八もチューニングに加わっていなかったが、いつものことなのかな。
第2部のシベリウス。
藤岡さんはシベリウスが好きだという。
しかし、出だしがきちんとそろらなかったり、出だしの音がへんに大きかったり。藤岡さんが左手を握っても音が切れない楽器がいくつかあったり。
熱演はよくわかるが、深みにかけている印象も。テンポが単調なのかな・・・ それとも曲自体の問題か・・・ よくわからない・・・
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